友鶴事件
友鶴事件
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1934年3月12日午前4時12分頃、佐世保港外で夜間訓練中、荒天のため転覆し殉職者72名を含む総数100名の犠牲者を出すという事故(友鶴事件)が起こった。同日午後2時5分に転覆した友鶴を発見し、佐世保警備戦隊旗艦「龍田」が曳航して翌日午前7時に佐世保に到着。佐世保海軍工廠ドックに入渠させ艇内から生存者10名を救出した。調査の結果、千鳥型を含む藤本喜久雄造船少将が設計していた艦は、復原性の不足が指摘され、改善工事が行われた。友鶴の修理、復旧工事、復原性能改善工事は佐世保工廠で行われ、1935年(昭和10年)5月に完成した(復原性能改善工事の内容は「千鳥」を参照)。 1935年9月に第四艦隊事件が起き千鳥型も1936年(昭和11年)8月から11月にかけて改善工事が行われた。詳細は明らかでないが他艦ほど大きな問題にはならなかったようである。ただ速力は更に低下し27ノットほどだったと言われる。 1936年(昭和11年)12月に第21水雷隊を同型艇4隻で編成し中国方面へ進出、上陸支援や封鎖作戦などに従事した。太平洋戦争開戦後、緒戦は南方の攻略作戦を支援、その後は船団護衛などに従事した。 1942年3月15日に軽巡洋艦「鬼怒」、水上機母艦「千歳」や駆逐艦「雪風」、「時津風」などとともにN攻略部隊を編成し、同月末から西部ニューギニア戡定作戦に従事。N攻略部隊はアンボンに集結し、3月29日夜から30日早朝にかけて出撃。4月22日にN攻略部隊はマノクワリに集結完了して作戦を終了し、翌日N攻略部隊の編制が解かれた。続いて軽巡洋艦「五十鈴」などとともにS攻略部隊を編成し、小スンダ列島戡定作戦に従事。「友鶴」は集結地のスラバヤに5月7日に到着し、翌日部隊は同地を出撃。5月21日から25日にかけてスラバヤに帰投し、5月25日にS攻略部隊の編成は解かれた。 1943年1月2日から5日に陸軍の杉浦支隊が「國玉丸」でアンボンからアルー諸島へ輸送され、「友鶴」と「初雁」がそれを護衛した。続いて「友鶴」は杉浦支隊の一部をカイ諸島へ輸送。6日に輸送を終えアンボンへ向かったが、その途中で爆撃を受け至近弾で損傷し死者7名負傷者7名を出した。「友鶴」は機械室と第二缶室に浸水して航行不能となり、「初雁」に曳航されて12日にアンボンに到着した。
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友鶴事件
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詳細は「友鶴事件」を参照 このような艦艇の限界を超えるような過大な兵装は、艦の復原性が不足することとなるとの指摘があったが、艦政本部の責任者藤本喜久雄少将(当時)は用兵側の要求を満たすためこのような艦を建造し続けた。[要出典]その結果、1934年(昭和9年)3月に3番艦「友鶴」が荒天のため転覆、総員113名中死者行方不明者あわせて100名を出すという大事故が起こった。調査の結果、千鳥型を含む多くの新造艦は復原性の不足が指摘され、復原性能改善工事を行った。 本型の場合は建造中だった4番艦「初雁」は復原性能改善工事を施し同年7月に竣工、「千鳥」「真鶴」は同年秋に工事完成、「友鶴」は事故の復旧と同時に復原性能改善工事を行った。 本型の主な工事内容は以下のとおり。 バルジの撤去 バラストキール(幅1,050mm、深さ450mm)を取り付け艦底やバラストキール内にバラスト98トンを搭載する。 艦橋を1層低める。 伝声管の撤去 砲塔形式の12.7cm砲3門は全て撤去され45口径三年式12cm砲(通称G型砲)に換装された。これを開放式盾の付いた単装砲架で艦首に1基、船体中央部(2番発射管跡)に1基、後部甲板上に1基の計3基を搭載した。この改装により砲熕兵装の重量は74トンから52トンに減少した。なお「千鳥」「真鶴」のG型砲は旧型の盾を装着している。 魚雷兵装は53cm連装発射管 1基のみとなり予備魚雷は廃止された。これにより魚雷兵装の重量は70トンから30トンへ減少した。なお発射管の防盾(シールド)は竣工時と同じ前面だけのままだった。 なお「日本の駆逐艦オール大百科」ではマスト、煙突も短縮したとする。 これらの工事により復原性能は改善されたが兵装は大幅に減少し、排水量は公試状態で815トン(計画)にまで増加、速力は28ノットまで低下した。
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