北袋町1丁目地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:21 UTC 版)
新都心東側地区の南側(大宮区北袋町、三菱マテリアル・総合研究所跡、約15.2 ha)では、新都心との一体的整備を目指した北袋町1丁目土地区画整理事業(事業期間2015年度 - 2017年度)が行われた。総事業費は約45億円。当初は三菱マテリアルの単独事業で、都市再生機構が事業コーディネーターとして関わる形だったが、後に土地を購入した企業も参画した形に改められた。 区画整理事業対象は跡地のうち、先行して売却した造幣局(さいたま支局)、埼玉県警察(大宮警察署)、都市再生機構が整備し市に譲渡した防災都市公園(さいたま新都心公園)用地を除く11.7 haで、南側の約2.5 haを自社用地とするほか、さいたま新都心駅に近い西側の旧中山道側約6 haを民間向けの商業・業務地区に、さいたま新都心公園に隣接した北側の約1.5 haを市の公共公益施設(バスターミナルなどを計画)にすることとし、区画街路の新設と周辺道路の拡幅、街区公園の整備も行われた。 推移 2000年(平成12年)に三菱マテリアルより、研究所の整理縮小と再開発の方針が発表されたが、研究所敷地から放射性物質が検出されたため、長期間の土壌浄化が実施された(三菱マテリアル総合研究所#原子炉と訴訟)。三菱は当初、敷地の北半分を再開発する方針であったが、汚染が敷地全体に広がっていたことから、業務を大幅に縮小して敷地内の建造物の大半を撤去し、土壌浄化を行った。2012年(平成24年)度に浄化を終え、自社用地(当初2.3 ha、後に2.5 ha)を除く敷地の大半を売却する方針を発表した。同年9月には、敷地の東部を造幣局と埼玉県警に売却した。 2015年(平成27年)3月30日に自社単独による土地区画整理事業が都市計画決定され、6月5日に事業計画が決定して着工した。同年3月中には、敷地を南北に貫く道路の予定地に仮設の歩行者道路が開放され、敷地の暫定活用として、2014年(平成26年)からは自転車レース「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」のイベント、2016年(平成28年)9月には「九都県市合同防災訓練」に提供した。2017年7月までに道路等のインフラ工事が完了し、11月7日に全ての道路と街区広場3カ所が開放された。 土地利用 2021年(令和3年)時点で、以下の施設が建設された。 三菱マテリアルさいたま総合事務所・グループ研修センター・汚染物質保管施設(約2.5 ha) - 地区南側の中央付近に建設された。研修センターは2010年(平成22年)に竣工、地上7階・地下2階で、自社と子会社のオフィスと社員の研修施設・宿泊施設などの福利厚生施設が入る。 独立行政法人造幣局さいたま支局・造幣さいたま博物館・職員住宅(約2 ha) - 2012年(平成24年)9月に豊島区東池袋から東京支局・造幣東京博物館を移転することが発表された。地区東端の産業道路沿いに建設され、2016年(平成28年)10月3日操業開始・開館。 埼玉県警察新都心統合庁舎(約1 ha) - 老朽化した土手町の大宮警察署と県警の鑑識課・科学捜査研究所を統合した鑑識科学捜査センターを集約移転したもの。造幣局移転発表直後に、移転することが発表された。造幣局の南側、三菱マテリアル施設の東隣に建設されて、2017年(平成29年)11月27日に業務を開始した。 さいたま新都心公園(約1 ha) - 耐震性貯水槽、管理人詰所・防災備蓄倉庫・トイレが一体となった管理施設などを配した防災公園として都市機構が整備し、完成後に市へ譲渡。2018年(平成30年)10月27日に供用開始した。 街区広場3カ所(新都心まちかど広場、新都心さくら広場、新都心みどり広場) さいたま新都心バスターミナル(約1.5 ha) さいたま市が2017年度補正予算にて約57億5000万円で取得。2019年10月に観光バス駐車場を共用開始。2020年6月に仮設(木製)の長距離バス乗り場・待合室・タクシー乗り場併設の簡易バスターミナル建屋と、一般車駐車場を開設した。 今後、本設施設の建設を検討するが、将来のさいたま市役所本庁舎の移転先の候補地の一つに選定されていた。2021年2月に市長の清水勇人は「2031年を目処に当地への移転を目指す」ことを表明している。本庁舎建設が決定した際には、バスターミナルの機能はそのまま残し、さいたま新都心駅と歩行者デッキで接続することも検討されている。さらに、2022年4月22日の清水による定例市長会見で、さいたま市議会に対し「『4月臨時会』を招集し、市役所の位置を記した条例の改正案を『市長提出議案』として上程する」ことが発表され、この臨時会で、特別多数議決議案で必要な議長も含む出席議員の3分の2以上の賛成が得られて可決された事により、2000年に旧3市間で調印した「合併協定書」の内容が、20年以上の時を経て具体化されることとなった。 しまむら - 2015年9月29日に本社移転用地として敷地北西の区画(旧中山道側1.5 ha)を89億円で取得した。地上12階地下1階の本社屋と、地上5階の店舗棟(さいたま新都心ファッションモール)の2棟を建設。本社屋は2021年1月24日に完成と同時に新本社での業務を開始。店舗棟は同年2月に完成。なお、店舗棟にはしまむら・アベイル・バースデイが入居し、同年3月24日にアベイル・バースデイ、25日にしまむらが開店。 また、以下の施設が予定されている。 エンプラス - 2016年4月にしまむら南側の用地を取得。「(仮称)さいたま新都心イノベーションセンター」(地上2階、研究所・事務所)を2020年12月着工、2022年1月竣工予定。 「SHINTO CITY(シントシティ)」- 敷地南西の約1.88 haに、東京建物株式会社、住友不動産、野村不動産、住友商事、近鉄不動産、東急不動産が参画して地上15階建てマンション3棟(総計画戸数は約1400戸)を建設。2018年9月末に第1・2街区を着工、2022年までに第3街区が完成予定。旧称は「さいたま市大宮区北袋町1丁目計画」。
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