《遠江》の正しい読み方
「遠江」の正しい読み方
「遠江」は「とおとうみ」と読む。また「遠江」と表記した上で「とおつおうみ」と読まれることもある。しかし「とおつおうみ」は、正確には律令制下での浜名湖を指す呼び名で「遠淡海」の読み方である。もっとも「遠淡海」という呼称も「遠江」とほぼ同義に用いられることがある。「トオノエ」「とおえ」と読まれることもあるが、これらは基本的には誤読である。「遠江」の意味解説
遠江は、かつての日本における地方行政区分であった令制国制下での旧国「遠江国」にあたる地域を意味する。現代では、いわゆる遠州地方にあたる。より正確には、広義には静岡県西部の浜名湖西岸から大井川までの地域、狭義には浜名湖西岸から牧之原台地までの地域を指す。なぜ「遠江」と読むのか・理由
「遠江」という呼称は、現在の静岡県浜松市と湖西市にまたがる浜名湖に由来する。日本で律令制が整えられた飛鳥時代において浜名湖は「遠淡海(とおつおうみ)」と呼ばれた。ここでいう「淡海(あわうみ)」とは湖の意であり、したがって「遠淡海」とは当時の都から「遠い湖」を意味した。(これに対して、当時の都であった奈良から見て「近い湖」であった現在の琵琶湖は「近淡海」と呼ばれた。)また、「江」とは河川や水辺の入り江を指す。すなわち「遠江」とは、もともと「『遠淡海』の入り江にあたる地域」を意味した。これが転じて「遠江」は律令制下での国名となり、現代でも静岡県西部一部地域を示す「とおとうみ」と呼ばれる言葉となった。「遠江」の類語・用例・例文
「遠江」という言葉の用例は、8世紀後半の万葉集にすでに見られる。「等倍多保美(トヘタホミ)白羽(しるは)の磯と贄(にへ)の浦と合ひてしあらば言(こと)も通(かゆ)はむ」等が挙げられる。ここでは「遠江」を「等倍多保美(トヘタホミ)」と記述している。「遠江」の例文としては、「国が統合され、遠江国に属することとなった。」などがある。「遠江」の類語としては、同じく静岡県西部地方の一部を意味する「遠州地方」がある。古くは「遠淡海国(とおつあわうみのくに)」などとも表記された。同地域やその周辺を指す関連する類語として、駿河、遠江国、豆州、駿州、駿河国、伊豆国なども使用される例がある。
「遠江」の英語用例・例文
「遠江」の英語表記は"Tōtōmi"または"Totomi"とされる。「遠江国」は"Tōtōmi Province"と表記される。"Tōtōmi Province(遠江国, Tōtōmi-no kuni)was a province of Japan in the area of Japan that is today western Shizuoka Prefecture"等説明される。また"Totomi-no-kuni was an administrative district in classic Japan"と説明されることもある。なお"In the Mountains of Tōtōmi Province"は葛飾北斎の浮世絵のタイトルとしても知られる。同じく浮世絵師である歌川広重の東海道五十三次にも登場するため"After crossing the Ōi River, the traveler arrived at Kanaya, station 24 in Tōtōmi Province(Shizuoka Prefecture)"と言及されることもある。《遠江》の正しい読み方
「遠江」の正しい読み方
「遠江」の正しい読み方は「とおとうみ」である。「遠江」の意味解説
「遠江」はいわゆる旧国名である。今の静岡県西部に当たる地域が、かつての「遠江国」に該当する。もともと遠江は「遠淡海国(とおつおうみのくに)」であり、「遠淡海」は浜名湖を指したとされる。
「淡海」は淡水の湖を指す言葉であり、もともと浜名湖は淡水のみの湖であったが1498年の地震によって淡水と海水が混ざる汽水湖となった。そして、同じく淡水の湖である琵琶湖と比べて都があった京から遠い方の湖ということで、浜名湖を「遠つ淡海」と呼んだ。そのような経緯で浜名湖周辺の地域が「遠淡海」と呼ばれることになり、そこから「淡海」が「江」に変化して「遠江」となったという。
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