「条件電話」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:37 UTC 版)
「すみからすみまで角淳一です」の記事における「「条件電話」」の解説
『すみから』シリーズの核を為したリスナー参加のコーナー。コーナーの性質上、正式なタイトルもタイムテーブルへの記載もなかったが、一般には「条件電話」という通称で知られている。 「たくさんの人からの電話より、たった1本の貴重な情報」を求めるべく、今までと違った方針を考えた結果、ひとひねりしたテーマで聴取者からの電話を受け付けた。主にその日のニュースや時事ネタをきっかけに、ありえないような話、小説のような本当な話を放送した。「条件電話」という通称は、当初設定していた「条件」に見合う電話が入らない場合に、「条件1」「条件2」という方法でテーマを細かく増やしていたことによる。通常の放送では、前述のオープニングトークで「条件1」を告知した後に、基本として放送中に「条件2」まで募集。ただし実際には、「条件3」まで設けることが多かった。ちなみに、テーマの設定に困った場合には、「卑近なニュースが多い」という理由で『産経新聞』大阪本社発行版朝刊の記事を基にテーマや「条件」を決めていたという。 生放送中に寄せられたエピソードのうち、角が気になった内容については、番組スタッフがメッセージを寄せたリスナーに随時電話。角と電話をつないだうえで、その内容を詳しく聞いていた。その際、番組アシスタントが「すみからすみまで電話です」と言ってから電話のベルが鳴り、角がどの条件の電話かを紹介してから、リスナーと話を始めていた。なお、15時台の最初には、「角淳一の昼はもしもし」とのタイトルで放送。番組のエンディングには、それぞれの条件でリスナーより掛かってきた電話の件数を紹介していた。 第1回放送での「条件」は、「昨日(放送前日)に後楽園球場であった巨人対阪神の開幕戦で、掛布雅之(当時・阪神内野手)の3ランをレフトスタンドで目撃した方」。放送直近に発生した事件・事故から「条件」を設けた場合には、毎日放送のアナウンサー・記者による中継・電話レポートを入れたり、事故の目撃者や事件の当事者の知り合いなどから電話で証言が寄せられたりすることもあった。 毎日放送の系列局・北海道放送(HBCラジオ)が運営する北見放送局の地域別番組用ラジオスタジオ(現在は番組制作を休止)からMBSラジオ・HBC北見放送局向けの生放送を実施した日には、「阪神ファンである北見放送局のリスナー」という「条件」で電話を呼び掛けたところ、角や当番組を知らないはずのリスナーから数本の電話を受けた。湾岸戦争の開戦中には、角の部下であったアナウンサーをヨルダンに派遣したうえで、現地の街頭にある公衆電話の番号をメモに控えるように依頼。エジプトからの留学生を当番組のスタジオで待機させるとともに、角が放送中にその番号へ国際電話をかけることによって、偶然電話を受けた現地の住民から実情や本音を聞き出していた。角によれば、世界各地に派遣されている商社マンの夫人からの電話は、「リアルな市場情報」を知るうえで大いに重宝したという。 1987年11月26日の放送では、「リンゴに乳酸菌を増やす働きがある」というコラムを基に、「りんご園のお嬢さん お電話ください」という「条件」でメッセージを募集。その結果、「実家が秋田県でりんご園を営んでいる」という大阪府在住の既婚女性から、旅先の十和田湖で出会った山口県岩国市出身の男性と「遠距離文通」の末に結婚へ至ったというエピソードが紹介された。このエピソードに感銘を受けた角は、1989年に八曜社から番組本を刊行する際に、放送当時の「条件」をそのままタイトルに採用(#番組本で詳述)。同書の冒頭には、放送当時のやり取りを書き起こした内容が載せられている。また、この「条件」は後年、「台風が青森県を通過した影響で、現地のりんご園で収穫間近だったリンゴが落果した」という報道があった直後の放送でも提示。MBSラジオの番組の受信が困難なはずの同県の住民が、「りんご園の取材に関する問い合わせ」のつもりで、本当に電話をかけてきた。 番組末期の1998年には、角が毎日放送本社(大阪市北区茶屋町)の南隣にある梅田ロフトでアランジアロンゾの展覧会をたまたま見たことをきっかけに、「『アランジアロンゾ』の意味を知っている方」という条件でリスナーからの情報を募集。その結果、かつて梅田ロフトに勤務していた奈良県在住のリスナーから、アランジアロンゾが「ちちんぷいぷい」を意味するかのような情報を得た。角はこの情報をきっかけに、翌年から司会を務めることが内定していたMBSテレビの情報番組を、自ら『ちちんぷいぷい』と命名している。なお、アランジアロンゾは同番組のキャラクターデザインを手掛けているが、「アランジアロンゾ」の本当の意味は「さあ行こう、アロンゾ」である。
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