アメリカ合衆国の軍需経済統計の歴史的推移
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「アメリカの軍需経済と軍事政策」の記事における「アメリカ合衆国の軍需経済統計の歴史的推移」の解説
ストックホルム国際平和研究所の統計によると、2018年度の世界の軍事に関する総支出は18,220億ドル、2017年度から4.8%増加、2009-2018年の10年間で5.4%増加であり、2018年度の世界のGDPに対する世界の軍事に関する総支出の比率は2.1%である。2018年度のアメリカの軍事費は6,490億ドル(GDP比は3.2%)、世界の軍事に関する総支出に占める比率は36%である。中国の場合は、推計2,500億ドル(GP比1.9%)、世界の軍事に関する総支出に占める比率は14%である。またロシアの場合は、614億ドル(GDP比3.9%)、世界の軍事に関する総支出に占める比率は3.4%である。 Military Balance2020年版によると、2019年のロシアの軍事支出は616億ドル、中国は1811億ドル、アメリカの場合は、6,846億ドルであった。2019年の世界の軍事支出に対するアメリカの比率は39.1%、中国は10.3%、ロシアは3.5%である。 CIA World Fact Book2020年度版(2018年の統計値。但しアメリカは2019年)によると、2018年度の世界のGDPに対する世界の軍事支出の比率は2.14%である。また、アメリカは3.42%、ロシアは3.93%、中国は1.87%である。 アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、1940-2018年年度のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの政府支出の分野別支出と政府支出・GDPに対する比率の推移を見ると、GDPと政府支出に対する軍事支出の比率は、第二次世界大戦時、朝鮮戦争時、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は低下した。 アメリカ政府の行政予算管理局が公開している予算・収入・支出の統計による、1962-2019年度のアメリカの軍需経済と軍事政策#アメリカの軍事支出の分野別支出と軍事支出・GDPに対する比率の推移を見ると、GDPと軍事総支出に対する武器購入費の比率は、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は著しく低下し、GDPや軍事支出の最大の比率を占める要素ではなく、主要な比率を占める要素でもない。 アメリカ政府の国防総省が公開している国防に関する予算・収入・支出の統計による、1940-2018年のアメリカの軍隊・国防総省・軍需産業の雇用者数(但し、軍需産業は2006年まで)の推移を見ると、総人口と就業人口に対する軍人数、軍人数+国防総省の雇用者数、軍需産業の雇用者数、軍人数+国防総省の雇用者数+軍需産業の雇用者数の比率は、第二次世界大戦時、朝鮮戦争時、ベトナム戦争時、冷戦時代の非戦争時と比較して、冷戦終結後は低下した。1943年度 - 第二次世界大戦中 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は667億ドル、GDP1,848億ドルの36.1%、政府支出786億ドルの84.9%。 軍需産業の雇用者は1,336万人、総人口13,674万人の9.8%、就業人口5,447万人の20.6%。 軍人905万人+文民219万人=国防総省の雇用者1,124万人、総人口の8.2%、就業人口の20.6%。 1945年度 - 第二次世界大戦中 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は830億ドル、GDP2,268億ドルの36.6%、政府支出927億ドルの89.5%。 軍需産業の雇用者は1,100万人、総人口13,993万人の7.9%、就業人口万5,282人の16.6%。 軍人1,206万人+文民263万人=国防総省の雇用者1,469万人、総人口の10.5%、就業人口の27.8%。 1949年度 - 非戦争時 - 冷戦初期 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも共和党が多数派軍事支出は132億ドル、GDP2,750億ドルの4.8%、政府支出388億ドルの33.9%。 軍需産業の雇用者は73万人、総人口14,919万人の0.5%、就業人口5,765万人の1.2%。 軍人161万人+文民82万人=国防総省の雇用者243万人、総人口の1.6%、就業人口の4.2%。 1953年度 - 朝鮮戦争中 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は528億ドル、GDP億3,826ドルの13.8%、政府支出761億ドルの69.4%。 軍需産業の雇用者は412万人、総人口16,018万人の2.6%、就業人口6,118万人の6.2%。 軍人356万人+文民130万人=国防総省の雇用者486万人、総人口の3.0%、就業人口の7.9%。 1960年 - 非戦争時 - 冷戦中期 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は481億ドル、GDP億5,344ドルの9.0%、政府支出921億ドルの52.2%。 軍需産業の雇用者は246万人、総人口18,067万人の1.4%、就業人口6,578万人の3.4%。 軍人248万人+文民102万人=国防総省の雇用者350万人、総人口の1.9%、就業人口の5.3%。 1968年度 - ベトナム戦争中 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は819億ドル、GDP億9,000ドルの9.1%、政府支出1,781億ドルの46.0%。武器購入費は233億ドル、GDPの2.6%、軍事支出の28.4%。 研究開発費は77億ドル、GDPの0.9%、軍事支出の9.5%。 軍需産業の雇用者は317万人、総人口20,070万人の1.6%、就業人口7,592万人の3.9%。 軍人355万人+文民123万人=国防総省の雇用者478万人、総人口の2.4%、就業人口の6.3%。 1974年度 - 非戦争時 - 冷戦後期 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は793億ドル、GDP14,685億ドルの5.4%、政府支出2,694億ドルの29.5%。武器購入費は152億ドル、GDPの1.0%、軍事支出の19.2%。 研究開発費は86億ドル、GDPの0.6%、軍事支出の10.8%。 軍需産業の雇用者は186万人、総人口21,385万人の0.9%、就業人口8,679万人の2.0%。 