イルクーツク【Irkutsk/Иркутск】
イルクーツク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/18 16:53 UTC 版)
| イルクーツク Иркутск |
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|---|---|---|---|---|---|
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| 愛称 : イルー | |||||
| 位置 | |||||
| 座標 : 北緯52度17分 東経104度18分 / 北緯52.283度 東経104.300度 | |||||
| 歴史 | |||||
| 建設 | 1661年 | ||||
| 行政 | |||||
| 国 | |||||
| 連邦管区 | シベリア連邦管区 | ||||
| 行政区画 | |||||
| 市 | イルクーツク | ||||
| 市長 | ルスラン・ボロトフ | ||||
| 地理 | |||||
| 面積 | |||||
| 市域 | 277 km2 | ||||
| 標高 | 440 m | ||||
| 人口 | |||||
| 人口 | (2021年現在) | ||||
| 市域 | 617,264人 | ||||
| 備考 | [1] | ||||
| その他 | |||||
| 等時帯 | イルクーツク時間 (UTC+8) | ||||
| 郵便番号 | 664xxx | ||||
| 市外局番 | +7 3952 | ||||
| ナンバープレート | 38, 85 | ||||
| 公式ウェブサイト : http://www1.irkutsk.ru/ | |||||
イルクーツク(ロシア語: Иркутск, ラテン文字転写: Irkutsk イルクーツク、ブリヤート語・モンゴル語: Эрхүү, ラテン文字転写: Erhüü)は、ロシアのシベリア連邦管区の都市。人口は61万7264人(2021年現在)で、イルクーツク州の州都である。モンゴル国境から約300km北に位置する。バイカル湖西岸内陸にあたり、イルクート川とバイカル湖から流れ出るアンガラ川(どちらもエニセイ川の支流)の合流地点の右岸に位置する。
シベリア鉄道が通り、ロシア極東地域とウラル・中央アジアをつなぐシベリア東部の工商および交通の要衝である。ロシア正教会の大主教座が置かれ、劇場や図書館などの文化施設も充実している。また、街並みの美しさから「シベリアのパリ」と呼ばれることもある[2]。
歴史
1652年にコサックの一隊が毛皮をとるためにアンガラ川の河畔に設けた宿営地を起原とし、1686年に市としての勅許を得た。
古くから毛皮の集積地、中国の清やタシュケントとの国境交易の基地として使われてきた。18世紀末にイルクーツクに一時滞在した日本人・大黒屋光太夫は、中国、朝鮮・満州などの人が交易におとずれ繁華な土地であると述べている[3]。
また、ロシア中央から囚人や政治犯の送られる流刑地でもあり、1825年にはデカブリストの乱を起こした貴族たちはイルクーツクに流された。1863年にはポーランド立憲王国で反ロシア蜂起(一月蜂起)が起き、蜂起の参加者たちがイルクーツクに流された。市内にあるゴシック様式のレンガ造りの教会は流刑にあったポーランド人たちが建設したカトリック教会である。
シベリアへのキリスト教宣教の拠点でもあり、イルクーツクのインノケンティは、正教会では「イルクーツクの奇跡者聖インノケンティ」として聖人とされる。1898年にはシベリア鉄道がイルクーツクまで開通し、1904年にウラジオストクまで延伸された。
日本との関係も深く、最初にロシアを訪れた日本人である伝兵衛が1701年にイルクーツクに滞在したのを皮切りに、多くの漂流者がこの地に永住し、前述のとおり大黒屋光太夫もこの街に往路・復路ともに滞在している。1705年、伝兵衛を教師としてサンクトペテルブルクに創設されたロシア最古の日本語学校が1753年にイルクーツクに移設され、日本から漂流し、ロシアに帰化した者たちが教鞭をとっていた。
シベリア出兵が当地まで及んだほか、 第二次世界大戦後には第32収容地区(ラーゲリ)が設置され、日本人のシベリア抑留の対象地のひとつとなった。過酷な生活と労働を通じて倒れた犠牲者の日本人墓地が作られた[4] ほか、抑留者による労働で建設された建物が残る。また、イルクーツク市は1967年3月20日以来、石川県金沢市と姉妹都市協定を結んでいる。そのため、市内には「金沢通り」という名前(ロシア語と日本語表記とが看板で併記)の通りがある。
