女装のタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 17:23 UTC 版)
女性装をする人には以下のようなタイプがある。 異性愛異性装者 - シスジェンダー男性で女装するものは異性装指向者である。また、自らが女装することで性的興奮する性嗜好であり、性的指向(恋愛対象)が男性ではなく女性の場合は、精神医学ではオートガイネフィリアとされる。 シスジェンダー女性 - 社会が「女性的記号」であるとする衣類(例:フリルブラウス)や装飾品を意識的に選択する事を「女装する」と表現する場合がある。 トランスジェンダー女性 - 生得的身体に割り当てられた男の性別が自身のジェンダーアイデンティティと違うことで生じる性別違和を、一致している性別に性転換をして似せることで緩和させる事がある。正確にいうと「女装」ではない。 ドラァグ・クイーン - トランスジェンダーの範疇とは別に、「性の多様性」のアピールの為に女装を強調する同性愛者の男性がいる。これはドラァグ・クイーンがその典型とも考えられる。 宗教的理由から、男性が女装して祭儀などを行うことがある。古代の母権制宗教にはその傾向が顕著であったが、近世から現代にもその伝統が祭礼等で残っている場合がある。 男児の乳幼児死亡率が高かった時代の迷信で、男児の早世を避けるため、女児の服装で育てるとよいと信じられていた。欧州の上流階級ではこのような習慣が20世紀まではあった。ただし着用が自らの意思ではないためこれは女装ではない。 母親または家族等が女児を欲していた場合に男児が生まれたとき、上記の慣習に準じて女児として育てるが、十歳になってもなお少女の服装で育てた場合がある(ライナー・マリア・リルケがこの例になる)。 幼少期の家庭環境に影響され、姉妹の多い家族構成や男言葉や男らしい振る舞いを禁じられた過度なしつけ、何かのきっかけで母や姉妹の衣類を着用した(または着用させられた)ことがある、など成育時の児童虐待により認知がゆがんだケース。 心理的、また精神医学的な理由から女装が望ましい人がいる。男性であることが負荷である人や、ジェンダー把握が女性位相も含む人は女装に休息や自然さを感じる。ただし反復的に女装を繰り返すうちに心理的に依存状態になり、ひいてはエスカレートする例もあるため注意する。 フェティシズムにおいて、女性の服装・装身具や化粧などに性的嗜好や性的興奮を感じる者は、狭義に女装を行うパラフィリアに判別される。 文化的な規範か、機会的な状況において、男性が女性の役割を演じる必要がある場合がある。職業的に永続するこのような役割は、歌舞伎の女形がそうである。劇において、出演者が男性しかいない場合、女性役はやはり女装することになる。男子高等学校の演劇部が劇を演じる場合にもこのようなことが起こる。ウィーン少年合唱団等はミニ・オペレッタを公演で提供することがあるが、女性役は少年が演じる。 女性を接客するホストクラブでも女装をして接客するイベントを行うことがある。 芸としての女装 - 古典芸能では女形、それ以外ではタレントや芸人など桜塚やっくん扮する「スケバン恐子」ゴリ扮する「松浦ゴリエ」元SMAPの香取慎吾扮する慎吾ママ、女性歌手のものまねを得意とする前田健など、ネタとしてお笑い芸人が女装して特定のキャラクターを演じる事がある。尚、最近はネタとしてではなく、しらすのこうげき!のひよりなど女装男子として生活しててお笑い芸人になったものもおり、同一ジャンルだがまた別のタイプでもある。 学園物や恋愛物の漫画やそれを原作としたドラマなどでは、美男子という設定の登場人物が女装することが多い(『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』や『有閑倶楽部』、『ヤマトナデシコ七変化♥』など)。 ファッションとして、 女装に見える派手な服装や化粧などをする人がいる。ヴィジュアル系のロック音楽グループに、そのような例がある。 またこれもファッションと考えられるが、メンズ・スカート愛好者も、女装と見なされることがある。
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