ゲジヒト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 01:46 UTC 版)
本作の主人公。世界最高水準のロボットの一人で、第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加、治安警察部隊として市街地に潜伏しているテロリストの殲滅にあたった。現在はユーロ連邦・ドイツのデュッセルドルフで数々の難事件を解決するユーロポール特別捜査官ロボットとして活躍。現在の階級は警部。正体不明の殺人犯を追いかける。 2年前に記憶を改竄されており、それが原因となって度々悪夢にうなされたり、フラッシュバックを起こす。殺人犯を追う過程でダリウス14世やアブラー博士に接触し犯人の正体に辿り着くが、捕らえられたホフマン博士の身柄を保障するために見逃す。その後、ペルシャで遭遇したはずの花売りのロボット、モハメド・アリとオランダで再び遭遇。突如、このロボットの放った凶弾の前に倒れた。 形態は人間型。相貌は30代後半と思われるヨーロッパ系の男性で、頭髪はやや薄毛。左手は睡眠ガスを噴射できる銃器、右手はSAAW特殊火器“ゼロニウム弾”の射撃が可能。ボディは特殊合金“ゼロニウム”でできていて、電磁波、熱線を無効化する。その他にも、毒物が混入されていないか成分をスキャンする機能や、乱れた画質を安定させる「画像安定装置」、相手の発言の中に嘘があるかを判別する認識システムなどが搭載され、ルーズベルト曰く『今迄で一番強力な大量破壊兵器』。頭部の骨格が手塚版の顔を思わせるデザインになっている。 捜査の過程で判明した「人殺し」という過去、その事実と共に消されてしまった息子ロビタへの深い愛情、そのことが影響したゲジヒトとヘレナに共通した喪失感。消せない憎しみを抱いてしまった自分自身を恐れ、ハースの兄を憎悪をもって殺害したことを確認した後、同じ立場にあるブラウに意見を求め、過去と逃げずに対峙し、自らの使命を全うすることを望むようになる。更にアトムの遺言であったゲジヒトとプルートゥが同じという指摘から、プルートゥが憎悪に支配されているが元は誰からも慕われる心優しい青年ロボットのサハドだと見抜き、プルートゥとの戦いにおいてゼロニウム弾で無力化したものの破壊命令を拒否してホフマンとの人質交換で見逃した。ロボット刑事として人間やロボットを裁ける立場にないと痛感して辞職もしくは長期休暇を申請するが容れられず、「何故人殺しとして裁かなかった」と上層部を非難。ヘレナと共に再び良き父親であろうとした後、息子ロビタと重ね合わせたアリに撃たれる。自身が撃たれてもなお倒れたアリを心配し、「憎悪はなにも産み出さない」という自身の結論をアトムに託した。 「地上最大のロボット」版 プルートゥを逮捕しようとするロボット刑事。ロボット連続破壊事件の裏で糸を引く黒幕の存在を見抜いており、アトムに事件における裁判での証言を依頼した。電磁波、熱線を無効化する特殊合金(ゼロニウム)でできており(アトムのママが黄金製と勘違いした)胸部に16門のビーム砲を内蔵。素早い動きと、プルートゥの必殺の電磁波攻撃を受け付けず善戦するが隙をつかれて破壊されてしまい、原作での出番はわずか数ページに終わる。『アストロボーイ・鉄腕アトム』ではタワシ警部の部下の警察特殊部隊ARRS隊隊長「デルタ」としてリメイクされ、準レギュラーとなっている。「地上最大のロボット」の回では原作でのゲジヒトと同様ヘラクレスの前に襲われた(『アストロボーイ』版プルートゥの標的はアトムを除いて4人)。 ゲジヒト(Gesicht)とは、ドイツ語で「表情」の意味。
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