タイタニック号をめぐってとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > タイタニック号をめぐっての意味・解説 

タイタニック号をめぐって

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 01:46 UTC 版)

細野正文」の記事における「タイタニック号をめぐって」の解説

細野鉄道院参事おおよそ現在の国土交通省大臣官房技術参事官に相当)を務めていた1912年第1回鉄道院在外研究としてのロシア・サンクトペテルブルク留学帰路にてタイタニック号日本人ではただ1人乗船していた。もっとも死亡率高かった二等船室男性乗客 であったが、細野10号ボート乗って生還果たした細野その時状況雑誌冒険世界』(1912年7月号)において次のように語っている。 ふと舷側を見ると今や最後ボート卸ろされるところで中には45分の女子供乗って居たが、スルスルと1ヤードか2ヤード卸した。ところが何か滑車故障があったと見えてピタリ止まった。ふと聞くともなしに聞くと『何にまだまだ3人位ゆっくり乗れじゃないか』と船員同士の話声がした。私は立ち止った。すると私の側に居った一人船員ヒラリとばかりボート飛び下りた。見るとボートは元の儘、舳のところが空いて誰も居ない。これなら飛込んでも誰れにも危害与えまいと思ったので、いきなり飛び下りた。 『週刊文春』(1997年12月18日号)などの報道によればタイタニック生還者一人であるイギリス人ローレンス・ビーズリーが1912年出版した著作『THE LOSS OF THE SS.TITANIC』の中で「他人押しのけて救命ボート13号ボート)に乗った嫌な日本人がいた」と証言したことが日本国内広まったことにより、細野当時新聞修身教科書などから批判晒されたという。しかし1997年タイタニック展示会主催団体「タイタニック・エキシビション・ジャパン」の代表マット・テイラーが、細野の手記や他の乗客記録照らし合わせ調査から、ビーズリー細野別の救命ボート乗っており人違いであることを確認した。その調査によれば記録では細野乗り込んだ救命ボート10号ボート)にはアルメニア人男性女性しか乗ってなかったことになっているが、事故当時細野はひげをはやしていたためアルメニア人誤記されたのであり、一方ビーズリー13号ボートには中国人がおり、ビーズリーこの中国人細野勘違いしたのだという。これによって細野は「名誉回復」されたという。テイラー細野の手記について、読んだ時に体が震えるほどの衝撃受けたといい、また「事故当時乗客心理状態を、これほど的確に描写した記録はほかにはないでしょう」と語っている。 2015年放映NHKの取材対しタイタニック財団理事のボブ・ブラッケンは、正文の隣にいたアルメニア人のフレコリアンの証言正文の手記により10号ボート調べたところ、同ボート定員達せず2人は人を押しのけることなく乗り込んだ判明、同財団1998年会報でこれについて12ページにわたる特集記事組んで公表した答えた一方ジャーナリスト安藤健二細野ビーズリー証言をもとに批判されていたという逸話自体疑問呈している。安藤調査では問題ビーズリー著作『THE LOSS OF THE SS.TITANIC』から日本人に関する証言を見つけることはできず、また当時修身教科書新聞にも細野批判した物は発見されなかった。そもそもタイタニック号沈没事件について触れている教科書1925年発行の『正定 女子副読本 巻二』(金港堂)と『補修教育 現代文読本 後編二』(文光社)だけであり、そこに載っているのはいずれ経済学者和田垣謙三書いたエッセイタイタニック號の沈没」であるが、「日本人一人居たが、これは幸にも助った」とあっさり触れているだけで細野への批判など全く見られない安藤調査確認できたのは事故から何年もたった後に少年向け愛国雑誌義勇青年』(1916年3月号)のインタビューの中で新渡戸稲造細野の名前を出さずにこの事故で女用のボート飛び下り助かった日本人男性がいることを新渡戸稲造が皮肉っぽく語っていることである。明確な細野への批判最初に確認できるのは更に事故からずっと後、細野死んだ後の1954年10月4日の『新潟日報夕刊掲載され洞爺丸事故関連して寄せた早稲田大学教授木村毅寄稿文であるという。しかも新渡戸木村ビーズリー証言をもとに批判しているわけではなく女性子供優先というルールがある中で男性であったのに甲板から降ろされる途中救命ボート飛び乗るという特殊な手段用いて助かった行為批判ないし皮肉ったであった安藤メディアが「名誉回復された」という美談仕立てあげようとして「批判」の存在捏造したではないか推測している。

※この「タイタニック号をめぐって」の解説は、「細野正文」の解説の一部です。
「タイタニック号をめぐって」を含む「細野正文」の記事については、「細野正文」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「タイタニック号をめぐって」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「タイタニック号をめぐって」の関連用語

タイタニック号をめぐってのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



タイタニック号をめぐってのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの細野正文 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS