チーム草創期
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「ヒューストン・テキサンズ」の記事における「チーム草創期」の解説
チーム初の公式戦は2002年9月8日にリライアント・スタジアムでのダラス・カウボーイズ戦であった。この試合でルーキーQBのデビッド・カーはビリー・ミラーへTDパスを通し19-10で勝利した。エクスパンションチームがデビューを白星で飾るのは1961年のミネソタ・バイキングス以来史上2チーム目のことであった。その後5連敗した後、ジャクソンビル・ジャガーズ戦でロード初勝利をあげた。その後、ニューヨーク・ジャイアンツ、ピッツバーグ・スティーラーズ(この試合オフェンスは46ヤードしか獲得できなかった。これはNFLの勝利チームとしては最低の記録であった。)に勝利し4勝12敗でシーズンを終えプロボウルにもゲイリー・ウォーカー、アーロン・グレンの2人が選ばれた。この年オフェンスラインが弱点となりカーは76回のサックを受けた。 2003年の開幕戦ではマイアミ・ドルフィンズを破りエクスパンションチームとしては初めて2年連続開幕戦を勝利で飾った。チームは前年より1勝しか増やせなかったがこのシーズン第38回スーパーボウル出場を果たしたカロライナ・パンサーズへの勝利、スーパーボウルチャンピオンになったニューイングランド・ペイトリオッツにもオーバータイムに持ち込む接戦を演じた。 2004年、開幕から3連敗したがカンザスシティ・チーフス、オークランド・レイダースに連勝、同地区のライバル、ジャクソンビル・ジャガーズ、テネシー・タイタンズから2勝を奪うなどして勝ち星を7つまで積み上げたものの、最終週にここまで3勝12敗のクリーブランド・ブラウンズに14-22で敗れて勝ち越しを逃した。この年2年目のWRアンドレ・ジョンソンがプロボウルに選ばれた。 2005年、チームは開幕から連敗しオフェンスコーディネーターのクリス・パーマーは解任された。ケイパーズヘッドコーチやキャサリーGMへのメディアやファンからの風当たりは強いものとなり、開幕から6連敗したチームはクリーブランド・ブラウンズから初勝利をあげたがその後また6連敗を喫した。最終週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズとの試合は敗れたチームがNFLシーズンワースト成績となり翌年のNFLドラフトで全体1位指名が期待されるUSCのRBレジー・ブッシュが指名できるとあって「Bush Bowl」という陰口もたたかれた。この試合に17-20で敗れて2勝14敗でシーズンを終えた。その中で唯一の光明はルーキーのジェローム・マシスがキックオフリターンで2TDをあげてプロボウルに選ばれたことだった。 シーズン終了後ケイパーズヘッドコーチ及びコーチングスタッフの大部分は解雇された。キャサリーGMはしばらくチームに残ったがドラフト終了後にチームを去りリック・スミスが後任となり、新ヘッドコーチにはデンバー・ブロンコスのオフェンスコーディネーターだったゲイリー・キュービアックが就任した。 2006年のドラフトでは全米のメディアはレジー・ブッシュの指名を予想し、地元ヒューストンではローズボウルでそのブッシュのUSCを破り全米チャンピオンになったテキサス大学のQBヴィンス・ヤングの指名を期待した。この2人のいずれがドラフトで指名されることになるか注目されたがチームが全体1位で指名したのはノースカロライナ州立大学のDEマリオ・ウィリアムズであった。リライアント・スタジアムで行われたこのドラフトでファンは失望するとともにブーイングを行った。全米のメディアもマイケル・ジョーダンとサム・ブーイが指名された1984年のNBAドラフトを持ち出してこの選択はドラフト史上最悪のものではないかと報道した。ブッシュはニューオーリンズ・セインツに、ヤングはテネシー・タイタンズに入団した。この年ブッシュが加入したセインツはNFCチャンピオンシップゲームまで進出し、ヤングは最優秀攻撃選手に選ばれたのに対してウィリアムズは足底筋膜炎に罹り47タックル、4.5サックに終わった。チームはこの年開幕から3連敗したがテネシー・タイタンズ戦ではオフェンスの獲得ヤードで427対197と圧倒されたもののターンオーバーでボールを5回奪い勝利した。また第41回スーパーボウルを制したインディアナポリス・コルツを27-24で破り10回目の対戦で初勝利をあげた。オフェンスではQBカーが成長しパス成功率68.9%、バッファロー・ビルズ戦では22回連続パス成功の記録を残した。またアンドレ・ジョンソンはリーグトップの103回のレシーブを記録し2度目のプロボウルに選ばれた。またドラフト2巡指名のデミーコ・ライアンズは最優秀新人守備選手に選ばれた。 2007年3月21日、アトランタ・ファルコンズの控えQBマット・ショーブを獲得、元ドラフト全体1位指名選手であるカーはカロライナ・パンサーズに移った。この年チームがドラフト1巡で指名したアモビ・オコイエはドラフト史上最年少選手となった(ドラフト当日19歳)。開幕からチームは連勝し前年から数えると4連勝となった。しかしその後ショーブが負傷して5試合欠場、アンドレ・ジョンソンもひざの負傷で7試合を欠場した。第9週のオークランド・レイダース戦ではデュンタ・ロビンソンがシーズン絶望となる負傷、センターのスティーブ・マッキニーも第3週にシーズン絶望となる怪我を負った。またオフシーズンに大型契約を結んだアーマン・グリーンはわずか260ヤードしか走れず故障者リストに入った。こうした状況にもかかわらずチームはホームで6勝2敗の成績を残し通算で8勝8敗、チーム史上初めて負け越さずにシーズンを終えた。アンドレ・ジョンソンはキャリア最高の8TDをあげ、2年目のマリオ・ウィリアムズはAFCトップの14サックをあげてチーム記録を更新、デミーコ・ライアンズはプロボウルの先発選手に選ばれた。同地区の対戦成績は1勝5敗に終わり地区最下位であったが地区外のチームに7勝3敗の成績を残した。クリス・ブラウンはマイアミ・ドルフィンズ戦でNFL史上初めて1試合で3本の54ヤード以上のFGを決めたキッカーとなった(このうち1本は57ヤードでチーム記録)。 2008年、第2週にホームで予定されていたボルチモア・レイブンズ戦はハリケーン・アイクの影響で延期されたこともあり、ロードでの連戦を強いられ0勝4敗となったがマイアミ・ドルフィンズ戦で4thダウンゴールからショーブが残り3秒でTDランを決めて劇的な勝利を収めるなど3連勝、シーズン終盤にも4連勝を果たし最終週ではプレーオフ争いを演じていたシカゴ・ベアーズを破った。12月1日にはマンデーナイトフットボールに初登場し新人RBスティーブ・スレイトンが130ヤードを走り2TDをあげる活躍を見せるとともにマリオ・ウィリアムズが3サック、アンドレ・ジョンソンも7回のキャッチで75ヤードを獲得し1TDをあげて30-17で勝利した。スレイトンはこの年ドラフトで指名されたRBとしては10人目であったが1,282ヤードを入る活躍を見せた。またアンドレ・ジョンソンはNFLトップの115回のキャッチで1,575ヤードを獲得しマリオ・ウィリアムズ、オーウェン・ダニエルズとともにプロボウルに選ばれた。この年も8勝8敗の五分でシーズンを終えた。 2009年チームは5勝3敗で前半を折り返し最終週はニューイングランド・ペイトリオッツを破り9勝7敗と初めて勝ち越ししてシーズンを終えた。プレーオフ進出にわずかに望みをつないでいたが夜行われたゲームでニューヨーク・ジェッツが勝利し9勝7敗でボルチモア・レイブンズと3チームが並んだがカンファレンス内の成績で1勝足らずワイルドカードでの出場はならなかった。この年マット・ショーブはNFL歴代6位となる4,770ヤードのパスを投げQBレイティング98.6の成績を残し、アンドレ・ジョンソンも101回のキャッチで1,569ヤードを獲得した。新人のブライアン・クッシングは最優秀新人選手に選ばれた(翌年になり禁止薬物に陽性反応があったため再投票が行われたが再度選出された。2010年開幕から4試合出場停止の処分を受けた)。シーズン終了後チームはキュービアックヘッドコーチとの契約を2012年まで延長した。 2010年、QBマット・ショーブがプロボウルに選ばれるなど、オフェンスは好成績を残したが、ディフェンスがリーグ最下位クラスで、6勝10敗と地区3位でシーズンを終えた。
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