仮想通貨としてのスキン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/05 05:33 UTC 版)
「スキン賭博」の記事における「仮想通貨としてのスキン」の解説
2013年8月の「Arms Deal」アップデートの導入で「スキン(Skins)」と呼ばれるコスメ用アイテムがゲームのパーソナルコンピュータ版に追加された。デベロッパーは武器スキンに至るまでに他の種類のカスタムドロップを検討していたが、Global Offensiveは一人称視点のシューティングゲームであり、プレイヤーは自身のカスタマイズを見ることはないためプレイヤースキンは除外され、ゲームバランスが崩れるのを懸念して新武器も同様に除外された。『Team Fortress 2』に使用したモデルに従い、Valveはプレイヤーが試合をプレイするにつれてSteam(Valveのソフトウェア配信ストアクライアント)内のユーザーインベントリに保存されるランダムのスキンドロップの報酬を受け取ることができるようにした。期間限定の「souvenir(お土産)」スキンはGlobal Offensiveの競争試合をゲーム内で、またはSteamアカウントに紐付けしたTwitch.tvのアカウントを通じて視聴すれば獲得することもできた。『Team Fortress 2』とは異なり、Global Offensiveのスキンはゲームプレイに直接的な影響を及ぼさず、プレイヤーの武器の外観に影響するのみであった。特定のゲーム内武器に固有のスキンはゲームをプレイまたはゲーム内報酬で付与されるランダムのゲーム内ドロップからプレイヤーが(そのアイテムを)獲得できる頻度によって決まる希少性や銃のどの程度使い古されたように見えるかに関連した外観品質を含む様々な特徴が与えられる。 これらのスキンは『Global Offensive』『Counter-Strike v1.6』および『Counter-Strike: Source』間で分割されていたコミュニティのプレイヤーの規模を統一・増加させるために追加された。ValveのKyle Davisによれば、Global Offensiveへのスキンの導入はSteamマーケットプレイスで他者とトレードに使える無料の仮想アイテムをゲームをプレイするだけで付与してマーケットプレイスの独自経済を強化することでより多くのプレイヤーに対しゲームを奨励するためであった。Arms Dealアップデートで聴衆が再びゲームに戻ってくるようになり、リリース後約7か月間の平均プレイヤー数が前年比6倍に増加した。 当初Valveは一部のマップで隠れやすくするためにより望ましいカモフラージュのように見えるスキンを検討していたが、コミュニティの関心は武器をペイントボール銃のようにする明るくカラフルなスキンに関心がよりよせられていることを発見した。スキンが一種のトロフィーであると見なされ他のプレイヤーに自分達がどれほど真剣なプレイヤーかを見せつけることができることからスキンの追加は熟練したプレイヤーにとってゲームをより魅力的にするものだった。Valveのゲイブ・ニューウェルCEOはスキンの提供はプレイヤーがゲームのプレイをやめた後でもゲームの名目上の価値を保つ「投資」だと説明したが、 この機能で制御できなくなる可能性がある要因について懸念していると述べた。 特定のスキンは希少性と他の品質によりプレイヤーからの需要が非常に高くなった。数千米ドルの価値を持つ特別なコスメ用ナイフなどの一部アイテムと共にスキンは仮想通貨の形態を取るようになった。この仮想通貨は未知のスキンを含む「武器ケース(weapon cases)」をゲームが提供することで更に影響を受けた。武器ケースはゲーム内ストアで2.49米ドルで販売されているキーを購入することでしか開けることが出来ず、ケース開梱で入手できる最も一般的なスキンはキーのコストよりはるかに価格が安いため、キーを購入し一般スキンを入手した場合プレイヤーは事実上金を失うことになる。このため、ケースもまたGlobal Offensive内の仮想通貨の一部となっている。 Global Offensiveはプレイヤーが仮想のゲーム内アイテムの売買やトレードを行える最初のコンピュータゲームではないが、Steamマーケットプレイスを通じたアクセスと転送の容易性により同作は仮想経済として成功を収めた。しかしながら、一部スキンの金額の上昇に伴いSteamマーケットプレイスは実行不可能となった。Steamマーケットプレイスは最大400米ドルまで販売でき、全ての取引にValveが徴収する15%の手数料がかかる。Steamマーケットプレイスを経由したトレードと購入には他者からスキンを購入するためにSteamウォレットに資金を追加する必要があり、その後売り主のウォレットに資金が送られるが資金を現実世界の金として引き出すことはできない(可能ならばValveが銀行として規制されるため)。スキンの価値がこれらの制限を超えて成長していくにつれて、Global Offensiveのスキンのトレードの管理を行う新たなウェブサイトが立ち上がり、それらのサイトではSteamWorksのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を用いてプレイヤーのインベントリとサイトを繋げる一方でユーザーがPayPalのような他のオンラインのバンキング/支払いサイトあるいはビットコインのようなデジタル通貨を用いることで更に多額の金の支払い/受取ができ、またValveの取引手数料の支払いの回避を可能にしている。 スキンの追加後Global Offensiveのプレイヤーコミュニティは急速に成長していき、Twitch.tvのような配信サービスの成長によりさらに成長を遂げた。Valveは独自大会のスポンサーを含むプロフェッショナルプレイ(Eスポーツ)に好ましいようにするGlobal Offensiveへの機能を売り込んだ。ランキング上位プレイヤーからいくつかのチームが生まれ、大会での観戦機会を作り出した。これは視聴者が試合を観戦するたけで「観戦客(spectator)」スキンを獲得できるようになったことでさらに高まっていった。2013年に最も視聴されたEスポーツの一つである『League of Legends』と比較してGlobal Offensiveは視聴者にとってわかりやすくついていきやすかったことで観客の視聴に魅力的なものとなった。Arms Dealアップデートの1年以内にプレイヤー数が大幅に好転し、主要なEスポーツになると見られた。2015年9月までに800万人以上のプレイヤーがGlobal Offensiveをプレイしており、2016年4月時点で同作はTwitch上で最も視聴される上位5つのゲームの一つになり、チャンピオンシップの試合中にピークの同時視聴者数52万5000人以上を記録した。2016年初頭にGlobal Offensiveはその年に最も成長するEスポーツになると見られていた2016年 (2016-April)現在[update]
※この「仮想通貨としてのスキン」の解説は、「スキン賭博」の解説の一部です。
「仮想通貨としてのスキン」を含む「スキン賭博」の記事については、「スキン賭博」の概要を参照ください。
- 仮想通貨としてのスキンのページへのリンク