ハナミズキの花言葉
ハナミズキの花言葉の由来
#(1)日本とアメリカの国交からつけられたという説「返礼」という花言葉は、日本がソメイヨシノを贈った返礼として、アメリカからハナミズキが贈られたことが由来。元々日本になかったハナミズキが、日本にやってきたのは100年以上前のこと。まだ東京都が東京市だった1912年に、当時の市長がアメリカに桜の木の苗を寄贈し、そのお返しとして北アメリカ原産の白いハナミズキ40本とピンクのハナミズキ40本の苗木をプレゼントされる。このハナミズキが日本最初のハナミズキだとされる。その数年後には、さらに赤いハナミズキを贈られている。このときに贈られたハナミズキは第2次世界大戦時にそのほとんどがなくなってしまい、2022年現在残っているものは東京都世田谷区にある1本のみとなっている。
実は最初に桜の苗木を贈ったのは1910年のこと。1910年に贈られた桜は、アメリカに届くまでの航海中に虫の被害に遭い処分されることに。しかしそんな被害に挫けることなく、東京市長は2年かけて虫に強い桜の品種を探した結果、再び桜の苗木を贈り現地に届けることに成功した。この東京市長の強い想いから「私の想いを受け入れてください」という花言葉がつけられたとされる。
また「公平にする」という花言葉は、ハナミズキが日米友好のシンボルとして贈られたことに繋がっている。同じ立場で平等な関係を築こうという意味が込められている。
ちなみに1912年にアメリカへ渡った桜は、100年以上たった2022年現在もきれいに咲いている。その桜があるのは首都・ワシントンD.C.で、毎年春に全米桜まつりが開催されている。ポトマック川のほとりにある桜並木は全米桜まつりの最大の見どころである。
#(2)ハナミズキの特性からつけられたという説
ハナミズキの花言葉には、日本語でも英語でも「永続性」という言葉がある。これは、ハナミズキがゆっくりと生長することからつけられた花言葉である。さらにハナミズキは耐久性があり頑丈な樹木で、街路樹として使われることも多いため、「永続性」という花言葉がついたとも言われる。逆境に耐えて花を咲かせる様子から、英語圏では「love undiminished by adversity(逆境にも耐える愛)」という花言葉がつけられたという説もある。
ハナミズキは過酷な環境でも育つ強い植物であり、初心者でも不安なく育てられる。そうした特性は「逆境に耐える」イメージに寄与しているだろう。
#(3)女性への贈り物として使われた習慣からつけられたという説
「私の想いを受け入れてください」という花言葉は、19世紀後半頃に独身の男性が好きな女性にハナミズキの木を贈るのが流行したことが由来。女性側が男性に興味がなければ木を返し、男性が好ましい相手ならそのまま木を育てていたそうである。
#(4)ハナミズキの花びらの形からつけられたという説
ハナミズキはミズキという植物の仲間で、花が華やかで美しいことが名前の由来だとされている。そしてハナミズキの花言葉「華やかな恋」は、ハナミズキが華やかな花びらを咲かせることが由来という説がある。白や赤、ピンクなどのハナミズキの花びらは恋をイメージさせる色合いで、「華やかな恋」という花言葉は似つかわしい。
#(5)イエス・キリストの逸話からつけられたという説
ハナミズキの英語の花言葉には、「love undiminished by adversity(逆境にも耐える愛)」というものがある。この花言葉がつけられた理由は不明だが、イエス・キリストが復活した後に、人々に永遠の愛を説いたことが由来だという一説がある。イエス・キリストは様々な逆境を乗り越えながら、キリスト教の布教を続けた。どんな困難にも屈しないイエス・キリストの愛情がハナミズキの姿と重なったのかもしれない。恋愛に関する花言葉として、イエス・キリストの逸話に関連する「Am I indifferent to you?(私があなたに関心がないとでも?)」という花言葉を思い浮かべる方も多いだろう。イエス・キリストの深い愛情から生まれたとされる花言葉で、相手に気持ちを伝えたいときも用いられる。
ハナミズキの英語の花言葉
ハナミズキの英語の花言葉は、「durability(永続性、耐久性)」「love undiminished by adversity(逆境にも耐える愛)」「Am I indifferent to you?(私があなたに関心がないとでも?)」などがある。ハナミズキ色別の花言葉の解説
ハナミズキには白や赤、ピンクといった色合いの花があるが、色別の花言葉は存在しないと言われている。上記で紹介したハナミズキ全体の花言葉を確認してほしい。ハナミズキ本数別の花言葉の解説
ハナミズキには本数別の花言葉は特にない。つまり、何本の花束にしたからといってハナミズキの花束に込められるメッセージが変わるということはない。ハナミズキの怖い花言葉
ハナミズキの花言葉には特に「怖い意味の花言葉」はない。ただ、西欧の伝説と関連して悲哀をまとったイメージが想起される場合はある。たとえばハナミズキがイエス・キリストの磔刑に直結する植物というイメージなどである。ハナミズキの「durability(永続性、耐久性)」という花言葉は、イエス・キリストに関連するという説がある。ただし、この説を裏付ける具体的な文献や資料などは残っていない。昔のハナミズキの木は現在のものと異なり、背が高く太くて丈夫な幹を持っており、罪人を磔(はりつけ)にして処する際には木材として持ちられたという。イエス・キリストの磔刑においても、ハナミズキの木で作られた十字架が使用されたのでは、とされる。
十字架(おそらくハナミズキの)で処されたイエスは、苦しみに耐えながら罰を受けたわけであり、この話がハナミズキの「耐久性」という花言葉に結びつく。
ハナミズキは、イエス・キリストの十字架の材料として使われてしまったことを深く悲しんだ。イエス・キリストが復活した後に、ハナミズキに対して「二度とハナミズキの木が十字架にされないように、細くて曲がった木にしてあげよう」という約束をした。ハナミズキの十字架で磔にされたイエス・キリストが復活し、永遠の存在になったことで「永続性」という花言葉が生まれた。
イエス・キリストに姿を変えられたハナミズキの木は、真っ直ぐ背の高い幹は曲がり低く、細い枝に育つようになり、花びらは4枚中2枚が短くなり十字架のような形になった。そして花びらの先端には磔の釘や血の跡が残り花びらの色が赤に染まった。さらに花の中心がイエス・キリストがかぶらされていた茨の冠のようになっていることから、ハナミズキの花を見てイエス・キリストの惨劇を思い出すようになったと言われている。
「Am I indifferent to you?(私があなたに関心がないとでも?)」という花言葉も、このエピソードから生まれたという一説がある。聖書には十字架の素材に関する記述はなく、昔のナザレ地方にはハナミズキはなかった。
ハナミズキは北アメリカ原産の花で、この伝説はアメリカで生まれたとされる。あくまで事実だと証明されていない伝説の話なのだ。しかしイエス・キリストが関係する逸話が生まれていることから、現在でもなおクリスチャンにとってハナミズキは愛される花の一つとなった。ハナミズキの見頃である4月は、キリスト教の重要なイベント「イースター」の時期だ。イースターとは、十字架に磔にされたイエス・キリストが復活したことを祝う復活祭。宗教的に重要な意味を持つ日であり、ハナミズキを見ながらイエス・キリストの逸話を思い出す人も少なくない。ハナミズキとイエス・キリストの関係が真実ではなくても、ハナミズキはキリスト教信者によって重要なシンボルとなっている。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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