傳承の登場人物
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「Ghost of Tsushima」の記事における「傳承の登場人物」の解説
「傳承」は「伝承」の旧字体表記で、琵琶法師が伝承する数々の物語を核として展開する段の名称である。英語版(原語版)では "Mythic Tales"。 琵琶法師(びわほうし|英:Yamato ) 声 - (日)羽佐間道夫 年老いた一人の琵琶法師であり、対馬国の伝承を担っている。英語版(原語版)では個人名を "Yamato" と名乗る音楽家というキャラクター設定になっている一方で、日本語版では職種名のほうが用いられ、個人名は無い。彼が口伝する物語を追うことで、強力な武具や技能を習得できる。主人公・境井仁は行く先々で琵琶法師と再会することになるが、琵琶法師はそのわけを「お互い、民が求める地へ行くようで。」と説明している。 盲目の僧である琵琶法師は、実際を反映して移動する動きが鈍い。 長尾 忠頼(ながお ただより|英:Tadayori Nagano ) 琵琶法師が語り伝える武士。一幕「忠頼の伝説」に登場する、伝説の英雄。 幾百年かの昔、高名な弓取りを数多輩出してきた長尾家の人で、対馬にその名を馳せる忠頼公は、弓矢八幡(ゆみやはちまん)の覚えもめでたく弓取りの装束を賜るほどの傑物であった。浅藻浦の民を海賊どもが皆殺しにしようとした時、忠頼公はただ一人これを迎え撃ち、矢でことごとくを討ち滅ぼした。なかには斬り掛かってくる者もあったが、八幡神の装束が賊の刃を通すことは無かったという。忠頼公が身罷られた後、公の装束は行方知れずとなってしまったが、末裔が隠し持ち、対馬を守る強者の訪ね来るを待っているという。公にゆかりの「紫の冠」という地名が言い伝えられており、そこは浅藻の北にあって忠頼公が好んだ紫色の菊の花が咲き乱れているとのことである。 手掛かりを握っている末裔というのは、公ゆかりの庵(忠頼の庵)で暮らす楓、その人であった。 内経(うちつね|英:Uchitsune ) 琵琶法師が語り伝える武士。一幕「内経の呪い」に登場する、伝説の英雄。 その昔、随一の弓取りと謳われた、本土の弓の達人である。翼もつ悪霊が現れたとき、退治するよう内裏より命じられた内経は、見事これを討ち果たすも、消え失せる間際の悪霊から、人が悪霊に見えてしまう呪いをかけられてしまう。呪われた内経は目の前の悪霊を次々に射殺していったが、それらの正体はみな人であった。大勢の人を殺めてしまった内経はその咎(とが)で死罪になるはずであったが、帝(みかど)の恩情で死一等を減じられ、対馬へ島流しとなった。内経の死後も遺された弓は、再び悪鬼の現れた時に手にする者を待っているとも、手にする者を呪うとも言い伝えられている。 この「内経の長弓(うちつねのちょうきゅう)」を、今は天狗が守っている。 茂範(しげのり|英:Shigenori) 琵琶法師が語り伝える武士。一幕「迅きこと雷の如し」に登場する、伝説の英雄。 対馬に人が移り住むようになった頃の話、異様な雷(いかづち)と大風(おおかぜ)が島を襲った。やがて雷を受けた土から狼の姿をした邪悪なる3匹の雷の妖怪(英:lightning beasts)が現れ出ると、里にて暴れ回り、破壊の限りを尽くすようになった。その者らはあまりにも素早く、常人には到底防ぐことができなかったため、対馬第一の早業の武者と謳われた剣豪・茂範が人々をして唯一の頼みとなった。茂範が繰り出す奥義「紫電一閃(英:Heavenly Strike )」は、何人も見ることができない早業の剣技であった。ただ一人で妖怪どもに立ち向かう茂範は、小松ヶ浜へおびき寄せ、砂に足を取られて動きを鈍らせた彼らと渡り合う。闘いは砂が灰になるほどに激しいものであったが、勝機を見出した茂範は紫電一閃を繰り出し、妖怪どもを一息に撫で斬りにした。最後の1匹は爆ぜるようにして果てた。妖怪どもが退治されると、雨雲は捌けて青空が戻り、島には何事も無かったかのような穏やかな日々が訪れた。その後の茂範は隠遁して人と会うことも稀となったが、類いの無い武勇と技を示す者にのみ紫電一閃の奥義を伝えたという。大風の再び来る時、刀を茂範の庵に捧げよ。秘伝の奥義は子孫が手掛かりを握っている。 鑓川 時頼(やりかわ ときより|英:Tokiasa Yarikawa ) 琵琶法師が語り伝える武士。一幕「復讐の化身」に登場する、伝説の主人公。 今は亡き鑓川家当主。対馬無類の剣士を代々輩出してきた鑓川家でも歴代屈指の剣豪であった。15年前、旧領を取り戻そうと地頭・志村家に対して謀反を起こし、志村家に多大な犠牲者を出したが、志村配下の境井家当主・境井正(あるいは、境井家郎党)によって討ち取られている。 志村家と鑓川家が対立する原因を作った人物であるが、死後も民からは慕われ続けており、敵討の願掛けをすると叶えてくれるともいわれている。鑓川家惣領にのみ伝えられる秘儀「憤怒の舞(ふんぬのまい)」は如何なる守りも貫く剣術で、時頼は第一の達人といわれた。当世では「鑓川の怨霊」と名乗る者が「憤怒の舞」で鑓川の民を護りつつ志村家と境井家への復讐の時を窺っている。 吾作(ごさく|英:Gosaku) 琵琶法師が語り伝える人物。一幕「吾作の伝説」に登場する、伝説の英雄。 二百年と五十年の昔を生きていた、赤島の百姓。吾作が生きていた頃、賊が徒党を組んで赤島一帯を荒らし回っていた。その時分、赤島の名も無き百姓であった吾作は、武士(もののふ)の亡霊の声を聞き、武士の骸(むくろ)が造りの見事な大鎧を身に着けているのを見付けた。あまりの麗しさに惹かれてそれを掠め取った吾作であったが、ややあって彼の家にも赤島の賊が攻め寄せてきた。黙って全てを奪われるのを由としなかった吾作は、大鎧を身に纏い、抗おうとしたものの、そこは百姓の悲しさで、いざとなると怖ろしさにすくみ上って身動きが執れなくなってしまった。すると、吾作の勇を憐れんでか、大鎧に憑きし武士の霊が百姓の身に乗り移り、斯くして怖れ知らずの武人と化した吾作は賊どもを一網打尽にしてしまった。吾作の死後、一円の村々の者たちは大鎧を秘蔵して錠前を掛け、青井・飯島・久田(くた)・小清水・大浜・矢形(やがた)の6か村が鍵を1本ずつ持ち合って堅く守ることにした。対馬に再び外寇のある今、吾作の霊が大鎧の使い手を赤島の丘で待っているという。
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