タンザナイト
「タンザナイト」とは・「タンザナイト」の意味
「タンザナイト」の正式な鉱物名は「ブルーゾイサイト」で、和名は「灰簾石(かいれんせき)」または「黝簾石(ゆうれんせき)」。1967年にタンザニアのアルーシャ地区にあるメレラニ鉱山において現地住民によって偶然発見された宝石で、商業用として採鉱されているのは地球上でメレラニ鉱山のみと希少性の高い宝石として知られている。紫色をおびる澄んだ青色の宝石だが「多色性」という特徴もあり、見る角度によって紫や青が強調されたり赤色をおびることもあるなど、さまざまな色の変化を見せる宝石として人気が高い。タンザナイトは、発見された当時はそれほど評価されなかった。その理由は、ゾイサイトはオーストリア・ノルウェー・スイス・パキスタンなど世界各地で採鉱される宝石で、色は緑色や黄色、ピンク色などだが加熱すると青紫色になるからである。しかし、タンザナイトの青色は「パナジウム」という成分によるもので非加熱の青紫色である。このことに注目した世界的に有名な宝飾品ブランドのティファニー社がその希少性と価値を評価し、「20世紀の宝石」としてプロモーションすると世界的に認知され、ルビーやエメラルドと肩を並べる人気の宝石となった。なお、「タンザナイト」の名前はティファニー社が青く美しいタンザニアの夜をイメージして付けた名前で、2018年に宝石名として正式に認められたが、鉱物学的には元の名前の「ブルーゾイサイト」となっている。
また、タンザナイトは指輪やネックレスなどの宝飾品としてはもちろんだが、パワーストーンとしても人気があり「持つ人を選ぶ石」としても知られる。その理由は、タンザナイトは霊力が強く高い波動を持つため、物質を超えたスピリチュアルな世界につながりやすいと言われているからである。実際にタンザナイトは古代ヨーロッパのケルト民族の間で「霊力の効能がある魔法の石」として崇められており、霊的な儀式に使用する用具や権力者の装飾品に使用していたと伝えられている。さらに理性や知性を高め、物事を冷静に見る力が養われて落ち着いた正しい判断ができるようになるという効果もある。そのためタンザナイトは、自分の進路を冷静に見極める必要がある「人生の分岐点にある人」に人気が高い宝石として知られている。恋愛や就職などの人生の転機が訪れたときに自分にふさわしい選択が可能になるためで、実際にSNSなどでは効果 あった人の口コミやコメントも多い。
1967年に発見されたタンザナイトは比較的新しい種類の宝石であるが、2021年に米国宝石学会によって「12月 誕生石」に選定された。これまで19石だった誕生石が63年ぶりに改定され新たに10種類の宝石が加わったことにより、それまでターコイズとラピスラズリであった12月の誕生石にタンザナイトとジルコンが加わった。12月の誕生石に選定された理由は明確ではなく、何でもひとりで抱え込む傾向がある12月生まれのために、周囲と調和しながら落ち着いた判断ができるパワーを持つタンザナイトを選んだ、という説があるが定かではない。
なお、ネットでタンザナイトを検索すると関連キーワードに「怖い」と出るなど、中にはタンザナイトを怖いと感じる人もいる。その理由は、タンザナイトのように目に見えないスピリチュアルな世界につながる石は、プラスのエネルギーばかりではなくマイナスのエネルギーも強めてしまうと言われているためである。所有している人がネガティブな感情を持っていると、マイナスエネルギーを引き寄せてしまう可能性があることが「怖い」理由となっている。
「タンザナイト」の宝石言葉
タンザナイトの宝石言葉は「知性・冷静・神秘・希望・高貴」である。タンザナイト【tanzanite】
タンザナイト(Tanzanite)
Merelani Mine,Arusha Hills,Tanzania
Ca2Al3(SiO4)3(OH) 画像の幅約1.2cm
青紫色の灰簾石(Zoisite)をタンザナイトと呼びます。
1960年代にタンザニアで発見された新種の宝石で、原石は色が悪い物
が多いですが、加熱処理すると美しい青紫色の宝石となります。
タンザナイト(Tanzanite)
Merelani Mine,Arusha Hills,Tanzania
Ca2Al3(SiO4)3(OH) 画像の幅約8mm
青紫色の灰簾石(Zoisite)をタンザナイトと呼びます。
1960年代にタンザニアで発見された新種の宝石で、原石は色が悪い物
が多いですが、加熱処理すると美しい青紫色の宝石となります。
タンザナイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/22 08:46 UTC 版)
タンザナイト (Tanzanite) は青 - 青紫色を有する多色性の宝石で、灰簾石(黝簾石、ゾイサイト、緑簾石グループ)の変種。ゾイサイトの中でも、内部にバナジウムを含むものをタンザナイトと称する。
性質
概要
1967年、東アフリカのタンザニアのアルーシャ地区メレラニ鉱山で、ルビーを探していたマニュエル・ト・スーザーは、それまで採掘されていた不透明のピンク色や緑色とは全く別種の青紫色のゾイサイトを発見した。これをアメリカ合衆国の宝石商ティファニーがタンザナイトと名付け、1980年代にはアメリカを中心に人気を呼ぶ石となった。近年[いつ?]の人気を受けて類似石や精巧な合成品も多く出回っており、取引や鑑定に際しては注意を要する。
「タンザニアの石」を意味するタンザナイトは、その名が示すとおり、キリマンジャロの夕暮れ時の空を映し出したような美しい青紫色をしている。多色性という特徴を持っており、見る角度によって青色や紫色が強くなる宝石である。同時に青と紫、紫と赤を有することもある。また自然光の下では透明感に満ちた美しい群青色に、夜のライトや白熱灯の下では高貴な紫色に、蛍光灯の下では青色に輝く変化も見られる(ただしアレキサンドライトほど劇的ではないため、変色性があるとは言わない)。この特長により、ブルーサファイアとの鑑別が容易である。以前はタンザナイトがブルーサファイアに似ていたこともあり、多色性が少なく、青味が強いもののほうが高い評価を受けていたこともあった。しかし、タンザナイトはサファイアとは全く違った観点から評価を下すものという動きに変化し、現在では多色性の強いものほど高い評価を得ている。色に関しては濃い紫、濃い青が出るものほど財産的価値は上昇し、反対に色が薄くなればなるほど価値は下がる。タンザナイトの原石そのものはインクルージョンが多い。青色の透明色を出すためには、原石を加熱加工する。
タンザナイトはモース硬度が低く、宝石の中でもかなり傷がつきやすい部類に入る。しかも、へき開(劈開)性という衝撃に対してもろい性質も持つため、扱いに注意しないと割れてしまったり、欠けてしまうこともある。超音波洗浄器は禁忌である。
産地
一般的に、タンザニア付近で採掘されたゾイサイトを特にタンザナイトと呼称している。近年[いつ?]、タンザニア以外の産地のブルーゾイサイトをタンザナイトとしていることがあるが、これが適切であるか否かは判断が分かれている。
2020年、タンザニアの小規模鉱山の労働者によって採掘された原石(9.2 kgと5.8 kg)が、同国の鉱山省に売却された。それまでの最も大きな原石は3.3 kgであり、記録を更新した。売却額は240万ポンド[1]。
脚注
- ^ “一夜で億万長者に タンザナイト原石を発見の鉱山労働者”. BBC NEWS JAPAN (2020年6月25日). 2020年6月25日閲覧。
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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