『ジンクス・ショップへようこそ』の登場人物
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「ブギーポップシリーズの登場人物」の記事における「『ジンクス・ショップへようこそ』の登場人物」の解説
楢崎 不二子(ならさき ふじこ) 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』『ソウルドロップの幽体研究』 ある資産家の娘で、街でオキシジェンの能力を目の当たりにして商売に使えないかと考え、「〜するとよい」「〜してはいけない」といったジンクスを売る店を開く。上遠野の他シリーズ作品である『ソウルドロップの幽体研究』にも名前が登場している。 柊(ひいらぎ) / オキシジェン 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』『ビートのディシプリン』『酸素は鏡に映らない』『ヴァルプルギスの後悔』 統和機構の中枢(アクシズ)と呼ばれる存在。その立場と反し、酸素のように存在が希薄で人に認知されないことが多い。無感情で機械的を通り越して空気のような話し方をする。酸素を「生命が存在する上で絶対不可欠な要素である」と同時に、広大な宇宙空間で天文学的な確率で生物を発生させる要因を担った「劇薬」と定義しており、それを象徴する存在である。 自然に偏在する運命の糸そのものを視る事が出来る能力を持つ。一種の未来予知能力だが(正確には近い未来に起こるはずの事象を現在に引き寄せる力)、百発百中というわけではなく、加えてMPLS能力でありながら世界に変革をもたらさない力であるため、本人は最も無意味なMPLSであると評している。それでも「統和機構は全世界を支配している」という幻想を作り出し、実際に統和機構を統和機構たらしめている能力でもある。通常の未来視であれば可能性を全て潰すという対策が成せるが、オキシジェンは運命を自ら紡ぎ出す事は出来ない代わりに選択操作(因果律操作)が可能で、婉曲的になっても自分の望む形の未来へと繋げる事ができる。これは自衛や攻撃にも利用可能で、敵意を持って攻撃された場合、その規模に応じて運命操作が発動、攻撃相手のカウンター攻撃に用いられる。事象の規模は数十億分の一程度から、天文学的確率までと幅広い。 肉体そのものは既に死んでおり、MPLS能力と魂によって中枢としての運命のみで生きている。次期中枢を探しており、末真和子を最有力候補として選び出した。ブギーポップの存在を認識しているものの面識は無い。 髪型はゲゲゲの鬼太郎のようだと作中で評されている。初登場時は茶髪だが、『酸素は鏡に映らない』では黒髪になっている。 カレイドスコープ 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』『ビートのディシプリン』『酸素は鏡に映らない』『ヴァルプルギスの後悔』『パニックキュート帝王学』 現在の中枢、オキシジェンの身を守る為に存在する合成人間。自らの解像度を変化させる<カレイドスコープ>の能力を持つ、システムでも最も強力なエージェントの一人。常に中枢に付き従っている為「副王」と綽名される存在。また、特徴として左右の目の色が違う(金銀妖眼。作中の描写では右目が黒、左目が青)。それを隠すために、常にサングラスを掛けている。 能力は「万華鏡」の意味を持つ自身のコードネームと同一のもので、皮膚細胞の振動から空気を操作する能力。それを直接的な攻撃ではなく、光の屈折変化、体臭や音の斜断、足跡の偽装などに用いて自身の姿を完全に消し去る。中枢を守護する事に完全特化したものであるが、消えた状態での暗殺も勿論可能となっている。 『パニックキュート帝王学』ではパニックキュートの死を受け入れられず暴走するマロゥボーンを追跡中、窮地の末真和子を救出する。 伊東谷 抄造(いとうや しょうぞう) / シェイム・フェイス 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』 楢崎家に仕える家令。相手が自分に向ける気配、視線を跳ね返す<シェイム・フェイス>の能力を持つ。跳ね返された相手はただひたすらに自分が自分であることがどうしようもなく恥ずかしくなる。また特殊な呼吸法を習得しており、それによって一時的に身体能力を増強することもでき、先の能力と合わせて隙だらけになった相手を駆逐する。ブギーポップ共々ギミー・シェルターの罠に嵌められ、動死体(ゾンビー)に囲まれる事になるが、ギミー・シェルターを発見させるためにブギーポップとの共同戦線を解除し、命を落とす。最後まで、主である不二子の事を気にかけていた。 澄矢 雅典(すみや まさのり) / ホワイト・ライアット 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』『ビートのディシプリン』 統和機構の対立組織の一員。相手の焦燥感の歯止めをなくす<ホワイト・ライアット>の能力を持つ。ブギーポップ曰く戦闘能力や生き方の方向性など“世界の敵”の典型と言うべき存在。 小宮山 愛(こみやま あい) / スイッチスタンス 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』 血液を付着させた他人の意思、精神力を奪い操る<スイッチスタンス>の能力を持つティッシュ配りの女性。統和機構の頂点に立とうと画策し、オキシジェンの意思を奪おうとする。その際、彼の精神に接触して世界の在り方の真相を知り、その事実に絶望してデパートの屋上から墜落、仲村紀美香を巻き添えにして死亡した。オキシジェン曰く世界の支配者という自称に対して精神がまるで釣合ってない小物。彼女の転落死はオキシジェンの観測する因果律の範囲内だった。 仲村 紀美香(なかむら きみか) / ギミー・シェルター 登場作品:『ジンクス・ショップへようこそ』『酸素は鏡に映らない』 相手の体に自らの頭髪を植え付ける事で相手の精神、ひいては肉体、生死をも支配する<ギミー・シェルター>の能力を持つ女子高生。能力が貧弱であるが故に、自己防衛意識が常人の何倍も高く常に自分を護ることを考えている。彼女にとって自分の身を護ることがすべてにおいて優先され、自分の身を護るためなら家族友人身内を含むすべての人間を平気で切り捨てる。激化する統和機構とMPLSの抗争から身を護るため、彼女の自己防衛意識は誰にも気付かれない場所でひっそりとしかし確実に、世界すら飲み込む勢いで膨れ上がっていた。 "世界の敵"である事を自覚し、自らの能力で様々な人間を操り、自分に危険が降りかかる前に排除しようとしていたが、伊東谷の犠牲的な行動によってブギーポップに発見され、考えられる限りの防御策を根こそぎ潰されて満身創痍の状態で追い詰められる。最後は能力が消え去ったため、ブギーポップからは見逃されたが、既に彼女の命運は尽きており、後にデパート屋上から墜落してきた小宮山愛の巻き添えとなり命を落とした。 その際、ビルの屋上で小宮山と戦っていたオキシジェンは小宮山が一人で転落死する未来を予知していたものの、その未来から外れた“因果律の上でありえない巻き込み事故”に遭遇、小宮山の体に潰された仲村の死を目撃したことで死神の存在を確信することとなる。
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