《郵便小為替》の正しい読み方
「郵便小為替」の正しい読み方
「郵便小為替」の正しい読み方は「ゆうびんこがわせ」で、単語に分解すると「郵便(ゆうびん)」「小(こ)」「為替(かわせ)」である。「郵便」は音読みで「ゆうびん」、「小」は訓読みで「こ」だが、「為替」は「為」の音読みが「イ」、訓読みが「ため」「な」「おさ」「しわざ」「た[り]」「つく」「れ[る]」「し[む]」「おも」で、「替」の音読みが「タイ」、訓読みが「か[える]」「か[わる]」「すた」「や」であり、音訓をそのまま組み合わせても「かわせ」とはならない。「為替(かわせ)」の読み方は「熟字訓」と言い、「熟字訓」とは漢字1文字ずつの読みを用いるのではなく、熟字(2文字以上の漢字の組合せ)に訓読みを当てはめる読み方である。「郵便小為替」の意味解説
1871年東京−大阪間で官営の郵便事業が開始され、1875年には郵便為替事業が開始された。「郵便小為替」とは1885年から実施された少額の送金に用いる郵便為替の一種で、現在の「定額小為替」に相当する。1951年に通常為替と統合され普通為替となった。「為替」とは現金の代わりに金銭の受渡しを済ませる仕組みである。例えば、通常現金は現金書留でしか郵送できないが、現金を「小為替証書」に換えれば普通郵便で送ることができる。具体的には、A氏が遠方のB氏に現金を渡したい場合、まずA氏が身近な郵便局で現金と引き換えに小為替証書を発行してもらい、その小為替証書をB氏に郵送する。次に郵便で小為替証書を受け取ったB氏が、B氏の身近な郵便局において小為替証書と引き換えに相当の現金を受け取る、といった例が挙げられる。
なぜ「郵便小為替」と読むのか・理由
「郵便小為替」の「郵便」は音読みの「ゆうびん」、「小」は訓読みの「こ」であるが、「為替」という熟字を「かわせ」と読むようになったのは、中世の「為替と類似する経済行為」で用いられていた「かわし」という音が「かわせ」に変化していき、それを「為替」という熟字に当てはめたためであると言われている。「かわせ」が「がわせ」となるのは、連濁のルールと言い、単語と単語が連結する際、後ろの語の語頭が濁音に変化するためである。他の例では、「歌声(うたごえ)」「青空(あおぞら)」などがある。なお、鎌倉時代以降の中世で「為替」という漢字はほとんど用いられておらず、銭を対象とする取引きは「替銭(かわし・かえぜに・かえせん・かわしぜに)」、米を対象とする取引きは「替米(かえまい・かわしまい)」、為替証書は「割符(かわし・さいふ・わりふ)、切符(きつぷ)、切紙(きりがみ)」などと呼ばれていた。江戸時代以降は、為替が本格的に発達して現代とあまり変わらない形態となり、「江戸為替」「上方為替」など主に「為替」という漢字が用いられるようになった。
「郵便小為替」の類語・用例・例文
「郵便小為替」の類語は、「郵便為替」「小為替」「定額小為替」などである。「郵便小為替」の用例・例文は次のとおり。・郵便小為替証書に付ては六十日とす〈郵便為替法18条/1900〉
・郵便小為替証書の有効期間は〈郵便為替法10条/1900〉
・郵便小為替制度は、フランスにおいて1817年に初めて創設された〈日本大百科全書〉
・郵便小為替にて証書面のとほりお送り申候へども〈樋口一葉「ゆく雲」/1895〉
・是迄郵便局にて取扱はれ来る郵便小為替受払の事務を〈東京日日新聞/1889年5月2日〉
・五円・拾円と郵便小為替を封入してくる事もあった〈石坂洋次郎「桜だより」/1939〉
・その郵便局において、差し出された現金の額を表示する郵便小為替証書を発行して〈郵便為替法の一部を改正する法律/1961〉
・12種類の定額郵便小為替証書を発行いたします。〈ゆうちょ銀行〉
・現金を定額郵便小為替証書に換えて送付する送金方法です。少額の送金に便利です。〈ゆうちょ銀行〉
「郵便小為替」の英語用例・例文
「郵便小為替」は英語で次のように表記する。「postal note(郵便手形・郵便小為替・郵便為替・小為替・為替)」「postal money order(郵便為替)」「postal order(郵便為替)」「money order(為替、郵便為替)」。用例・例文は次のとおり。
・All remittances should be made by postal note.(送金は郵便小為替にするべきだ。)
・Do you know a postal money order by which a small amount of money could be easily sent?(少額のお金が簡単に送れる郵便小為替を知っていますか?)
・I'd like a postal order for ten dollars.(10ドル分の郵便小為替をください。)
・He hand delivered the worker a postal money order.(彼は郵便小為替を労働者へ手渡した。)
《郵便小為替》の正しい読み方
「郵便小為替」の正しい読み方
「郵便小為替」の読み方は「ゆうびんこがわせ」である。「郵便(ゆうびん)+小為替(こがわせ)」と分割して把握すれば読みやすい。「郵便小為替」の意味解説
郵便小為替は、いわゆる郵便為替(郵便局を通じて遠方へ送金する方法)のうち、特に少額の金額を扱う制度である。1948年に公布された郵便為替法に基づき設置された。郵便局等の窓口を通じて、簡単かつ確実に送金サービスを提供するとともに、円滑な経済活動を支えることを目的としている。現金を遠方へ直接送るリスクを避けることができるメリットがある。国営の為替制度はフランスで1817年に初めて実施され、日本では1974年の郵便為替規則制定にともない1975年より実施された。2007年の郵政民営化後は、ゆうちょ銀行が同様のサービスを担っている。郵便小為替(定額小為替)は、少額の送金をする際に利用され、高額の場合は普通為替を利用する。送金の際は、ゆうちょ銀行または郵便局の窓口で、送金したい金額に手数料を加えた金額を提出することで、定額小為替証書が発行される。証書に受取人の氏名を記入し、受取人へ送付する。受け取った側は、証書をゆうちょ銀行または郵便局へ持ち込むと、表示された額の現金を受け取ることができる。なお、現金を封筒やレターパックに入れて郵送することはできない。そのため、郵便で現金を送りたい場合は、郵便為替や現金を直接送ることができる現金書留を使う必要がある。
為替の起源は鎌倉時代にある。中小の御家人が遠方の所領から金銭や米を持ち込まずに、有力御家人の年貢の運送に便乗して、拠点である鎌倉において金銭や米を受け取るシステムとして為替が生まれた。この当時は、金銭だけでなく米も為替の対象であったことが分かる。
なぜ「郵便小為替」と読むのか・理由
為替は、『かわす(交わす)』からきており、現金と手形を交換することを示している。中世には『かわし』と言われ、江戸時代より『かわせ』が使われるようになった。『為替』は当て字で、『かえる(替える)』を『する(為る)』つまり『取り替えることをする』という意味、あるいは『かえる(替える)』を『なさしむ(為さしむ)」、つまり『取り替えさせる』という意味にもとることができる。為替は英語のmoney orderの訳で、福沢諭吉が作った言葉だという説もある。- 《郵便小為替》の正しい読み方のページへのリンク