ポケモンの状態異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:04 UTC 版)
「ポケットモンスター (ゲームシリーズ)」の記事における「ポケモンの状態異常」の解説
ポケモンはバトル中に技を受けるなどすることで、ほかのRPGでの「病気」に似た概念である特殊な状態になることがある。これは状態異常と呼ばれる。 ポケモンの状態異常はバトル中、移動中に関わらず、ステータス画面やバトル画面で確認可能である。状態異常は特定のアイテムや技を使ったり、特性が発動したりすることで回復し、状態異常のない普通の状態に戻る。状態異常は重複せず、既に何らかの状態異常であれば他の状態異常になることはない。バトル終了後も回復しないが、ポケモンセンターなどを利用することで回復することができる。()内は、第八世代での各状態異常のシンボルマーク。 どく(髑髏マーク) 毒に侵され、1ターン毎にHPが減っていく状態異常である。ステータス画面などで、紫色で「どく」と表示される。どく、はがねタイプのポケモン(「どく」状態にする側の特性が「ふしょく」の場合を除く)と特性「めんえき」を持つポケモンはこの状態にならない。『金・銀』のみ技「ダブルニードル」を使用すると、相手がはがねタイプであっても「どく」状態にすることができる。HPの減少量はポケモンの最大HPの約12%(第一世代では約6%。いずれも端数切り捨て)。ただし特性「ポイズンヒール」を持つポケモンはHPが減少せず、逆に毎ターン最大HPの約12%ずつ回復する。 第四世代までは移動中にも毒の効果を受け、4歩(『ファイアレッド・リーフグリーン』では5歩)でHPが1減少する。HPが0になると「ひんし」になった旨が表示される。第四世代ではひんしにはならず、HPが1まで減少した時点で「どく」が治り、その旨が表示される。 第八世代では、味方の場に特性「パステルベール」を持つポケモンがいる時に「どく」状態の味方を出すと、その場で「どく」が治る。逆も同様。そして「パステルベール」を持つポケモンがいる限り、「パステルベール」側は誰も「どく」状態にならない。 もうどく(色が濃い髑髏マーク) 基本的に「どく」状態と同じだが、ターン毎のHPの減少量が増えていく(最大HPの約6%×経過ターン数。15ターン目以降は増えない)という点のみ異なる。第四世代までは表示自体は「どく」と変わらなかったが、『ブラック・ホワイト』以降では表示が「どく」よりも少し濃い紫色になる。 『金・銀』まではポケモンを交代すると通常の「どく」状態になった。バトルが終了すると、以後は通常の「どく」状態になる。 まひ(稲妻マーク) 麻痺し、「すばやさ」が半減し、さらに25%程度の確率で体が痺れて技が失敗する状態異常である。ステータス画面などで、黄色で「まひ」と表示される。第四世代では、特性「マジックガード」を持つポケモンは技が繰り出せなくなる効果を受けない。でんきタイプのポケモンと特性「じゅうなん」を持つポケモンはこの状態にならない。特性「はやあし」を持つポケモンは、「すばやさ」が逆に上昇する(技が繰り出せなくなる効果は残る)。技「きつけ」を受けると通常の2倍のダメージを受け、「まひ」が治る。 やけど(炎マーク) 火傷を負い、物理技を出した際のダメージ量が半減し、さらに1ターン毎にHPが減っていく状態異常である。ステータス画面などで、赤色で「やけど」と表示される。ほのおタイプのポケモンと特性「みずのベール」「すいほう」等を持つポケモンはこの状態にならない。特性「こんじょう」を持つポケモンの場合は物理ダメージ量が半減せず、逆に「こうげき」が上昇する。HPの減少量は基本的に「どく」と同じだが、特性「たいねつ」を持つポケモンはHPの減少量が軽減される。「どく」と異なり移動中は何も起こらない。技「うたかたのアリア」を受けるとダメージを受けると同時に「やけど」が治る。 自分の「こうげき」以外で攻撃する物理技がなかった第二世代までは物理技のダメージではなく「こうげき」が半減していた。 ねむり(zzマーク) その場で眠ってしまい、技が一切出せなくなってしまう状態異常である。ステータス画面などで、灰色(第八世代は青)で「ねむり」と表示される。特性「ふみん」「やるき」を持つポケモンはこの状態にならない。ただし、技「いびき」「ねごと」は「ねむり」状態でのみ使用することができる。また、技「ゆめくい」「あくむ」や特性「ナイトメア」は、相手が「ねむり」状態のときのみ有効。 技「めざましビンタ」を受けると通常の2倍のダメージを受け、「ねむり」から目を覚ます。