な◦む
[連語]《完了の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む(ん)」》
1 推量を強調する意を表す。きっと…だろう。…にちがいない。
「世の中の憂きたびごとに身を投げば深き谷こそ浅くなり—◦め」〈古今・雑体〉
「この御方々のすげなくし給はむには、殿の内には立てり—◦むはや」〈源・常夏〉
4 適当・当然を強調して表す。…てしまうのがよい。…のはずだ。
「それ(=スグレタ文才)もすたれたる所のなきは、一生この事にて暮れにけりと、つたなく見ゆ。今は忘れにけり、と言ひてあり—◦ん」〈徒然・一六八〉
なむ
なむ
[係助]《上代の係助詞「なも」の音変化。「なん」とも》名詞、活用語の連用形・連体形、副詞、助詞に付く。
「夜半(よなか)うち過ぐるほどに—、絶えはて給ひぬる」〈源・桐壺〉
2 (文末で)上の事柄を強く示すとともに余情を残す意を表す。…てねえ。
[補説] 中古の散文、特に会話文で多く用いられた。文中にある場合、これを受ける活用語は連体形となるのが原則である。ただし受ける語が接続助詞を伴って下に続く場合は、連体形で結ぶとは限らない。また、2のように結びが省略されることもある。同じ係助詞の「こそ」や「ぞ」に比べて語勢は弱いといわれる。
[終助]《上代の終助詞「なも」の音変化》動詞型活用語の未然形に付く。他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。…であってほしい。
な・む【▽並む】
なむ【南無】
な・む【×嘗む/×舐む】
南
姓 | 読み方 |
---|---|
南 | なむ |
なむ
出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:46 UTC 版)
動詞
活用
マ行下二段活用 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
な | め | め | む | むる | むれ | めよ |
助動詞
なむ
活用
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | なむ | なむ | なめ | ○ |
助詞
なむ
係助詞
終助詞
連語
- 実現の推量を表す。きっとしてしまうことだろう。するにちがいない。
- 意志を表す。することにしよう。
- 可能の推量を表す。することができるだろう。
- 適切・当然を表す。するのがよい。するはずだ。
- 勧誘を表す。したらどうか。
同音異義語
なむ
- 【南無】
「なむ」の例文・使い方・用例・文例
- 彼の急死は彼女の生活に大きなむなしさを残した
- あの人はいつも怒っているようなむっとした顔をしている。
- 私も酒はたしなむ程度である。
- 私も酒は少したしなむ程度である。
- 彼はジャズをたしなむようなタイプではない。
- 彼は時々ワインをたしなむが、たいていはウイスキーを飲む。
- 時々ウイスキーを少しずつたしなむ.
- そのようなむごい仕打ち(を受けると)は意外だった.
- 彼女はクラシックをたしなむようなタイプの娘ではない.
- そんなむちゃくちゃを言うのは止めなさい.
- 茶の湯や俳諧をたしなむには佗びの心を理解することが大切である.
- 世をはかなむ
- 世をはかなむ人
- 切りさいなむ
- 哲学のようなむつかしいものには手を出さぬ
- どんなむつかしい本でも読める
- この事実はいなむことができぬ
- おほし立てなむ
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