ブラーツクとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 都市 > 都市 > ブラーツクの意味・解説 

ブラーツク【Bratsk/Братск】


ブラーツク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 21:44 UTC 版)

ブラーツク中心部

ブラーツクロシア語: Братск、Bratsk)は、ロシア連邦シベリア連邦管区の都市。イルクーツク州中部、バイカル湖の西側に位置する。人口は224,071人(2021年現在)である[1]

概要

アンガラ川オカ川の合流点に近い。アンガラ川をブラーツクダムにより堰き止めたブラーツク湖、ブラーツク水力発電所が有名である。ブラーツク国立工科大学、イルクーツク国立大学の支部がある。国際空港を持つ。

歴史

ブラーツク周辺にロシア人が進出したのは1631年であり、ここに要塞が建設された。1940年代には水力発電所を建設するため、当地へバム鉄道が延伸されており、シベリア抑留で動員された日本人の多くが使役された土地である。

人口が飛躍的に増加したのは、1955年にブラーツクダムおよび水力発電所の建設が始まってからである。大型土木工事の労働者は全国のコムソモールからの参加もみられた。完成後のブラーツクの人口は20万人を超える規模となった。1970年代のブラーツクダムには「共産主義、それはソビエト政権プラス全国の電化である」というウラジーミル・レーニンの言葉が掲げられた。発電所の最大出力は400万キロワットと当時世界第2位。ブラーツク市は、豊富で安価な電力を生かしたアルミニウム精錬や、周辺の森林タイガ)資源を利用したパルプ製造などが行われ急速に発展。人間と自然が織りなす壮大なシベリア開発の複合式発展は「ブラーツク方式」と呼ばれ、ソビエト連邦の発展を示す事例として喧伝された[2]

一方で、東西冷戦下において重要な産業都市としてアピールすることは、敵国の攻撃目標とされることが想定された。ブラーツクに限る話ではないが、1960年代後半に修正されたソビエト連邦の地図では、ブラーツクの位置は核攻撃などを想定して、実際の場所より20キロメートル程度ずれた場所に記載されていた[3]

気候

ケッペンの気候区分亜寒帯湿潤気候 (Dfc)に属する。中央シベリアの都市では、比較的過ごしやすい気候とされる。

ブラーツクの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 3.0
(37.4)
7.2
(45)
13.4
(56.1)
22.8
(73)
31.1
(88)
34.0
(93.2)
37.0
(98.6)
32.3
(90.1)
27.2
(81)
22.8
(73)
10.0
(50)
9.2
(48.6)
37
(98.6)
平均最高気温 °C°F −17.1
(1.2)
−13.1
(8.4)
−4.3
(24.3)
4.0
(39.2)
13.3
(55.9)
20.5
(68.9)
23.6
(74.5)
20.2
(68.4)
12.7
(54.9)
2.5
(36.5)
−7.9
(17.8)
−15.1
(4.8)
3.28
(37.9)
日平均気温 °C°F −20.6
(−5.1)
−17.5
(0.5)
−9.4
(15.1)
−0.5
(31.1)
8.1
(46.6)
15.1
(59.2)
18.3
(64.9)
15.1
(59.2)
7.9
(46.2)
−1.1
(30)
−11.2
(11.8)
−18.3
(−0.9)
−1.17
(29.88)
平均最低気温 °C°F −24.9
(−12.8)
−22.7
(−8.9)
−15.7
(3.7)
−6.2
(20.8)
1.8
(35.2)
8.8
(47.8)
12.5
(54.5)
9.6
(49.3)
2.9
(37.2)
−5.3
(22.5)
−15.5
(4.1)
−22.5
(−8.5)
−6.43
(20.41)
最低気温記録 °C°F −53.9
(−65)
−47.0
(−52.6)
−40.0
(−40)
−27.2
(−17)
−12.2
(10)
−8.2
(17.2)
0.2
(32.4)
−3.0
(26.6)
−12.0
(10.4)
−28.0
(−18.4)
−37.2
(−35)
−44.0
(−47.2)
−53.9
(−65)
降水量 mm (inch) 14.5
(0.571)
11.6
(0.457)
11.4
(0.449)
17.2
(0.677)
31.8
(1.252)
47.1
(1.854)
58.5
(2.303)
65.0
(2.559)
39.8
(1.567)
23.1
(0.909)
23.2
(0.913)
19.7
(0.776)
362.9
(14.287)
平均降水日数 (≥0.1 mm) 24.6 20.9 19.6 11.3 15.8 10.8 11.8 11.7 14.0 19.9 26.0 27.8 214.2
湿度 82.4 81.6 72.1 64.8 63.8 67.7 69.4 75.5 71.5 75.8 81.7 84.2 74.21
平均月間日照時間 79.1 114.8 192.2 243.0 258.9 264.0 306.9 237.2 153.0 108.5 77.0 52.7 2,087.3
出典:climatebase.ru[4]

姉妹都市

脚注

  1. ^ CITY POPULATION”. 2023年5月22日閲覧。
  2. ^ 新段階迎えたシベリア開発 原生林に挑む突撃隊『朝日新聞』昭和49年(1974年)9月22日朝刊、13版、9面
  3. ^ ソ連発表の地図に異変 西部の町、鉄道位置が大移動 核攻撃を想定し偽装?『朝日新聞』1970年(昭和45年)2月4日朝刊 12版 14面
  4. ^ Bratsk, Russia”. Climatebase.ru. 2013年1月23日閲覧。

外部リンク




ブラーツクと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ブラーツク」の関連用語

ブラーツクのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ブラーツクのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブラーツク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS