【ピラーニャ】(ぴらーにゃ)
スイス・モワク社製の装輪式装甲兵員輸送車。
1970年代に輸出用として開発され、現在のAPC隆盛のはしりとしてライセンス生産された車両を含め、西側諸国に広く普及した。
車体前面左側に操縦手席、前面右側が機関室、中央が戦闘区画、後部が兵員室となっている。
戦闘区画部分の上面に砲塔を有し、標準装備のほか90mm砲、対戦車ミサイルなどを搭載可能。
スペックデータ
開発国 | スイス |
主製造社 | モワグ社 ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ (GDLS)(ライセンス生産) |
乗員 | 3名+兵員10名 |
全長 | 6.0m |
全高 | 2.7m |
全幅 | 2.6m |
戦闘重量 | 8.5t |
エンジン | ディーゼルエンジン。下記4種より選択。 デトロイト・ディーゼル 6V-53TA MTU 6V-183-TE22 カミンズ 6CTAA8.3-T350 キャタピラ 3126 |
エンジン出力 | 280hp |
登坂力 | 60% |
超堤高 | 0.5m |
最大速度 | 100km/h(路上) |
航続距離 | 600km |
兵装 | M242「ブッシュマスター」25mm機関砲×1門(LAV-25) M240 7.62mm同軸機銃×1挺(LAV-25) |
各種バリエーション・派生型
ピラーニャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 01:08 UTC 版)
モワク ピラーニャ(Mowag Piranha)は、スイスのモワク社で開発された装輪式装甲兵員輸送車である。1960年代に開発が始まり、最初の試作車両は1972年に完成した。
現在の軍用装輪式装甲車隆盛のはしりとなった車両であり、採用国はアメリカやカナダなどの西側先進国をはじめ、開発途上国で次第に増え続け、ライセンス生産車を含めて数多くの派生型・発展型が開発・生産されている。
モワク社は2004年にジェネラル・ダイナミクスの傘下に入り、2010年にはGDELS(ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランド・システムズ)となったため、現在は同社の製品となっている。
概要
4x4(4輪駆動)、6x6(6輪駆動)、8x8(8輪駆動)、10x10(10輪駆動)のモデルが存在するが、主流となっているのは8x8型である。車体は全て小火器に対する防御力を有する防弾鋼板の溶接構造で、前部左側が操縦室、その右側が機関室、中央部が兵装/砲塔部、後部が兵員室となっている。また、水陸両用性も持ち合わせ、2基のスクリューで水上浮航が可能(使用国によっては取り外されていることもある)。
拡張性も高く、歩兵戦闘車、偵察戦闘車、指揮車両、自走迫撃砲、戦車駆逐車、戦闘工兵車、装甲回収車など多彩なバリエーションが製造されている。チリ陸軍では、HS.404 20mm機関砲を連装砲架に搭載したTCM-20対空機関砲を6x6型ピラーニャに搭載した自走対空車両を運用しており[1]、ベルギー、カタール、サウジアラビアは、コッカリル 90mm低圧砲装備のLCTS90 2名用砲塔を8x8型ピラーニャに搭載した火力支援車(装輪戦車)を運用している[2]。また、ジェネラル・ダイナミクス社の子会社GDLS(ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ)が製造ライセンスを取得し、カナダ軍向けのAVGP(6x6型)、アメリカ海兵隊向けのLAV-25(8x8型)、オーストラリア陸軍向けのASLAV(8x8型)などの独自の改良型を製造している。ほかには、チリがライセンス生産を行っており、イギリスのヴィッカース plcとアルヴィス plc(ともに現在のBAE システムズ・ランド・アンド・アーマメンツ)も製造ライセンスを保有している。
基本型
- ピラーニャ I
- 初期型のシリーズで、現在はピラーニャ Iと呼ばれる。4x4、6x6、8x8の3タイプが作られた。
- 基本型の装甲兵員輸送車タイプは、4x4型が全備状態で7.8トン、乗員数は最大10名、6x6型は10.5トンで乗員数は最大14名、8x8型が12.3トンで乗員数は最大15名。
- ピラーニャ II
- 1990年代に開発された、機動力と装甲防御力を向上させたタイプ。
- ピラーニャ III
- 1996年に開発された、搭載量・機動性と装甲防御力を更に向上させたタイプ。装甲防御力は、専用に開発された追加装甲パッケージを装着することで向上された。シリーズ中では最大の10x10型も新たに作られたが、これを採用したのはスウェーデンのみ。日本でもLAV III及びストライカー系の最新バージョンに当たるLAV6.0が96式装輪装甲車の後継候補に選定されたが、2021年11月、納入に到らないまま候補から脱落した[3]。
- ピラーニャ IV
- モジュール装甲を採用し、エッジの丸まった車体形状が特徴。装甲防御力の更なる強化に加えて、エンジン出力も向上。戦闘重量は24トンに達する。2007年に開発終了し、各国への売り込みが行われている。
