人骨の発見
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1931年(昭和6年)4月18日、兵庫県明石市の西八木海岸において民間人・直良信夫が、古い人骨の一部(右寛骨〈う-かん-こつ〉:os coxae (right))を発見した。しかし、直良がアマチュア考古学者であったこともあり、専門家には相手にされないままであった。鑑定のため東京帝国大学(現・東京大学)の松村瞭のもとへ送られ、石膏模型を製作するなど予備的な研究はなされたが、最終的な結論が出されないまま返却され、人骨を旧石器時代のものとする直良の主張は学界では認められることはなかった。その後、直良は同地点で発見した動物化石や石器を元に旧石器文化の存在を主張し続けていたが、腰骨については言及しなかった。さらに、石膏模型を製作した松村の逝去もあって、学会でもこの腰骨は忘れられていった。
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人骨の発見
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洞窟は長さ約45メートル(148フィート)の空洞と、その奥にあるいくつかの細長い空洞で構成されている。1973年に初めて考古学的な発掘が行われるまでは、何度も略奪されている。遺跡からは約600点の石器、骨、貝殻、700点の土器片、700点以上の動物の骨が出土している。 また、悪魔の門からは、茶緑色のヒスイで作られた厚さ0.6cm、直径5.2cm(2インチ)のヒスイの円盤が出土している。洞窟内からは、タヌキ、ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシ、アナグマ、アカシカ、魚類、軟体動物の貝殻などの遺体が発見されている。(出典:Kuzmin, Yaroslav V. (1997). “Vertebrate Animal Remains from Prehistoric and Medieval Settlements in Primorye (Russian Far East)”. International Journal of Osteoarchaeology 7 (2): 172–180. doi:10.1002/(SICI)1099-1212(199703)7:2<172::AID-OA333>3.0.CO;2-1. ISSN 1047-482X. ) 7体の人骨が洞窟の中で発見され、その内の2体、DevilsGate1とDevilsGate2の頭蓋骨を用いて直接年代測定が行われ、紀元前5726年-紀元前5622年という結果が得られた。当初、出土人骨の形態学的調査に基づいて、7体のうち3体は成人男性のもの、2体は成人女性のもの、1体は約12歳~13歳の未成年のもの、1体は約6歳~7歳の小児のものと推定された。しかし、未成年のものと推定された人骨以外の6体について、DNAの解析が行われ、形態学的知見により成人男性のものと推定されていた3体の人骨のうち、2体が実は女性のもので、更に1体の小児も女児だったという事が判明した。すなわち今のところ、発見された7体の人骨のうち5体が女性、1体が男性、1体が未だにDNA解析が行われていないか或いはその結果が発表されていない。 MtDNAハプログループについては、成人男性1体、男性と誤認された成人女性1体、そして元より成人女性と推定されていた成人女性1体がハプログループD4mに属している。ハプログループD4mは現在、樺太(サハリン)島のニヴフで多く見られ、日本人、ウリチ人、ユカギール人、エヴェン人、エヴェンキ人、ヤクート人、ドルガン人、モンゴル人、ブリヤート人、アルタイ人、トゥヴァ人、ウイグル人、キルギス人でもある程度見られる。残る女児1体、男性と誤認された成人女性1体、そして元より成人女性と推定されていた成人女性1体については、mtDNAハプログループが先述のハプログループD4mも含むハプログループD4まで断定できている。ハプログループD4は現在、中央アジア、(チベット及び華北を含む)北東アジア、アメリカ州の先住民族に広く見られ、特に日本人(大和民族)や朝鮮民族などでは最も高頻度で観察され、多様性に富んだ古い型である。 1体の成人男性のY染色体ハプログループについては、北東アジアが起源と思われるハプログループC2-M217に属し、更に、現在のカザフ、モンゴル、シベリア先住民、北アメリカ先住民に多いC2b-F6273/Y6704/Y6708という一派に属しているという結果が得られた。 核DNAの解析を行ったところ、チェルトーヴヴォロータ出土の2体の人骨は比較可能なデータのある全てのヒトゲノム(古代人のものも現代人のものも含む)のうち、アムール川下流域に居住するツングース系民族のウリチのDNAに最も似ていた。同じくツングース系民族でアムール川中流域に居住するナナイ、アムール川上流域に居住するオロチョンとも似ているが、遠く離れたタイミル半島のガナサン人、朝鮮半島の朝鮮・韓国人、そして日本列島の日本人とも同程度遺伝的近似性が見られた。
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