新製後の主な動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 05:02 UTC 版)
「国鉄211系電車」の記事における「新製後の主な動き」の解説
1989年大垣区への2次車の投入に伴い東海道線での運用が開始されたが、合わせて神領区に配置されている本系列の東海道線への進出も開始された。ただし、大垣区の本系列は、後年の静岡区転出まで中央線で定期運用に就くことはなかった。列車番号表示器は使用されないことから、先頭車の車番を表示するようになった。 静岡区に投入された本系列は、主に富士駅 - 島田駅間の「するがシャトル」にて運用されていたが、繁忙期のみ大垣駅まで向かう運用も存在した。 1990年神領区への4次車投入に伴い、神領区の2次車3連1本が大垣区に転出した。 前面方向幕は普通列車の場合は行先(ローマ字併記)を表示するように変更された。(快速列車の場合は白地に青で「快速」の表示、行先は表示されない)。ただし、静岡区配置車の行先表示は、日本語のみの表記だった。 1991年大垣、神領区配置車の前面方向幕(ローマ字併記)がJR東海タイプの書体に変更され(快速列車の場合は青地に白で「快速」の表示)、3次車の側面方向幕も4次車同様に書体がJR東海タイプの書体に変更された(ローマ字表記も頭文字のみ大文字のタイプに変更)。ただし、2次車の幕は変更されなかったほか、静岡区配置車にも変更は無かった。 大垣駅発豊橋駅行きの普通列車1本を飯田線新城駅まで延長(飯田線内は快速)。大垣区配置車が飯田線の運用を拡大した。 1992年これまで大垣区に配置されている0番台の予備車は、117系電車であった。しかし、快速増発および編成増強により117系自体にも余裕がなくなった。これに伴い、0番台の予備車を確保するため、神領区から2次車3連1本が4連K20編成のサハ211形5000番台1両とともに大垣区に転属した。この転属車は4連1本だったが、実際にはサハを抜かれた3連で運用に就いたほか、0番台代走時は別の3連にも組み込まれた。このため代走時はトイレなし、ロングシートの4連が東海道線の快速に使用されるという事例が見られた。サハはそれ以外は運用から外れ、大垣電車区内に留置されていることが多かった。 サハを抜かれたK20編成はK125編成として3連運用と共通で運用された。一時的にクハ210形が別の編成の同形式に差換えられたこともあった。 1996年東海道線名古屋駅 - 岐阜駅間の輸送改善のため、普通列車の待避駅を尾張一宮駅から岐阜駅に変更し、普通列車についてもスピードアップが必要となったことから、日中の大垣区の113系電車の運用を中央線運用の本系列と差し換えた。これで東海道本線の日中のほとんどの普通列車が本系列となったほか、神領区配置の4連の運用範囲が菊川駅まで延長された。 1997年神領、大垣の2次車の側面方向幕が天地寸法はそのままで書体がJR東海タイプに変更された。 10月のダイヤ改正で中央線の快速列車が鶴舞駅に全列車停車になり、合わせて快速が増発(実質は普通列車毎時2本を快速に格上げ)した結果、211系3連トイレなしの快速列車が登場した。 関西本線名古屋口でも輸送力の増強を図り、神領区の103系電車のほか、大垣区の3連も関西本線での運用を開始した。 1999年313系電車の投入に伴い、大きな動きが生じた。313系の大量投入により、普通列車にも311系が充当されるようになり、神領区配置車の東海道本線での運用が消滅した。また、関西本線では本系列の運用が大垣区から神領区へ移管された。これに伴い、神領区から2次車3連7本が大垣区へ転属し、大垣区ではこれを期に編成番号を車番順に振り直した。飯田線直通運用は313系に置換えられ、運用が消滅。一方で神領区からの移管に伴い、大垣区所属の編成の東海道本線での運用範囲は菊川駅まで延長された。また、1992年に神領区から大垣区に転属していたサハ211-5018は神領区に再度転属の上でK125編成に組み込みの上、同編成は再度K20編成に編成番号が戻された。これによって、名古屋地区の5000番台は大垣区に60両(3連20本)、神領区に131両(4連20本と3連17本)という内訳となった。 静岡地区では113系電車を含め、列車番号表示機の使用を中止した。本系列は、名古屋地区のものとは異なり、非表示(番号札自体が取り外された)となったほか、前面、側面とも方向幕をJR東海書体のものに変更した。 2005年2005年日本国際博覧会(愛知万博)開催に伴い、アクセス列車「エキスポシャトル」の運転が開始された。神領区では専用編成として3+4+3の10連が一時的に組成されたほか、車両不足も生じたため、大垣区から3連1本を借り入れた。後に4連の工場入場車が復帰すると大垣区の3連は返却され、この4連がサハを抜いた3連で代走を務めた。 2006年313系増備車の投入に伴い、大垣区の5000番台の運用が消滅し、3連20本が静岡区へ転属された。これによって大垣区では5000番台の配置がなくなり、同区へ配置の211系は先述の0番台8両(4連2本)のみとなった。一方で静岡区配置の5000番台は大垣区からの転属によりそれまでの51両(3連11本、2連9本)から111両(3連31本、2連9本)にまで増加し、同区の113・115系の一部が置き換えられた。なお、神領区へも313系増備車が29両投入されたものの、同区所属の211系には特に大きな動きは見られなかった。 静岡地区でも313系増備車の営業運転が開始された2006年12月より前面方向幕の行先表示を中止し、「普通」のみの表示とした。そのようにした理由は、313系の種別表示が211系種別表示のすべてに対応しておらず、回送、試運転、団体、臨時、普通以外の設定をすると、313系側の種別が未表示または誤表示となる場合があったためである。なお、神領区では改善が行われていたため、313系併結時でも本系列は行先の表示が可能であった。 2009年静岡車両区配置の313系の種別表示を211系側に対応した表示が出るように改修し、313系併結時でも前面に行先の表示を可能とした。また視確性向上のため、先頭車の貫通扉の渡り板に塗装を施した車両も登場している。 2011年2010年から投入されている313系4次車同様、床面の靴ずり部への黄着色の追加と、優先座席のロングシートの座席表皮をオレンジ色のもの(313系優先席と同一のモケット生地)へ変更した車両が登場した。 2022年新型車両315系の導入により余剰となった車両の廃車回送が開始された。2025年度までにすべての車両が廃車となる。
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