既存線の延伸計画の中止案件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 19:40 UTC 版)
「日本の路面電車一覧」の記事における「既存線の延伸計画の中止案件」の解説
函館市交通局(函館市)2000年以降、五稜郭公園前 - 赤川一丁目間、および湯の川 - 函館空港間の路線の延伸が検討されたが、採算面や民間バス会社との競合の発生を理由に見送られた。 相鉄いずみ野線(藤沢市)終点の湘南台駅から慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)付近まで延伸させる計画がある。ライトレールの導入も検討され、神奈川県と藤沢市、相模鉄道、慶応大学の間で協議が行われたが、普通鉄道(単線)による延伸という方針が採択された。 土佐電気鉄道(現・とさでん交通)(高知市)JR高知駅の高架化に合わせて高知駅周辺土地区画整理事業やJR土讃線高知駅周辺連続立体交差事業などの高知駅周辺都市整備を計画する中で路面電車の北伸が検討されたが、諸事情で事業内での計画を断念、将来北伸が可能なように設計することになった。駅舎設計時にはその旨を踏まえ、西側の自由通路は電車が通れる大きさになっている。 長崎電気軌道(長崎市)赤迫支線を北方の滑石まで延長する構想が存在した。しかし、2011年までに長崎市はこの構想の検討を断念している。 熊本電気鉄道(熊本市)全路線を改軌すると共に藤崎線を延伸して熊本市電と直通運転する、または改軌せずにどちらかを延伸し、接続駅(電停)での対面乗換を可能にするという計画案。元々は熊本電気鉄道が中心部結節強化以外に旅客を増やす方法はなく、また老朽化した設備の更新も現状のままでは不可能との判断から、路線の存続を賭ける最後の手段として熊本市にすがりつく形で浮上した案であったが、行政サイドはこれを一刀両断に拒否、検討委員会を設置して、鉄道を廃止して路盤をバス専用道に転用、連節バスやガイドウェイバスを走らせる新バスシステム導入を軸に検討を進める方針を一旦決定した。しかし、熊本電気鉄道が投資できる環境になく、また九州新幹線の開業にも間に合いそうもないことなどから、まずは熊本電気鉄道自体の経営再建を優先させつつしばらく様子を見ることとなり、都心部結節計画の検討自体が当面凍結されることとなった。 熊本市交通局(熊本市)延伸計画もある一方で、熊本市は2006年、鹿児島本線・豊肥本線連続立体交差化事業及びJR熊本駅東口駅前広場整備に合わせ、JRとの乗り換えの利便性を向上させる目的からJR熊本駅新駅舎に市電を引き込む計画を提起し、同年、熊本県など関係機関と合意。2013年9月に東口駅前広場機能配置案を公表した。同案によると熊本市電田崎線の熊本駅前電停から直接二本木口電停方面に向かっている現在のルートから、双方に分岐点を設けて市電が東口駅前広場内を横切り、JR熊本駅新駅舎1階部分に進入、スイッチバック方式で再び東口駅前広場内を横切り本線上に戻るという計画であった。市電の軌道敷は歩行者が自由に往来できるトランジットモール形式を想定していた。ただ歩行者や自転車の往来について安全面の課題があるため、その可否に向けて検討を行い、2014年度中に結論を出すことになった。2015年2月、大西一史熊本市長は熊本市議会本会議において「歩行者・自転車の安全確保や駅前広場の自由な往来が制限されるという課題に解決策が見い出せていない」「(事業計画・日程や今後検討を進める市電そのものの延伸への影響も踏まえ)駅舎乗り入れを諦め、駅前広場計画を見直す」と述べ、計画断念を表明した。今後は市電とバス・タクシーとの乗り換え利便性の向上について検討するという。
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