日本中央競馬会が定める格付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 17:11 UTC 版)
「競馬の競走格付け」の記事における「日本中央競馬会が定める格付け」の解説
日本中央競馬会(以下JRA)が定める格付けには以下の2つが存在する。 サラブレッド系種の平地競走に対する格付け サラブレッド系種の障害競走に対する格付け いずれもJRAが主催する中央競馬のみに格付けを定める。 サラブレッド系種の平地競走の重賞競走において1984年に導入されたのが日本国内で初めての格付けである。この際に最も格付けの高い競走をグレードワン(略してGI・ジーワン)、以下グレードツー(GII・ジーツー)、グレードスリー(GIII・ジースリー)と3段階のグレードを採用したことからグレード制と呼ばれるようになった。この時にグレードワンに指定された競走は、八大競走(東京優駿・皐月賞・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬・天皇賞(春)・天皇賞(秋)・有馬記念)。八大競走に準ずる扱いであったジャパンカップ、宝塚記念、エリザベス女王杯。これに古馬短距離戦(1600m以下)としては高額賞金レースで最も長い歴史を誇り、格が高いとされていた既存重賞の安田記念。秋季マイル王決定戦として新設されたマイルチャンピオンシップ。そして東西の3歳ステークス(朝日杯3歳ステークス、阪神3歳ステークス)の全15レースであった。尚この際、障害レースとアラブの重賞に関しては対象外となっている(障害は1999年にグレード制採用)。 2007年より国際セリ名簿作成基準書のパート1国への昇格が決まったが、これとともにICSCからそれまで使われていた「グレード(G)」の表記の変更を求められた。「グレード(G)」はICSCの定める国際競走にしかつけることが許されないためである。各格付け団体は新しい重賞格付けの表記などを検討し他の競技の表記の使用状況や商標登録がされているかどうかを考慮に入れ、「JAPAN」の簡略形である「Jpn」の表記に変更する決定を3月28日に発表した。これに伴い、JRAが定める格付けとダートグレード競走(「ダートグレード競走」の呼称は変更せず)について国際格付けが与えられている59の重賞競走については引き続き「グレード(G)」(GI, GII, GIII)を用い、それ以外の競走については「Jpn」(JpnI, JpnII, JpnIII)を用いることとなった。なお、この表記の変更は2007年1月1日に遡って適用されることとなったが2006年12月31日以前の競走については表記の変更は行われない。「G」と「Jpn」の表記のおける違いは国際グレードが与えられているものとそうではないものの違いのみであり、競走格付や競走体系などの変更はない。なお「Jpn」の読み方は「グレード」でも「ジェイピーエヌ」でもなく「ジー」である(例:「JpnI」→「ジーワン」)。文面での表記の違いは一目であるが、発言上では「G」と「Jpn」は混同しやすい。 JRAはホームページ等における格付け表記の変更にはJRAコンピューターシステムのデータベースおよびプログラムの改修を伴うものがあり、勝馬投票券、競馬場・WINSのテレビモニターのオッズ画面およびトータリゼータボード等といった全面的な変更には時間がかかった。その他メディアにおいても各新聞社では競馬ブックなどは「Jpn」の表記を採用、サンケイスポーツは「Jpn」の表記をG1, G2, G3といったアラビア数字で区別をしている。しかしスポーツニッポン、スポーツ報知、日刊スポーツといった大手スポーツ新聞社は2008年も「Jpn」の表記を使用せず以前からの表記を継続している。フジテレビ、関西テレビなども同様である。 年度GI級GII級GIII級(新設)重賞(格付け無し)備考国際GIJpnI国際GIIJpnII国際GIIIJpnIII2006年5 17 6 28 2 63 (該当なし) 2007年12 10 16 18 31 34 2008年2009年15 7 25 9 57 8 1 レパードステークスを新設(格付け無し) 2010年22 - 34 - 66 - トパーズステークスが重賞(GIII)に昇格(同時にみやこステークスに改称) 2011年1 35 - JpnIの1競走はマイルチャンピオンシップ南部杯(東京競馬場)(例年は地方競馬の盛岡競馬場で施行、東日本大震災の影響で変更)府中牝馬ステークスがGIII→GIIに昇格レパードステークスをGIIIに格付け 2012年- 1 アルテミスステークスを新設(格付け無し) 2013年 2014年36 67 ラジオNIKKEI杯2歳ステークスがGIII→GIIに昇格(同時にホープフルステークスに改称)京都2歳ステークスが重賞(GIII)に昇格いちょうステークス(2015年にサウジアラビアロイヤルカップに改称)が重賞(格付け無し)に昇格アルテミスステークスをGIIIに格付け 2015年66 2 ターコイズステークスが重賞(格付け無し)に昇格愛知杯(GIII)を当年限り休止(ターコイズステークスの重賞昇格に伴う時期移設) 2016年69 1 サウジアラビアロイヤルカップをGIIIに格付け紫苑ステークスが重賞(GIII)に昇格 2017年24 34 70 - 大阪杯・ホープフルステークスがGII→GIに昇格ターコイズステークスをGIIIに格付け 2018年3 35 68 1 JpnIの3競走はJBC競走(京都競馬場。例年は地方競馬の主催者持ち回りで施行)JBC競走のJRA施行に伴い、みやこステークス(GIII)を当年限り休止チューリップ賞をGIIIからGIIに昇格葵ステークスが重賞(格付け無し)に昇格 2019年- 69 2020年38 66 富士ステークスがGIII→GIIに昇格 2021年36 68 東京スポーツ杯2歳ステークスがGIII→GIIに昇格 2022年69 - 葵ステークスがGIIIに昇格
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