政治に対する基本姿勢
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左右の全体主義に反対し、政治的・経済的・社会的・国際的平等を掲げた民主社会主義の今日的意義の追求が自らの政治活動の原点であるとし、福祉社会の実現のために必要となる公共部門や社会的規制の機能を重視する立場から、「小さな政府論」、一律的な「官から民へ」、「市場競争・規制緩和万能」の政策論に異を唱える。今日の日本の政治が、競争・効率・自己責任の論理(強者の論理)に重点を置く政治に傾斜しているとし、それに歯止めをかけ得る共生・公正・支え合いの理念に重点を置く民主・中道・リベラルの政治勢力の必要性を主張。その確立による二大政党政治の実現をめざしている。 自民党と切磋琢磨できる二大政党のもう一極を形成すべき政治勢力の基本姿勢として、「強者の論理に立たず、社会的に弱い立場に重きを置く」、「経済産業は大事だが、それ以前に人間がある。人間を粗末にした形での利潤追求を許さない。人間のための経済社会が目標であり、経済産業最優先(至上主義)の姿勢はとらない」、「福祉・社会保障を重視し、小さな政府論には立たない」、「労働、安全、生命、医療、衛生、環境などの社会的規制を重視し、単純な規制緩和論には反対する」、「外交面においては、強者の論理に立たない姿勢の帰結として、軍事に偏ることなく、平和的外交努力を重視する」ことを掲げている。 辻泰弘は、厚生労働副大臣や参議院厚生労働委員長などを務め、雇用・労働・医療・年金・介護・障がい者福祉、生活保護、薬事、子育て支援など、生活・暮らしに直結した政策課題を中心に取り組んできた政治家である。 「『厚生』は『生』を『厚くする』と書くが、その『生』とは、生活の『生』、人生の『生』、生命の『生』、衛生の『生』、生身の人間の『生』である、その『生』を『厚くする』ことこそが厚生労働行政の使命であり、それが即ち政治の使命でもある。この『生を厚くする』ことを政治人生の旗印とし、人間の幸せを追求する本来あるべき政治の姿を求め、ともに生きる明るい未来を築くため、人生の全てを政治に捧げたい。」(社会保険旬報 2013年1月11日号) 「経済を支配する論理は競争原理しかないであろうが、社会を規定する論理が競争原理になった時に、人間の幸せはない。これが私の信念であります。」(2006年3月27日、参議院本会議討論より) 「生命、医療、労働、安全、環境、衛生などについての規制は、いわゆる社会的規制と呼ばれるものであるが、それらは、人間が人間として生きていく上で不可欠な、人間の存在の基本にかかわる規制であり、単純に規制緩和することによって、人間が幸せになれるものではなく、また、人間のための経済社会をつくる上でプラスに作用するものでもない。無原則な規制緩和は国民福祉を損ねる危険性をはらんでいる。」(朝日新聞「私の視点」2014年5月18日など) 「『にんべん』に『動く』と書いて『働く』という字になることが示すように、人間にとっての労働は、その人の人生・生活にとって極めて重要な、死活的な意味を持っている。労働運動も政治もめざすところは人間の幸せにあると思うが、その幸せは人間の日々の営みの中で重いウェイトを占める雇用・労働の状態の幸せ度にかかっており、幸せの実現は雇用・労働の状態の幸せ度をいかに高め得るかに大きく依存する。」(「月刊JTU」2008年8月) 「資源なき日本の最大の資源は人であり、人材である。将来に向けての日本の繁栄と国民の幸せを築いていくためには、日本はこれまで以上に人を育て、国民の個性と能力が最大限に開花され得る社会をつくっていかねばならない。そのためには、社会保障、雇用・労働、教育などの分野における制度の基盤の充実・強化が不可欠である。」(2012年5月12日発表談話) 「書生論を申し上げるようですけれど、私は政治にかかわって33年ぐらいなんですけれども、政治とは何ぞやというふうなことを問われたときに私がいつも申しますことは、政治とは、いろんな局面があるけれども、やはり政治とは人間の幸せの追求でなければならない、政治とは人間の幸せの追求である、このように私は思っているところでございます。そして、その幸せを追求するということを考えるときに何ができるか、何をするかということになるわけですが、やはり人間としての幸せの根底に人間の存在、すなわち生きているということ、そして、できることであれば、より健康で生きているということがある、それを支えるのが医療である。すなわち、医療の幸せ度がいかほど高められるかがやはり人間の幸せ、社会全体の幸せを大きく規定するということであろうかと思います。そして、また同時に、多くの国民、人間は働いて、なりわいを得て仕事をし、生計を立て、家族共々の幸せを築いている。そういったことからいたしますと、働くという部分の固有の幸せ度、また働くということに関連する幸せ度、それをいかほど高められるかということがやはりこれまた個人にとっての、人生にとっての、またトータルとしての国民全体、社会全体の幸せも規定してくると、このように私は思っております。そういった意味で、政治が課題とすべき幸せを追求する。その上で、医療、雇用、こういった部分は本当にその中心的な柱を成す、そのように私は思って今日まで取り組んでまいりました。」 (2010年10月21日 参議院厚生労働委員会 参議院議事録) 選択的夫婦別姓制度導入について、賛成としている。
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