デハニ201形・デハニ211形
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「伊勢電気鉄道ハ451形電車」の記事における「デハニ201形・デハニ211形」の解説
デハニ201形・デハニ211形とも、当初は大型電動車であったため伊勢電気鉄道本線の主力車として運用された。 しかし、ほどなく112kW級電動機搭載の強力電動車であるデハニ231形の新造が開始され、大神宮前延長線の開業までに同形式が12両出揃ったため、以後は低出力であることから同出力で同程度の収容力を備えるデハニ221形と共に各駅停車や支線区での運用を中心とするローカル運用にもっぱら充当されるようになった。 1932年3月26日には他の電動車各形式と同様、記号を変更して以下の通り改番されている。 デハニ201形デハニ201 → モハニ201形モハニ201 デハニ211形デハニ211 → モハニ211形モハニ211 伊勢電気鉄道の参宮急行電鉄への合併の際には特に変更は実施されなかったが、1941年3月15日の関西急行鉄道成立時には両形式は実質的に同一であったことから整理統合され、以下の通り改番された。 モハニ201形モハニ201 → モニ6201形モニ6201 モハニ211形モハニ211 → モニ6201形モニ6202 なお、この際塗装は他形式と同様、従来のイムペリアル・スカーレットから濃緑色に変更されている。 前述のク6451形と同様、戦時中に網棚の木製化が実施され、戦後すぐに雨樋の設置と標識灯の2灯化、それに乗務員室仕切の設置が実施されている。 1953年には車体更新が実施され、幕板部について補強帯を内側に隠したノーヘッダーの溶接構造に改造された。この際、幕板部の飾り窓は既にガラスが板材に交換されて実質的に機能していなかったこともあって埋められ、のっぺりした印象の平凡な外観となった。また、この際にトラス棒の撤去も実施されている。 地味な運用で終始した本形式であるが、車体更新から間もない1954年に、モニ6201を対象に1,067mm軌間の線区に適した新駆動システムとして直角カルダン駆動方式の実用試験を行うこととなり、同駆動システムを搭載するよう改造工事が実施され、以下の通り改番された。 モニ6201形モニ6201 → モニ6211形モニ6211 この改造では台車を新造の近畿車輛KD-8シュリーレン式円筒案内式金属ばね台車へ交換、主電動機として日立製作所HS-510Arbを各台車に2基ずつ装架、駆動装置はやはり日立製作所製のOP75K-5109直角カルダン駆動装置を装着し、歯数比は9:51=5.67とした。なお、ブレーキは基礎ブレーキ装置が各台車に4基ずつブレーキシリンダーを搭載する台車シリンダー式となったことから、A動作弁に中継弁(Relay valve)を併用するAR(AMAR)自動空気ブレーキとされたが、制御器は従来と同様、芝浦製作所RPC-101電空カム軸式制御器が搭載された。この改造により自重は37.2tから31.8tと実に6.4tもの軽量化を実現した。もっとも、近畿日本鉄道では狭軌線を含め直角カルダン駆動方式が本格採用されることはなく、本形式も試験終了後に原状に復元されて再度モニ6201形モニ6201へ改番されている。 モニ6211形モニ6211 → モニ6201形モニ6201 本形式は低出力車であったことから1959年の名古屋線改軌の際には改軌工事の対象から外された。そのため、狭軌の養老線へ転属、さらに1961年には伊賀線へ再度転属となった。 その後は伊賀線で運用が続けられたが、HL制御器を備える同線所属の他形式とは異なる制御器を搭載していたことから本形式2両、あるいは同じく伊勢電気鉄道を出自とするクニ5360形を連結して運用された。 1974年には南大阪線向け新型冷房車である6200系に番号を譲るため、以下の通り改番された。 モニ6201形モニ6201・モニ6202 → モニ5200形モニ5201・モニ5202 もっとも、老朽化が進行したことからこの番号での使用期間は短期間にとどまり、1977年の伊賀線体質改善計画に伴うモ5000形の伊賀線転入で同年3月に2両とも廃車解体された。
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デハニ201形・デハニ211形
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「伊勢電気鉄道」の記事における「デハニ201形・デハニ211形」の解説
1928年に製造した17m級半鋼製電車。両形式とも車体設計は共通で、先行するクハ451形に準じる。ただし、制御器がデハニ201形はゼネラル・エレクトリック社製PC自動加速制御器、デハニ211形がこれをライセンス生産した芝浦製作所RPCと異なっていたことから別形式が与えられた。もっとも制御シーケンスは共通で取り扱いには差違が存在しなかったことから関西急行鉄道発足時に形式統合され、モニ6201形となった。同時期製作の制御車2形式とは異なり、終始地味なローカル運用に使用され、戦後は養老線を経て伊賀線で使用された。1977年全廃。
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