作曲作品の演奏
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「クルターグ・ジェルジュ」の記事における「作曲作品の演奏」の解説
1981年にパリでチェンゲリ・アドリエンヌ(ソプラノ)、シルヴァン・カンブルラン(指揮)、アンサンブル・アンテルコンタンポランにより初演された『亡きR.V.トリュソーヴァのメッセージ / リンマ・ダロスによる21の詩』でハンガリー国外でも知られるようになり、世界的に高い評価を受けるようになった。この曲以降も声楽・合唱曲はクルターグにとって重要な分野の一つとなっている。 1986年に音楽院を退職するが、1993年までいくつかのクラスで教えた。1993年から1995年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のレジデンス作曲家を務め、1994年『石碑 Op.33』はクラウディオ・アバド指揮で初演された。 長く暖めていた空間音楽を実現したのがピアノとアンサンブルのための『...quasi una fantasia...』である。長音階の単音の下降から始まる1楽章は、長音階の断片を弾くピアノソロと、小さな鈴のような様々な打楽器によって創られている。深い沈黙と様々に鳴る打楽器によるこの曲からは、まるで俳句のような世界が感じられる。すぐさま、衝撃的な強烈な打楽器にヴィルトゥオーソのピアノが続く。このような二元の世界の共存はまさにクルターグである。1988年10月のベルリン音楽祭のために書かれ、ゾルターン・コチシュ(ピアノ)、エトヴェシュ・ペーテル(指揮)、アンサンブル・モデルンの演奏で初演された。『ヴァイオリン、ヴィオラとオーケストラのためのコンチェルタンテ 裕美と賢へ』Op.42は、まるでこの『...quasi una fantasia...』に回帰するように作曲されているのが興味深い。 クルターグは寡作の作曲家であり、たえず作曲に苦しむ。ブダペストでは、「とうとうクルターグが作曲したそうだよ」「それはよかった。それで何を?」「たったたった一つのゲネラル・ポーゼを」という笑い話が語られた程であった。しかし実は毎日のように、まるで手紙や日記のように、友人達にあてた小品を作曲している多作の作曲家でもある。ピアノのための『遊び(Jatekok)』は1973年に第1巻が出版された。1・2巻は、テーケ・マリアンヌを教育的な協同者として、様々な図形を用いて作曲された。最初のピアノ教師であるカルドシュ・マグダに献呈され、「花、人…」とモットーしている。 クルターグは、「子どもがピアノに触れた瞬間から、全鍵盤の上を自由に走り回れたらという考えが、この作品集を生んだ」と前書きを書き始めている。現在8巻までが出版されている。4巻は、連弾と二台のピアノのための作品。5巻以上は、手紙や日記のようなクルターグの作品が収められている。 クルターグは、子どもとおとな、初心者と専門家を区別しない。初心者の子どもが弾く、第1巻1番の「無窮動」や2番「手のひら弾き」3番「花、人…」「結び目」、2巻「Fisのアンティフォーネ」などは、クルターグのリサイタルでほとんど必ず演奏される。 2006年2月には、ブダペストで2月15日から19日の5日間にわたって、それまでの代表作による80歳記念演奏会が行われ、『クルターグ』という著書や記念演奏会CDが出版された。 2009年1月31日と2月1日には、カーネギー・ホールで、作品展が行なわれた。31日には、『アンナ・アフマートヴァによる4つの詩』Op.41(1997-2008)が世界初演された。クルターグ夫妻は、二人のソロと四種連弾によるピアノ・コンサートを40年近く行っている。クルターグは、グランド・ピアノの音色を好まない。このカーネギーホールのコンサート以来、終始ソフト・ペダルを踏んだアップライト・ピアノを用い、子息クルターグ・ジュニアのPAによって演奏会を行っている。プログラムは、自身のピアノ小品集『ヤーテーコック(遊び)』1-8巻、『バッハの編曲集』1-2巻からの抜粋。これらの譜面はEditio Musica Budapestより出版されている。 2010年11月2日、パリ・オペラ座ガルニエ宮演奏会 -パリ 秋の音楽フェスティヴァルー 第一部クルターグ夫妻ピアノ・リサイタル、第二部、「コリンダ・バラード(Colinda-Balada)」Op.46(テノールと2重合唱と楽器群のための)と「アンナ・アフマートヴァの詩による四つの歌」Op.41(ソプラノと楽器群のための)のパリ初演。 2012年9月22日、パリのシティ・ホール、クルターグとクルターグ夫人マールタによる演奏。作品は、バッハの編曲と『ヤーテーコック(遊び)』から。アンコール5回を入れて90分間、休憩なしの演奏。 2013年12月1日、12月1日、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールで、クルターグ・ジエルジュ、ロイヤル・フィルハーモニック協会のゴールド・メダル受賞記念コンサート。第一部は、アムステルダム在住のヴァイオリニスト菊池裕美のソロで、クルターグ作曲「ヒパルテイータ」作品43(2000-04年)。第二部は、クルターグ夫妻による自作(バッハの編曲作品が含まれる)によるソロとドゥオのリサイタル。 2016年2月14日-25日。クルターグ生誕90年を祝うフェスティヴァル「Kurtág 90」、連続のガラ・コンサート。会場:BMC大ホール、リスト音楽大学大ホール、国立オペラ座。プログラムは、初期の作品、あまり知られていない作品など多数。楽譜が2冊(コピーされた『遊び ピアノのために』の手書きの原譜『コチシュ・ゾリのためのノート』と『エジプトのカップルー未知への途中(アップライトピアノをソルデイーノ・ペダルで』)出版された。 ベケットによるオペラFin de Partieは、2018年に初演された。
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