《都合が良い》の敬語
「都合が良い」の敬語表現
「都合が良い」は、相手の都合の良さを表現する場合と、自らの都合の良さを説明する場合の2通りに分かれます。そして、敬語表現はその状況によって大きく異なります。目上の相手の都合が良いことを表現する時には、「ご都合がよろしい」という表現が望ましいです。「都合」に丁寧を意味する接頭語「ご」を付け足し、「良い」を丁寧な形の「よろしい」に変えた形です。自らの都合の良さを説明する場合には、「~日は空いております」という形にすると良いでしょう。また、目上の相手から都合が良いかどうかを聞かれた時、それに答える形の場合は、「その日程で問題ございません」という敬語表現が使えます。単純に丁寧な形にした「都合が良いです」という表現も可能ですが、砕けた表現となるため、目上の人に対する敬語としてはあまり好ましくありません。
「都合が良い」の敬語の最上級の表現
目上の人の都合の良さを表す場合、最上級の敬語表現はそのまま「ご都合がよろしい」を使用して問題はありません。あくまでも丁寧語ですが、「良い」には尊敬語表現がないため、「ご都合がよろしい」よりも強い尊敬の意味を持った表現はありません。自らの都合の良さを示す場合も、一般的な尊敬表現である「~日は空いております」「その日程で問題ございません」などが、最上級の敬語表現になります。「空いております」の「おります」は謙譲語であるため、目上の相手に対する強い敬意を示すことができます。また、「問題ございません」の「ございません」は、あくまでも丁寧語ですが、強い敬意を示せる表現です。そのため、「空いております」を「問題ございません」に置き換えても、相手の印象が悪くなることはないでしょう。そして、「~日は空いております。よろしくお願いいたします」「その日程で問題ございません。心待ちにしております」という風に、他の謙譲語表現と組み合わせる形で、より強い敬意を示すという方法もあります。
「都合が良い」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
目上の人の都合が良いことを、ビジネスメールや手紙で使用する場合、「その日は、お客様のご都合がよろしいと伺っております」「予約数に余裕がございますので、お客様のご都合がよろしい日をお選びになってくださいませ」といった形です。そして、自らの都合の良さを示す場合は、「打ち合わせの予定ですが、今週末であれば空いております」「イベントの予定表を受け取りました。どの日程でも問題ございません」のような表現となります。「都合が良い」を上司に伝える際の敬語表現
上司に対して、他の目上の人の都合の良さを伝える場合、「ご都合がよろしい」を使用する形で問題はありません。「お客様のご都合は、~日がよろしいそうです」「懇親会の日程ですが、いつ頃であればご都合がよろしいですか」といった表現にすると良いでしょう。自らの都合の良さを表す場合は、一般的な敬語表現である「空いております」「問題ございません」が望ましいです。特に、立場が離れている上司が相手の場合、「おります」や「ございます」が含まれた、かしこまった表現を使用した方が無難です。ただ、ある程度距離が近い上司に対しては、「都合が良いです」という表現の方が合っている場合があります。さらに、「その日程で大丈夫です」という表現が使える可能性もあります。「その日程で大丈夫です」は、目上の人に対する敬語としては好ましくありません。しかし、丁寧語ではあるため、砕けた表現が必要な場合には有効的です。
「都合が良い」の敬語での誤用表現・注意事項
「都合が良い」の敬語表現は、目上の人の都合の良さを表現する場合と、自らの都合の良さを説明する場合で、形が大きく異なります。そのため、混同してしまわないように注意が必要です。特に、「ご都合がよろしい」という表現を、自らの都合の良さを示すために使用しないようにしましょう。自らの都合の良さを示す際に、「私のご都合がよろしい」のような表現にすると、相手に対して上から目線の印象を与えてしまいます。「よろしい」という表現は、あくまでも目上の人にとって良いことを示すために使います。また、自らの都合に「ご」を付けることもありません。そして、相手の都合の良さを表現する際に、謙譲語を使用しないように注意しましょう。「お客様の日程は~日が空いております」という表現は、文法として間違っています。
「都合が良い」の敬語での言い換え表現
「都合が良い」の敬語には、「都合がつきます」という表現もあります。「都合が良いです」に近い形ですが、「都合が良いです」よりもかしこまった印象を与えられるでしょう。そのため、ビジネスシーンでも使用できる場合が多いです。そして、目上の人の都合の良さを表現する場合は、「ご都合がつきます」という形にします。そして、「その日程で問題ございません」に近い敬語としては、「申し分ございません」という表現があります。「問題ございません」よりも表現であるため、かしこまった場面では「申し分ございません」を使用すると良いでしょう。ただ、「申し分」には、謙譲語の意味合いは含まれていません。「申す」という言葉は「言う」の謙譲語ですが、「申し分」はあくまでも丁寧語です。そのため、「申し分ありません」では、相手に対する尊敬の度合いが低くなってしまいます。したがって、「申し分ありません」ではなく、「申し分ございません」を使用するようにしましょう。
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