《鍼》の正しい読み方
「鍼」の正しい読み方
鍼の正しい読み方は「はり」である。これは鍼の訓読みであるが、この一文字を単独で使用する際は必ず「はり」と読むと考えて良い。「鍼」の意味解説
鍼とは、治療のために使用される金属製の細長く鋭い器具のことである。体の表面にあるツボに刺すことで、筋肉をほぐしたり、血行や代謝を促したりできるとされる東洋医学だ。医術としての歴史はかなり古い。数千年前に中国で生まれたとされ、最初は石の鍼だったという。文明の発達とともに鉄の鍼が使用されるようになり、日本には6世紀ごろに伝来した。素材にはステンレス製、金・銀製、アルミ製などがあり、一般的にはステンレス製が使用されている。太さにも種類があり、刺す部位や症状の具合によって使い分ける。細いものでは髪の毛ほど。「鍼管」と呼ばれる筒状の補助具を使用する方法がよく知られている。同じくツボを刺激して治療を行う「灸(きゅう)」と合わせて語られることが多い。鍼と異なり、肌の上でもぐさを燃焼させてツボを刺激するもの。いずれの治療も「はり師」「きゅう師」という国家資格が必要である。なぜ「鍼」と読むのか・理由
音読では「しん」と読むが、一般的に「はり」と呼ばれる。「針」の旧字体であり、布を縫い合わせるための細い器具を表すためである。一般的に、鍼の字は治療の文脈で使用されることが多い。他の語と組み合わせた場合には音読になることもある。例えば「鍼灸(しんきゅう)」「打鍼(だしん)」など。鍼灸治療は「しんきゅうちりょう」と読むが、鍼治療は「はりちりょう」と読むので注意がいるだろう。ただし、わかりやすさを優先するために「はりきゅう」と表現している場合もあるようだ。意味合いとしては変わりない。「鍼」の類語・用例・例文
「初めての治療なので、鍼を刺すのは少し怖かった」「週末に鍼を打ってきたので体が軽い」のように、鍼を刺す・打つといった表現をする。同じく「はり」と読む字に「針」がある。これも細長く先端が鋭いものを意味しており、鍼と語源は同じである。漢字の歴史をひも解くと、針は5~6世紀ごろまでさかのぼれるが、鍼はさらに古くから存在している。「鍼」の英語用例・例文
治療を目的とする鍼の場合、英語では「acupuncture」という。語源はラテン語の「acus(針)をpunctura(刺す)」である。漢方や気功などとひとまとめにして「Oriental Medicine(東洋医学)」とされることもある。はり師は「acupuncturist」で、例えば「I am aiming to be an acupuncturist(私ははり師を目指しています)」のように言える。鍼治療を行うという意味なら「treat somebody with acupuncture」となる。もしくは「acupuncture」を動詞として「He acupunctured his father(彼は父親に鍼を打った)」という表現も可能だ。- 《鍼》の正しい読み方のページへのリンク