技「さわぐ」を使っている間は戦闘に参加している全てのポケモンは「ねむり」状態にならない(特性「ぼうおん」を持つポケモンを除く)。バトルに数ターン出ていると自然に目を覚まして再び行動可能となる。第一世代では目を覚ましただけで1ターン費やしてしまうが、第二世代からは起きるのと同時に行動をすることができるようになった。『Pokémon LEGENDS アルセウス』では「ねむけ(眠気)」状態となり、行動可能だが時々技が失敗する点は「まひ」と共通するが、隙だらけのため攻撃技を受けた際のダメージ量が増える。 こおり(雪の結晶マーク) 氷漬けになって体が動かなくなってしまい、技が一切使用できなくなってしまう状態異常である。ステータス画面などで、水色で「こおり」と表示される。こおりタイプのポケモンと特性「マグマのよろい」を持つポケモンはこの状態にならない。ただし、技「かえんぐるま」「せいなるほのお」などは「こおり」状態でも使用でき、使うことで自力で「こおり」を解かすことができ、相手のほのおタイプの技を受けた場合も「こおり」が解ける。第二世代以降では毎ターン25%の確率で回復するが、第一世代ではこの方法では回復しない為、通信対戦でこおり状態となってしまった場合は実質的に戦闘不能となってしまう。『Pokémon LEGENDS アルセウス』では「しもやけ(霜焼け)」状態となり、行動可能だが1ターン毎にHPが減っていく点は「どく」や「やけど」と共通するが、「やけど」とは対照的に特殊技を出した際のダメージ量が半減する。 ひんし(ボールに×印のマーク) いわゆる戦闘不能のこと。HPが0になると、ポケモンはこの状態になる。ステータス画面などで、暗い赤色(第八世代は灰色)で「ひんし」と表示され、選択枠が全体的に赤くなる。厳密には状態異常に含めないとする解釈もある[要出典]。他の状態異常とは異なり、この状態になるとバトルには参加できなくなり、強制的にモンスターボールに戻され、なつき度も下がる他、「ひんし」のまま放置し続けるとなつき度はどんどん下がっていく。また、この状態のポケモンは経験値をもらえない。戦闘中は道具を使うなどして「ひんし」状態から復活しない限り戦闘に復帰させることはできず、しかも通常の回復手段(「キズぐすり」などの通常回復アイテムなど)は使えない。なお、「ひんし」といっても本当に死亡する寸前というわけではなく、実際は「戦う元気がない」だけ(気絶、スタミナ切れなど)の状態であり、例えば移動中に使用できる技(「ひでんわざ」など)は使うことができる。手持ちのポケモンが全て「ひんし」になると敗北となり、所持金を没収されて最後に利用したポケモンセンターまで戻されてしまう(通信対戦などを除く)。 没収される金額は第三世代までは所持金の半分(最大499999)であったが、『ファイアレッド・リーフグリーン』『ポケモンXD』と第四世代以降は取られる金額が「(ゲームの進行に応じた8 - 120の定数)×(手持ちの最高レベル)」の積(8以上12000以下)に変わった。 その他 「こんらん」、「メロメロ」・「やどりぎ」・「にげられない」などがあるが、厳密には状態異常でなく、いずれも状態異常の欄には表示されない。状態異常ではないので重複することもあり、捕獲成功率にも影響しない。ポケモンが戦闘から離れるだけで回復する。 上記以外では「ひるみ」という状態がある。技「ねこだまし」「ずつき」などを先制で受けると、それらの技の効果で起きる。怯んだポケモンはそのターンの技を封じられ、結果として動けない。特性「せいしんりょく」「りんぷん」を持つポケモンは怯まない。後攻で技を受けた場合に次のターンで動けなくなることはない。また、ダイマックスポケモンも決して怯まされない。 ポケルス 状態異常ではないが、状態異常の欄にピンク色で表示される(戦闘中はHPケージの側に表示されない)。ポケモンに感染する良性ウイルスのような極めて小さい生命体で、1度でも感染するとその後はバトルによる基礎ポイントの上昇が促進される。バトルの際に非常に低い確率で感染する他、感染したポケモンから他のポケモンに伝染することもある。伝染したポケモンを手持ちに入れた状態で一日経てば自然に治癒し、抗体ができ、効果も持続する。パソコンに預けておけば伝染可能な状態を維持できる。 第一世代および『ファイアレッド・リーフグリーン』では発生しないが、後者では『ルビー・サファイア』などから持ち込むことが可能である。
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