交通
市の中心部分(旧市街)はアンガラ川の右岸(東側)にあり、そこからアンガラ川を跨ぐ橋を通り対岸にシベリア鉄道のイルクーツク旅客駅がある。市内はバス、路面電車(イルクーツク市電)、タクシーなどが利用できる。
主要道路にはシベリア横断道路がアンガラ川左岸にあり、東へはチタまでがM55幹線道路、西へはノヴォシビルスクまでがM53幹線道路と呼ばれている。また、アンガラ川の舟運も利用でき、下流へはブラーツクまで、上流はリストヴャンカを経てバイカル湖上の各地へ通じている。
空港はイルクーツク国際空港がある。市街地と空港の間にはトロリーバス4号線が運行されている。
教育
- イルクーツク国立大学 (ロシア語: Иркутский государственный университет, 英語: Irkutsk State University)
- イルクーツク国立工科大学
- バイカル国立大学
- イルクーツク国立交通大学
- イルクーツク国立A・A・エジェフスキー記念農科大学
- イルクーツク国立医科大学
また、以下の大学もあったが、2016年に高等教育制度改革の一環でイルクーツク国立大学に合併された。
- イルクーツク国立言語大学 (Irkutsk State Linguistic University)
- 東シベリア国立教育大学 (East Siberian Education Academy、イルクーツク国立教育大学 Irkutsk State Pedagogical College から改名)
観光
気候
ケッペンの気候区分によると、イルクーツクは湿潤大陸性気候・亜寒帯冬季少雨気候(Dwb)に属する。
年平均気温は1.4℃である。平年値では最暖月である7月の日最高気温が25.7℃、日最低気温は13.5℃、最寒月である1月の日最高気温が-12.7℃、日最低気温は-21.4℃となっている。また、11月から3月にかけて日平均気温が氷点下となっている。
年平均降水量は477mmである。
年平均日照時間は2301.6時間である。
| 極値[8] | 観測値 | 観測年月日 |
|---|---|---|
| 日最高気温 | 37.2℃ | 1915年7月 |
| 日最低気温 | -49.7℃ | 1915年1月 |
| イルクーツク(標高467m、平年値:1991年 - 2020年、極値:1820年 - 現在)の気候 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 2.3 (36.1) |
13.8 (56.8) |
21.1 (70) |
29.2 (84.6) |
34.5 (94.1) |
35.6 (96.1) |
37.2 (99) |
34.7 (94.5) |
29.7 (85.5) |
25.6 (78.1) |
14.4 (57.9) |
5.3 (41.5) |
37.2 (99) |
| 平均最高気温 °C (°F) | −12.7 (9.1) |
−7.5 (18.5) |
1.2 (34.2) |
10.5 (50.9) |
18.1 (64.6) |
23.8 (74.8) |
25.7 (78.3) |
22.9 (73.2) |
16.1 (61) |
7.9 (46.2) |
−2.7 (27.1) |
−10.8 (12.6) |
7.7 (45.9) |
| 日平均気温 °C (°F) | −17.6 (0.3) |
−14.1 (6.6) |
−5.5 (22.1) |
3.6 (38.5) |
10.4 (50.7) |
16.4 (61.5) |
19.0 (66.2) |
16.4 (61.5) |
9.5 (49.1) |
2.0 (35.6) |
−7.6 (18.3) |
−15.4 (4.3) |
1.4 (34.5) |
| 平均最低気温 °C (°F) | −21.4 (−6.5) |
−19.1 (−2.4) |
−11.1 (12) |
−1.9 (28.6) |
3.7 (38.7) |
10.1 (50.2) |
13.5 (56.3) |
11.4 (52.5) |
4.6 (40.3) |
−2.4 (27.7) |
−11.5 (11.3) |
−19.1 (−2.4) |
−3.6 (25.5) |
| 最低気温記録 °C (°F) | −49.7 (−57.5) |
