メタ

実用日本語表現辞典

メタ

英語：meta

メタとは、「情報の情報」を指す言葉である。具体的には、データや情報に付随する補足情報や管理情報を指す。例えば、ウェブページのメタデータは、そのページの内容を説明する情報であり、検索エンジンがページの内容を理解するために用いられる。また、写真のメタデータには、撮影日時やカメラの設定などの情報が含まれる。 メタは、情報の管理や検索、分析において重要な役割を果たす。情報が増える現代社会において、メタデータは情報を効率的に扱うための重要なツールとなっている。しかし、メタデータはその情報の性質や目的により、その形式や内容が大きく異なるため、適切な理解と活用が求められる。

（2023年8月22日更新）

メタ

「メタ」とは、高次の・上位の・メタフィクション・転移のことを意味する表現である。

「メタ」とは・「メタ」の意味

「メタ」は、「高次の」「上位の」といった意味のギリシャ語「meta」をカタカナで表現したものだ。そして、一般的には、「メタフィクション」の略として「メタ」が使用されることが多い。メタフィクションとは、フィクション小説の用語である。小説の登場人物が、自らが架空の存在だと自覚したり、小説の中にいることを理解していたりする手法だ。小説の世界よりも高次である、現実世界に触れているということで、メタフィクションと呼ばれる。メタフィクションは本来、小説の用語であった。しかし、アニメや映画、ゲームなど、小説以外の作品でも使用されている。また、「メタ発言」や「メタ読み」など、ネット用語として使用されることも珍しくない。

メタは、医療用語としても使用される。「メタスターシス（metastasis）」の略語であり、癌の転移を指す。そして、肝臓への転移は「肝メタ」という風に、部位の略語と組み合わせて使用する。また、数え切れないほどの転移がある場合は、「メタメタ」という表現を使用することもある。

「メタ」の熟語・言い回し

メタ発言とは

「メタ発言」は、フィクション作品内の登場人物が、高次である現実世界について触れる発言のことだ。漫画のキャラクターが、漫画のページ数やコマ割りを話題にしたり、アニメのキャラクターが視聴者に話しかけたりするなど、様々なメタ発言がある。また、ゲームのプレイヤーが、「ゲームと現実は違う」「ゲーム機をリセットしてゲームの世界を終わらせる」という風に、メタフィクションを意識させる言葉を発することも、メタ発言と呼ばれる。

「メタ発言」がなんの略かというと、ギリシャ語「meta（メタ）」を語源とする、メタフィクション発言の略である。ネット用語であるが、一般的に広く使用されている。そして、なんの略なのかを知らずに使用している人も少なくない。

メタ読みとは

「メタ読み」は、メタフィクションの考え方を持って、先読みをすることを指す言葉である。漫画作品の展開を、作者の性格や、漫画雑誌の事情などを加味して先読みするのが、ひとつのメタ読みである。その他にも、映画の上映時間を考えて、ストーリーの展開を先読みしたり、ゲーム会社の過去作品の特徴を把握した上で、最新ゲームのシナリオ展開を予想したりするなど、様々なメタ読みがある。

メタ要素とは

「メタ要素」は、webページへの関連付けができる要素のことである。タイトルや紹介文など、複数種類のメタ要素がある。検索エンジンで検索を行った際、webページと共にメタ要素が表示される。また、webページとタイトルや紹介文などを関連付けるためのhtmlタグの名前として、「メタ要素」が使用されることもある。

メタ表現とは

「メタ表現」は、メタフィクションのために使用される表現を指す言葉である。メタ発言は、メタ表現の一種である。その他にも、アニメのキャラクターが映画のスクリーンにぶつかるような演出、漫画のキャラクターが漫画の枠線を壊すような描写などのメタ表現がある。

メタ会話とは

「メタ会話」は、メタ発言が使用されている会話のことを指す言葉である。フィクション内で登場人物が使用するのがメタ発言、複数の登場人物が、メタ発言を用いて言葉のやり取りをするのがメタ会話という風に、使い分ける。

メタるとは

「メタる」は、対戦ゲームにおいて、相手よりも優位になることを意味する言葉である。元々はカードゲーム用語であったが、コンピュータゲーム用語として使用されることも多い。また、メタゲームをするという意味で、「メタる」が使用されることもある。メタゲームとは、ゲームの流行や対戦相手のプレイスタイルなど、ゲームの世界とは次元が異なる部分で、相手に勝つための対策を練ることを指す言葉だ。

メタいとは

「メタい」は、「メタフィクションの」「メタフィクションだ」といった意味合いを持つ形容詞である。メタ表現が使用されていたり、人がメタ発言をしたりすることを、形容詞として表現する場合、「メタい」が使用される。

メタのメタとは

「メタのメタ」は、ゲームの対戦相手が行ってきたメタゲームに対して、策を練ることを指す言葉だ。ゲームにおいて、勝利にこだわるプレイヤーが使用する言葉であり、メタゲームに対するメタゲームという意味で、「メタのメタ」と呼ばれる。自らのメタゲームに対して、メタゲームを行ってきたプレイヤーに勝つためは、さらに別のメタゲームが必要となる。そうして、メタゲームを繰り返していくことは、「メタメタのメタ」や「メタのメタメタ」と呼ばれる。

「メタ」の使い方・例文

「今のセリフは、もしかするとメタ発言だったのではないだろうか」
「あのアニメは、メタ表現を手法として上手に取り入れている」
「この作品は世界観が重要であるため、キャラクターにメタ発言をさせてはいけない」
「対戦ゲームで、相手の声色が変わったため、何か秘策があるのではないかというメタ読みをした」
「彼女は、メタ要素がある作品が好きなようだ」
「映画でメタ会話が繰り広げられたが、あの内容はネットスラングに詳しくないとわからないだろう」
「作品のイメージが崩れるため、俳優には舞台挨拶でメタいことは言ってほしくない」
「この漫画は、作家がSNSで打ち切りされそうだと発言していたため、展開が大きく変わるだろうとメタ読みしてみる」
「あのゲームでランキング上位に行こうと思ったら、メタらないといけない」
「例の患者は一度は癌が寛解したが、再検査をしたところ、脳メタだったそうだ」

（2023年2月3日更新）

メタ

英語：meta

ある事象に対しての高次の視点や立場を意味する語。例えば自己に対する自身の認知を、更に高次の視点から俯瞰して認知することを「メタ認知」と呼んだり、ある物語の登場人物が読者の視点で語ることを「メタ発言」と呼ぶ。

（2014年4月22日更新）