《連絡する》の敬語
「連絡する」の敬語表現
敬語には、丁寧語、謙譲語、尊敬語があります。「連絡する」の、それぞれの敬語表現をみていきます。丁寧語は、「ます、」、「です」、「ございます」を付けて丁寧な言い回しをする敬語です。「連絡する」の丁寧語は、「連絡します」または「ご連絡します」になります。次に、謙譲語です。謙譲語は、自分に対してへりくだった表現を使うことによって相対的に相手を高め、敬意を表します。「連絡する」の謙譲語は、「ご連絡いたします」、「ご連絡申し上げます」です。最後に尊敬語です。尊敬語は、相手を高める表現をして敬意を表します。「連絡する」の尊敬語は、「連絡される」、「ご連絡なさる」です。「連絡する」の敬語の最上級の表現
自分が「連絡する」場合の最上級の敬語表現は「ご連絡申し上げます」です。「ご連絡いたします」と「ご連絡申し上げます」の語尾、「いたします」、「申し上げます」は敬意に差がないとされていますが、フォーマルな場で使用する場合や硬い表現をしたい場合には、「申し上げます」が使われる傾向にあります。例えば、手紙の書き出しの定型文なども、「平素は格別のご厚情を賜り深くお礼申し上げます」や「暑中お見舞い申し上げます」のように「申し上げます」が使われています。相手が「連絡する」場合は、「ご連絡なさる」になります。「連絡される」よりも「ご連絡なさる」の方が敬意が高い表現です。「スケジュールの変更については〇〇先生が直接、担当者へご連絡なさいました。」などのように使うことができます。
「連絡する」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「連絡する」の敬語表現を使ったビジネスメールの例文をご紹介します。「企画部
〇〇様
お世話になっております。
事務管理部の〇〇(氏名)です。
先程お電話をさせていただきましたが、ご不在でしたのでメールにてご連絡いたしました。
業務フロー改善プロジェクトの件でアドバイスをいただきたいのですが、お時間をいただくことはできますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、ご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
署名」
続いては、手紙の例文をご紹介します。
「株式会社〇〇
総務部〇〇様
拝啓
寒冷の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
製品Aのアップデートが完了いたしましたので、お送り申し上げます。
最初に起動する際には注意点がございます。
詳細につきましては、技術部の佐藤から改めてご連絡申し上げます。
ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください。
敬具
署名」
「連絡する」を上司に伝える際の敬語表現
社内の会話の場合であれば、丁寧語が使用されることが多いです。そのため、口頭で上司に「連絡する」を伝える際には、「ご連絡します」という敬語表現が適しています。一方で、メールや書類など書き言葉の場合は、謙譲語や尊敬語などのかしこまった表現が好まれる場合が多いです。そのため、「〇〇社への営業の件につきましては、後ほどご連絡申し上げます。」などのように表現しましょう。上司がどこかへ連絡することを表現する際には、「勤怠報告については部長から人事部へ連絡されます。」などのように尊敬語を使って表現します。ですが、社外の人に対して自分の上司のことを話題にする場合は尊敬語は使いません。自分にとって上司は目上の人であっても、社外の人に対して話をする際はへりくだって表現する謙譲語を使います。上司の名前を山田とします。「〇〇の件につきましては、山田からご連絡申し上げます。」などのように伝えましょう。「〇〇の件につきましては、山田部長から連絡なさいます。」は、間違った表現ですので気をつけてください。
「連絡する」の敬語での誤用表現・注意事項
「連絡する」には、「連絡される」、「ご連絡なさる」という敬語表現があります。どちらも、相手を直接高める表現をしている尊敬語です。しかし「連絡される」は「ご」が付いていないので失礼になるのではないか、と心配になる人もいるかもしれません。「ご連絡される」は間違った表現ですので注意が必要です。語尾が「~される」という場合に「ご」や「お」を付けて「ご(お)~される」とするのは敬語表現として間違っています。語尾が「なさる」の場合は、「ご~なさる」で一つの形となっていますが、「~される」の場合は「~される」だけで敬語表現として成り立っているのです。少しややこしいかもしれませんが、「連絡される」と「ご連絡なさる」を正しく使えるようにしましょう。「連絡する」の敬語での言い換え表現
「連絡する」の言い換え表現として、「ご連絡差し上げます」という表現を聞いたことがある人もいるかもしれません。これは、「ご~差し上げる」の形の謙譲語で、間違いではありません。ただ、「差し上げる」という言葉は「与える」という意味があるため、「連絡を与える」というような上から目線のように感じてしまう人もいるかもしれません。「ご連絡差し上げます」はビジネスシーンなどで多用されていますが、使用する相手に対して失礼にならないよう前後の文章などと合わせてよく考えることが必要です。また、「午前中は不在のため、午後にご連絡差し上げます。」などのように、自分の都合であとから連絡をする場合に「差し上げる」を使うと失礼な印象になってしまいます。「申し訳ございませんが午前中は不在のため、午後にご連絡申し上げます」などと伝えたり、「午前中は不在のため、午後に改めてご連絡してもよろしいですか?」と、相手にお伺いをたてる形で伝えるのが良いでしょう。- 《連絡する》の敬語のページへのリンク