−44.7 (−48.5) |
−37.3 (−35.1) |
−31.8 (−25.2) |
−14.3 (6.3) |
−6 (21) |
0.4 (32.7) |
−2.7 (27.1) |
−11.9 (10.6) |
−30.5 (−22.9) |
−40.4 (−40.7) |
−46.3 (−51.3) |
−49.7 (−57.5) |
| 降水量 mm (inch) | 14 (0.55) |
9 (0.35) |
12 (0.47) |
21 (0.83) |
36 (1.42) |
69 (2.72) |
106 (4.17) |
96 (3.78) |
53 (2.09) |
21 (0.83) |
20 (0.79) |
19 (0.75) |
477 (18.78) |
| 平均降雨日数 | 0 | 0.04 | 1 | 9 | 15 | 18 | 18 | 17 | 16 | 9 | 2 | 0 | 105 |
| 平均降雪日数 | 21 | 16 | 13 | 11 | 3 | 0.2 | 0 | 0 | 2 | 10 | 20 | 23 | 119 |
| % 湿度 | 82 | 76 | 65 | 56 | 55 | 67 | 74 | 78 | 76 | 73 | 79 | 85 | 72 |
| 平均月間日照時間 | 108.8 | 157.3 | 226.6 | 248.1 | 276.2 | 275.2 | 267.9 | 233.1 | 181.7 | 156.5 | 95.4 | 74.8 | 2,301.6 |
| 出典1:Pogoda.ru.net[9] | |||||||||||||
| 出典2:NOAA[10] | |||||||||||||
姉妹都市
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脚注
- ^ “CITY POPULATION”. 2023年5月22日閲覧。
- ^ 加賀美雅弘『世界地誌シリーズ 9 ロシア』朝倉書店、2017年、22頁。ISBN 978-4-254-16929-4。
- ^ 桂川甫周『北槎聞略・大黒屋光太夫ロシア漂流記』亀井高孝校訂、岩波書店(岩波文庫)1993年、47頁
- ^ 長勢了治『シベリア抑留全史』原書房、2013年8月8日、186,294頁。 ISBN 9784562049318。
- ^ Language study in Irkutsk
- ^ Irkutsk - Geography and Climate, History, Economy, Transport, TV and mass media, Twin cities, Education, Science
- ^ 世界ふれあい街歩き「シベリアの短い夏イルクーツク/ロシア」(NHK)
- ^ Погода и Климат
- ^ “Pogoda.ru.net- Climate Data for Irkutsk 1991–2020” (ロシア語). Weather and Climate (Погода и климат). 2020年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年3月19日閲覧。
- ^ “Irkutsk Climate Normals 1991–2020”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2023年11月2日閲覧。
外部リンク
イルクーツク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 09:28 UTC 版)
イルクーツクはバイカル湖の南端から流れ出るアンガラ川に面している大きな都市で、バイカル湖への主要アクセス地点になる。イルクーツク国際空港もあり、バイカル湖観光の中心になっている。湖まではイルクーツクからは自動車で約1時間。バスならば2時間。シベリア鉄道ではイルクーツク駅から4時間ほどは湖畔を走る。下車はブリヤート共和国首都のウラン・ウデ駅。他に水中翼船がアンガラ川経由で湖まで運航する。
※この「イルクーツク」の解説は、「バイカル湖」の解説の一部です。
「イルクーツク」を含む「バイカル湖」の記事については、「バイカル湖」の概要を参照ください。
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