《重版出来》の正しい読み方
「重版出来」の正しい読み方
「重版出来」は、「じゅうはんしゅったい」と読む。主に出版業界で使用される言葉であり、読み方も含めて一般的にはあまり知られていない言葉である。そして、正確には「じゅうはんしゅったい」であるけれども、「じゅうはんでき」と読む場合もある。それは「じゅうはんしゅったい」という読み方が特殊すぎるため、伝わらないことが多いからである。そのため、間違いであるとわかっているけれども、伝わりやすさを重視して、あえて「じゅうはんでき」と読む人はいる。「重版出来」の意味解説
出版業界では、初版として、売り上げが見込めそうな数を出版する。その後、初版の売り上げが好調であれば、さらに重版をかけ、売り上げを伸ばしていくという形式となっている。その重版がかかること、そして、重版分が完成することを「重版出来」と呼ぶ。「重版」は初版より後の発行分であり、「出来」は「でき上がる」という意味を持つ。そのため、「重版出来」は「重版が出来上がる」という意味となる。基本的に重版分は、初版分とほとんど同じ内容となり、異なるのは刷数など事務的な部分のみである。したがって、シリーズ物で続編が出せたり、文庫化できたりすることは「重版出来」とは呼ばない。なぜ「重版出来」と読むのか・理由
「重版出来」の「重版(じゅうはん)」は、世間に広く浸透している読み方である。しかし、「出来」を「しゅったい」と読むのは、非常に特殊な例である。ただ、元々「出来」には、「しゅったい」という読み方はあり、「出来(しゅつらい)」という読み方が由来となっている。「しゅつらい」が訛って「しゅったい」となった形だ。「出来(しゅつらい)」は「出で来る」という意味の言葉であり、音読みとして特に問題はない。そして、「出で来る」という意味が、「新しいものが完成してやってきた」と解釈された形である。「重版出来」の類語・用例・例文
「重版出来」の具体的な使用例は、「あの作家の新作は予想を超える売り上げを記録したため、すぐさま重版出来となった」「新人作家は重版出来となるように頑張った方が良い」という風になる。重版が完成したことを意味する場合は、「今日から重版出来分が店頭に並ぶ」「印刷所の奮闘によって重版出来が実現できた」となる。「重版出来」の類語としては「増刷出来」がある。「増刷」は「重版」と同じ意味の言葉であり、「増刷出来」は、初版より後の分を出せるようになったり、その分が完成したりしたことを表現するために使用できる。「増刷出来」以外の類語は特にないため、別の表現をするのであれば、「重版がかかった」「増刷分が完成した」という形となる。「重版出来」の英語用例・例文
「重版出来」を英語で表現する場合、「重版」を意味する「Reprint」を使用する。そして、「重版出来」の意味合いに合わせて、前後の単語を駆使しながら表現をする。「初版分の重版出来ができる」という表現をする場合は「The first edition can be reprinted」となる。「重版出来」を重版分が完成したという意味で使用するのであれば「The reprinted has been arrived(重版出来分が届いた)」という表現となる。- 《重版出来》の正しい読み方のページへのリンク