《銀杏》の正しい読み方
「銀杏」の正しい読み方
「銀杏」の正しい読み方は、「いちょう」または「ぎんなん」である。「銀」は音読みでは「ぎん」と読む。訓読みは「しろがね」で、常用漢字表にはない読み方だ。「杏」は音読みで「きょう」、「あん」と読む。訓読みは「あんず」である。「銀杏」の意味解説
「銀杏」を「いちょう」と読む場合には、中国原産のイチョウ科の落葉高木を指す。扇形の葉を持ち、秋には黄色く色付く。雌雄異株という特徴を持つ。街路樹として多用され、材は碁盤や将棋盤に利用される。「いちょう」の形をした鏃(やじり)のことも「いちょう」と呼ぶ。「銀杏頭」(いちょうがしら)は江戸時代の男性の髪型で、これを省略したものも「いちょう」である。「いちょう」の葉を図案化した紋所も「いちょう」だ。「ぎんなん」と読む場合は、「いちょう」の木の種子の意味で食用である。なぜ「銀杏」と読むのか・理由
「いちょう」と読む場合は、中国で銀杏を「鴨脚」と書いて「ヤーチャオ」と発音していたことから来ているとされる。「いちょう」の発音は「ヤーチャオ」が変化したものだ。「ぎんなん」は、「銀」の音読み「ぎん」と「杏」の音読み「あん」から来ている。「ぎんあん」の音が変化して「ぎんなん」となった。「銀杏」の類語・用例・例文
「銀杏」の類語は「公孫樹」・「鴨脚樹」で、どちらも「いちょう」と読む。「いちょう」の用例には芥川龍之介の「年末の一日」に、「大銀杏の葉の落ち尽した墓地は不相変きょうもひっそりしていた」がある。同じ芥川龍之介の作品「少年」では、「まだ野分の朝などには鼠小僧の墓のあたりにも銀杏落葉の山の出来る二昔前の回向院である」のように使われている。「いちょう」は、「秋になると銀杏が黄葉して、街路樹は写真映えするスポットになる」などのように使える。「ぎんなん」の用例としては宮本百合子の「金色の秋の暮」に、「境内宏く、古びた大銀杏の下で村童が銀杏をひろって遊んでいる」の一文がある。例文は「銀杏の殻は硬くて、内側の食べられる部分を取り出すのが大変だ」などだ。「銀杏」の英語用例・例文
「いちょう」の英語は「ginkgo」である。「ginkgo」の用例は「the act of cutting vegetables into a ginkgo leaf shape」(野菜を銀杏の葉の形に切る行為)が、EDR日英対訳辞書に記載されている。例文は「When the ginkgo leaves fall in autumn, the ground becomes like a yellow carpet」(秋になって銀杏が落葉すると、地面は黄色い絨毯のようになる)などである。「ぎんなん」の英語は「ginkgo nut」だ。用例は、浜島書店 Catch a Waveの「The ginkgo nut crop is plentiful this year」(ギンナンの収穫高が今年は多い)などである。「ginkgo nut」には、「When I was a child, I used to go to the nearby temple to pick up ginkgo nuts」(子供のころは、近所のお寺に銀杏を拾いに行ったものだ)などのような例文がある。《銀杏》の正しい読み方
「銀杏」の正しい読み方
「銀杏」の読み方は「いちょう」または「ぎんなん」である。樹木のイチョウを指す場合には「いちょう」と読むことが多く、そのイチョウの実を特に指す場合には「ぎんなん」と読むことが多い。
「銀杏」の意味解説
「いちょう」はイチョウ科の落葉高木。「ぎんなん」はいちょうの実。イチョウには雄木と雌木があり、ギンナンが生るのは雌木のみである。毎年9月頃から11月中頃まで収穫期になる。
なぜ「銀杏」と読むのか・理由
「銀杏」の「杏」は「あん」「きょう」と読む漢字。「杏」単体では「なん」「ちょう」と読むことはできない。「ぎんなん」と読むのは連声と呼ばれる読み方。連声とはア行・ヤ行・ワ行で始まる語がm・n・tを末尾に持つ語に結びついたとき、発音しやすくするために後ろの語(ア行・ヤ行・ワ行)がマ行・ナ行・タ行に変化すること。「銀杏」の場合、「銀」がnを末尾に持つ語で、「杏」がア行で始まる語となる。「杏」がア行からナ行に変化し、「ぎんなん」と読まれる。また、「いちょう」と読むのは熟字訓という読み方。2字以上の漢字の組み合わせに訓読みをあてた読み方となる。「銀杏」の類語・用例・例文
「銀杏」の類語は「イチョウ」「鴨脚樹」「公孫樹」。- 《銀杏》の正しい読み方のページへのリンク