執行施設とは? わかりやすく解説

執行施設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 16:55 UTC 版)

日本における死刑」の記事における「執行施設」の解説

死刑執行するための装置の概要は、絞罪器械図式明治6年太政官布告第65号)に定められており、この布告については死刑執行方法基本的事項定めたものとして法律同一効力有することが最高裁昭和36年7月19日大法廷判決によって確認されている。 ただし、現行の執行施設は絞踏板式のうち地下式と呼ばれるもので、絞罪器械図式別紙図式である「絞全図」に定められ地上設けるものと若干異なるが、上の最高裁判決奥野健一裁判官は「現に行われている地下式の執行方法前記布告五号図解するところに比し、むしろ被執行者精神的苦痛軽減し執行公開主義から密行主義への推移沿う合理性備えているものであって、右布告五号準拠していないとは言いえない。」と補足意見として述べている。 この判決に対しては、「この判例太政官布告蘇生させたことは、そうしなければ絞首刑合憲性結論づけることが難しいため、窮余の弁であった見られても仕方がない」「この判決辻褄合わせ奇弁との誹を免れたいであろう」などの批判がある他、判例解説書いた最高裁調査官でさえ「それにしても死刑という重大な刑罰執行方法に関する基本的事項今日なお約1世紀前の古色蒼然たる太政官布告準拠しているとは誠に奇異の感がしてならない現代即応した立法速やかになされることを切望してやまない」と述べられている。しかし、当時から現在に至るまで新たな立法はなされていない2010年8月27日報道公開された東京拘置所刑場説明する刑場教誨師面会を行う教誨室、拘置所長から執行正式に告知され目隠し手錠かけられる前室死刑執行される執行室(前室執行室は青いカーテン仕切られている)、死刑囚が立たされる踏み板床板)を開けボタンがあるボタン室、拘置所長らが執行見届ける立会室などから構成される刑事訴訟法上、死刑は、検察官検察事務官及び刑事施設長又はその代理者立会いの上、これを執行しなければならない刑事訴訟法4771項)。また、検察官又は刑事施設長の許可受けた者でなければ刑場に入ることはできない刑事訴訟法4772項)。 死刑には拘置所長、立会検事検察事務官首席矯正処遇官処遇担当)、首席矯正処遇官教育担当)、医官2名、刑務官5名以上、宗教教誨師立ち会う検事立会い刑事訴訟法規定されているが、推理小説家佐賀潜著書 の中で検事時代1944年長崎刑務所浦上支所執行された場に、担当でもないのに興味本位立ち会った体験述べている。 祭壇教誨室と前室の2ヶ所にあり、死刑確定者信仰する宗教に応じて仏教キリスト教神道祭壇を選ぶことができるほか、無宗教選択できる教誨室では宗教教誨師最後説教説法を行う。その後前室連行され、ここで拘置所長が死刑執行指揮書を読み上げる執行正式な告知)。その後死刑確定者拘置所長や刑務官らと別れ挨拶を行うのが一般的である。死刑確定者落ち着かせるために拘置所長・首矯正処遇官教育担当)・宗教教誨師講話を行う。 祭壇には供え物生菓子果物置いており、首席矯正処遇官教育担当)から最後飲食勧められるまた、拘置所によっては喫煙認められる拘置所長が死刑確定者最後に言い残したことはないか尋ねる。遺言があれば教誨室で遺言を残すことができ、希望があれば遺書書くこともできるが、時間限られており、実際前もって用意しておくことが多い。 一通り終わると死刑確定者執行室へ連行される。宗教教誨師仏教系場合執行までの間、読経が行われるという。死刑執行基本的事項については絞罪器械図式明治6年太政官布告第65号)による。刑務官らは目隠しと、腕の拘束手錠)、足の拘束迅速に行い執行室に連行されると、踏み板踏み板にはビニールテープ思われる大小2つの赤い囲ってある)の上に立たされ、首にロープかけられロープの頚に当たる部分は革で覆われている)、長さ調節する執行責任者合図により、ボタン室で待機する3人(拘置所によっては5人)の刑務官により同時に3つ(5人体制の場合5つ)のボタン一斉に押される床板開き死刑確定者執行室の下へ落下するボタン一斉操作は、誰のボタンにより操作が行われたか分からないようにする目的行われるのである。なお、ボタン故障等で操作できなかった場合備え別途床板操作できる非常用ハンドルがある。2018年執行され松本智津夫場合で、出房から執行までは20程度だったという。

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執行施設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:38 UTC 版)

彦根拘置支所」の記事における「執行施設」の解説

死刑執行施設なし(死刑確定者大阪拘置所移送される。) この項目は、政府地方役所公益法人などを含む)に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者求めています(P:政治学/PJ政治)。

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