- ピラーニャ V
- ピラーニャ IVをベースに、イギリス陸軍の次期主力装輪装甲車として開発中(その後撤回、ボクサーが採用)。2021年12月、スペイン陸軍が採用した、ピラーニャVをベースとするドラゴン装輪戦闘車が、348両とその整備業務、支援業務を17億4,000万ユーロの発注契約に基づき量産が開始[4]。
派生型
ピラーニャには、各国ごとの要望に合わせて開発された数多くの派生型が存在する。
- ピラーニャ I
- ピラーニャ II
- バイソン装甲兵員輸送車(カナダ陸軍仕様)
- コヨーテ偵察戦闘車(カナダ陸軍仕様)
- デザート ピラーニャ(Desert Piranha)
- LAV II
- ピラーニャIII
- LAV III(カナダ陸軍仕様)
- ストライカー装甲車(アメリカ陸軍仕様)
- NZLAV(ニュージーランド陸軍仕様)
- ピラーニャ IIIC
- ピラーニャ IIIH
- LAV6.0
採用国
オーストラリア
ベルギー - 2024年時点で、ベルギー陸上構成部隊が18両のピラーニャIII-C DF90火力支援車、16両のピラーニャIII-C DF30歩兵戦闘車、64両のピラーニャIII-C装甲兵員輸送車、14両のピラーニャIII-PC装甲指揮車、8両のピラーニャIII-C装甲工兵車、9両のピラーニャIII-C装甲回収車を保有[5]。
ボツワナ
ブラジル
カナダ
チリ
コロンビア - 2024年時点で、コロンビア陸軍が32両のLAV III(歩兵戦闘車型)を保有[6]。
デンマーク - 2024年時点で、デンマーク陸軍が81両のピラーニャIII(派生型含む)、309両のピラーニャV 装甲兵員輸送車、15両のピラーニャV 120mm自走迫撃砲を保有[7]。
ガーナ
アイルランド - 2024年時点で、アイルランド陸軍が6両のピラーニャIIIH(30mm機関砲搭載型)、56両のピラーニャIII、18両のピラーニャIIIHを保有[8]。
リベリア
モナコ
ナイジェリア
ニュージーランド
オマーン
カタール
ルーマニア
サウジアラビア
スペイン
シエラレオネ
スウェーデン
アメリカ合衆国
スイス
国際連合
スペック
- 全長:6.25m(6x6)、6.93m(8x8)、7.45m(10x10)
- 全幅:2.66m
- 全高:2.17m
- 全備重量:12.5トン(6x6)、16.5トン(8x8)、20トン(10x10)
- 乗員:14名(6x6)、16名(8x8)、18名(10x10)
- エンジン
- デトロイトディーゼル 6V-53TA
- MTU 6V-183-TE22
- カミンズ 6CTAA8.3-T350
- カタピラ 3126より選択
- 最大速度:100km/h(浮航:10km/h)
- 航続距離:800km
関連項目
- 装輪装甲車
- 装甲兵員輸送車
- パンデュールI / パンデュールII - モワクと同じくGDELSとしてジェネラル・ダイナミクスの傘下に入ったシュタイア・ダイムラー・プフが製造する装輪装甲車。
脚注
- ^ Ejercito de Chile (Cifras & Equipos)
- ^ Piranha IIIC DF90 Fire Support Vehicle | Military-Today.com
- ^ [ 次期装輪装甲車選定、三菱とパトリアの一騎打ちに https://www.jwing.net/news/44951]
- ^ GDELS starts production of VCR Dragon 8x8 armored vehicles for Spanish Army
- ^ IISS 2024, p. 74.
- ^ IISS 2024, p. 424.
- ^ IISS 2024, p. 85.
- ^ IISS 2024, p. 105.
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 346-347. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 349. ISBN 978-1-032-50895-5
参考文献
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7
外部リンク
ピラーニャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 09:17 UTC 版)
「ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2」の記事における「ピラーニャ」の解説
装甲車。“LAV III” の名称でマルチプレイのキャンペーンにて友軍車輌として登場。
※この「ピラーニャ」の解説は、「ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2」の解説の一部です。
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固有名詞の分類
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