ドイツでの玉井とは? わかりやすく解説

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ドイツでの玉井

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 09:21 UTC 版)

玉井喜作」の記事における「ドイツでの玉井」の解説

ドイツ到着後の玉井は、ハンブルクベルリン輸入品店で働く生活を送っていたが、その生活の中でドイツ人アジア対す知識考え誤解が多いことに気づく。これを問題考えた玉井は、日清戦争起きたことを機にドイツ新聞日本や清などアジアについての原稿を書くようになり、同時にドイツにおける日本について言論などを日本の新聞社へ送るということ行なった。こうして玉井ジャーナリストとしての道を歩み始める。また、1898年明治21年)には、シベリア横断、特にイルクーツク-トムスク間についての記録である『KARAWANEN REISE IN SIBIRIEN(西比利亜征槎紀行)』を刊行した同年3月玉井月刊誌東亜 (Ost-Asien)』を発行するドイツにおいて、日本人によって雑誌発行されるのは初めてのことであった。『東亜』は「日独貿易大機関」とうたっており、日本中心とした東アジア情勢に関する報道の他、貿易に関する日本の法律ドイツ語訳や、ヨーロッパ在住日本人連絡先ヨーロッパから東アジアに向かう船の時刻表などを掲載するなど、貿易円滑にする情報多く発信した関連してドイツ企業日本における特許取得代理店などといった事業行なっている。また、東亜』の発行部数5000部ほどであったが、そのうち3割程度日本販売されており、この、日本ドイツ両方発売されているという点を活かして日本ドイツ両方企業から広告多く取っていた。『東亜』に広告掲載していた企業としては、ドイツ企業ではルーベック機械製造会社など工業機械会社多く、またステッドラーなども広告掲載している。日本企業では髙島屋ヒゲタ醤油日本郵船横浜正金銀行などが広告掲載していた。 『東亜』は1910年明治43年2月まで通算139号が発行されており(玉井死後老川茂信が主筆引き継いだ)、そのうち138号分は東京大学総合図書館所蔵されている。なお、『東亜』によく原稿掲載していた人間としてアレクサンダー・フォン・シーボルトフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト息子)がおり、アレクサンダー原稿は、後世ジーボルト最後の日旅行』など単行本出版された。 こうしてジャーナリストとして活動続ける中で、玉井の家にはよく人が集まるようになっていき、ドイツ在留した日本人玉井の家に行ったことのないものはないと言われるほどであった。このことから「私設公使」の異名をとるうになる玉井の家に来た人物寄せ書き帳に一筆するのがしきたりであったが、その寄せ書き帳には、新渡戸稲造松村松年高岡熊雄大島金太郎といった札幌農学校時代同僚をはじめ、長岡外史大岡育造美濃部達吉後藤新平長岡半太郎芳賀矢一巖谷小波鈴木貫太郎川上音二郎貞奴などといった名前が残っている。 1904年明治37年)、日露戦争が始まると玉井は、『東亜誌上戦争報道など行なうかたわらシベリアから脱出してきた戦争難民への支援日本赤十字社への募金呼びかけるなどといったキャンペーン行なったこのうち日本赤十字社への募金については、平均的な初任給が月20円の時代に約1万2500円が集まったことが記録されている。また、この頃玉井明石元二郎接触していたことが妻・エツ証言から判明しており、公式な記録残っていないため詳細不明だが、情報収集などの点で明石の対露工作協力していたのではないかとみられている。 しかし、この頃から玉井結核罹り、これが原因1906年明治39年9月25日死去40歳墓所は、ベルリン光市両方にある。 1924年大正13年)、ベルリン商工会議所前に胸像建立される。これは後に第二次世界大戦破壊された。 1942年昭和17年)、玉井シベリア横断初め日本マスコミ大阪毎日新聞)に取り上げられる1963年昭和38年)、『KARAWANEN REISE IN SIBIRIEN(西比利亜征槎紀行)』が初め日本語訳され、小林健祐訳「シベリア隊商紀行」の題で筑摩書房の『世界ノンフィクション全集 47』に収録された。

※この「ドイツでの玉井」の解説は、「玉井喜作」の解説の一部です。
「ドイツでの玉井」を含む「玉井喜作」の記事については、「玉井喜作」の概要を参照ください。

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