軍人216万人+文民101万人=国防総省の雇用者317万人、総人口の1.5%、就業人口の3.7%。 1978年度 - 非戦争時 - 冷戦後期 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は1,045億ドル、GDP22,717億ドルの4.6%、政府支出4,587億ドルの22.8%。武器購入費は200億ドル、GDPの0.9%、軍事支出の19.1%。 研究開発費は105億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の10.1%。 軍需産業の雇用者は177万人、総人口22,258万人の0.8%、就業人口9,605万人の1.7%。 軍人206万人+文民94万人=国防総省の雇用者300万人、総人口の1.3%、就業人口の3.1%。 1988年度 - 非戦争時 - 冷戦末期 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は2,904億ドル、GDP50,947億ドルの5.7%、政府支出10,644億ドルの27.3%。武器購入費は772億ドル、GDPの1.5%、軍事支出の26.6%。 研究開発費は348億ドル、GDPの0.7%、軍事支出の12.0%。 軍需産業の雇用者は343万人、総人口24,450万人の1.4%、就業人口11,497万人の2.8%。 軍人221万人+文民101万人=国防総省の雇用者322万人、総人口の1.3%、就業人口の2.8%。 1994年度 - 非戦争時- 冷戦終結後 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも民主党が多数派軍事支出は2,816億ドル、GDP72,205億ドルの3.9%、政府支出14,618億ドルの19.3%。武器購入費は618億ドル、GDPの0.9%、軍事支出の21.9%。 研究開発費は348億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の12.3%。 軍需産業の雇用者は246万人、総人口26,033万人の0.9%、就業人口12,306万人の1.9%。 軍人168万人+文民85万人=国防総省の雇用者253万人、総人口の1.0%、就業人口の2.1%。 2000年度 - 非戦争時- 冷戦終結後 - 政府は民主党 - 議会は上院・下院とも共和党が多数派軍事支出は2,944億ドル、GDP101,517億ドルの2.9%、政府支出17,890億ドルの16.5%。武器購入費は516億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の17.6%。 研究開発費は376億ドル、GDPの0.4%、軍事支出の12.8%。 軍需産業の雇用者は243万人、総人口28,216万人の0.9%、就業人口13,689万人の1.7%。 軍人145万人+文民66万人=国防総省の雇用者211万人、総人口の0.7%、就業人口の1.5%。 2003年度 - イラク戦争中 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも共和党が多数派軍事支出は4,047億ドル、GDP122,417億ドルの3.6%、政府支出21,599億ドルの18.7%。武器購入費は679億ドル、GDPの0.6%、軍事支出の16.8%。 研究開発費は531億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の13.1%。 軍需産業の雇用者は329万人、総人口29,011万人の1.1%、就業人口13,774万人の2.2%。 軍人150万人+文民65万人=国防総省の雇用者215万人、総人口の0.7%、就業人口の1.6% 2006年度 - イラク戦争中 - 政府は共和党 - 議会は上院・下院とも共和党が多数派軍事支出は5,218億ドル、GDP137,316億ドルの3.8%、政府支出26,551億ドルの19.7%。武器購入費は898億ドル、GDPの0.7%、軍事支出の17.2%。 研究開発費は686億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の13.2%。 軍需産業の雇用者は360万人、総人口29,838万人の1.2%、就業人口14,173万人の2.4%。 軍人146万人+文民66万人=国防総省の雇用者212万人、総人口の0.7%、就業人口の1.5% 2011年度 - イラク戦争中 - 政府は民主党 - 議会は上院は民主党、下院は共和党が多数派軍事支出は7,056億ドル、GDP153,391億ドルの4.6%、政府支出36,031億ドルの19.6%。武器購入費は1,280億ドル、GDPの0.8%、軍事支出の18.1%。 研究開発費は749億ドル、GDPの0.5%、軍事支出の10.6%。 軍人150万人+文民77万人=国防総省の雇用者227万人、総人口31,156万人の0.7%、就業人口13,987万人の1.6%。 2018年度 -対ISIL戦争中 - 政府と上院・下院とも共和党が多数派軍事支出は6,311億ドル、GDP203,580.223億ドルの3.1%、政府支出41,090億ドルの15.4%。武器購入費は1,127億ドル、GDPの0.6%、軍事支出の17.9%。 研究開発費は770億ドル、GDPの0.4%、軍事支出の12.2%。 軍人140万人+文民73万人=国防総省の雇用者213万人、総人口32,669万人の0.7%、就業人口16,351万人の1.4%。 アメリカの政府支出に対する軍事支出の比率が50%以上だった年度は1942年度 - 1946年、1951年 - 1961年であり、40%以上だった年度は1941年・1962年 - 1970年であり、30%以上だった年度は1947年 - 1950年、1971年 - 1973年であり、1974年 - 1990年は20%台で推移し、1991年 - 2019年は最小15.0% - 最大21.6%の範囲内で推移している。 CIA World Fact Book2020年度版によると、2017年のアメリカのGDPの産業別構成比は、農畜林水産業が0.9%、製造・建設・採掘・輸送業・技能職が18.9%、商業・サービス業が80.2%であり、2009年の就業人口の産業別構成比は、農畜林水産業が0.7%、製造・建設・エネルギー資源業が20.3%、管理職・専門職・技術職は37.3%、営業・事務職は24.2%、その他サービス業が17.6%である。 注 - GDP、政府支出、軍事支出の金額は当該年度の通貨額ベース。 注 - 議会の多数派は当該会計年度(前年10月 - 当年9月)予算を作成した当時(当年1月3日まで)の構成。 注 - データの引用元はこのページ下部の出典に集約して記載。
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