《遊説》の正しい読み方
「遊説」の正しい読み方
「遊説」の正しい読み方は「ゆうぜい」である。「ゆうせつ」は誤った読み方である。「遊説」の意味解説
「遊説」は各地を巡りながら意見や主張を説く行為である。特に政治家が政策や意見を説くために各地を巡る行為を遊説と呼ぶことが多い。なぜ「遊説」と読むのか・理由
「遊説」と書いて「ゆうぜい」と読むのは中国の古い風習から来ている。古代中国では思想家などが自分の考えを領主などの権力者に説き、弟子を募る風習があった。多くの弟子や賛同者を得るために各地の領主を訪ね歩き、その様を遊説と記すようになったのである。中国語での「遊」は歩き回るという意味がある。様々な所を歩き回り、自分の考えを説く遊説は日本語でもそのまま使われるが、一方で日本語での「遊」は遊ぶという意味で使われることから「遊説」の表現を避ける事例も少なくない。「遊説」の類語・用例・例文
「遊説」の類語として「説明」「演説」「弁論」などがあり、それぞれ「せつめい」「えんぜつ」「べんろん」と読む。多少の違いはあるが、いずれも何らかの物事の根拠や理由を明らかにする目的で話す行為という意味がある。特に「演説」「弁論」は不特定多数の人を相手に行うことから、意味は「遊説」に近い。例文には「候補者を応援する目的で遊説を行う」「子供に分かりやすく説明する」「彼の演説は要点がまとまっているので聞きやすい」「弁論大会に向けて発音を矯正する」などがある。「説得」「弁明」などの類語もあるが、これらは物事の是非を明らかにする、考えを改めるように言い含めるなどの意味を持つ言葉なので厳密には同じ意味ではない。それぞれ「せっとく」「べんめい」と読み、「こちらに賛成するよう説得する」「弁明の機会を設ける」などの例文がある。
「遊説」の英語用例・例文
「遊説」を英語で書くと「speech」になる。英語には「遊説」に当てはまる固有の言葉がないため、一般的な演説の意味である「speech」が用いられる。例文として「選挙を見据えて遊説を行う」を英文に直した「make a speech in anticipation of the election」がある。また、遊説は政治や選挙に深く関わる行為なので「election tour」の表現が使われることもある。「election」は選挙、「tour」は巡業や視察などの意味がある。直訳すると「選挙の巡業」であり、ここから政治家や候補者が政策を語るための演説という意味に転じて「遊説」と解釈されるようになった。類似した意味として「election campaign」があり、こちらは直訳すると「選挙運動」になる。遊説は選挙運動の一種でもあることから、「election campaign」を「遊説」と読む事例も少なくない。「make an election tour to support candidates for the same party」「同じ党の候補者を応援するために遊説を行う」
「election campaign that touches the hearts of supporters」「支持者の心に響く遊説」
《遊説》の正しい読み方
「遊説」の正しい読み方
「遊説」の正しい読み方は、「ゆうぜい」である。「説(ゼイ)」は慣用読み。「説」は基本的には「セツ」と読む字であるが、「遊説」を「ゆうせつ」「ゆうぜつ」などとは読まない。「遊説」は「ゆうぜい」と読む語として定着している。「遊」の文字を「游」に代えて「游説」と表記することもある。読み方は変わらず「ゆうぜい」である。
「遊説」の意味解説
「遊説」の意味は、自分自身の意見や主義・主張を説いて大勢の人に伝えること、である。主に、選挙前などに政治家が各地に出向き、政策や公約、方針などを演説して回ることを指す。「遊説」の「遊」という文字は一般的に「遊ぶ」と用いるため、娯楽の意味合いを持った言葉という印象が強い。しかし「遊説」で用いる「遊」の場合は、「歩き回る」という意味を持っている。
「遊説」の語源は古代中国にさかのぼる。古代中国では、「天子」と呼ばれる国の君主から各地域の領土を農民に分割し付与していた。各地域には領土を支配する諸侯と呼ばれる人物が管理し、定期的に天子が巡回し諸侯の意見を聞き歩くのが慣習であった。この天子の巡回を「遊説」と言っていたことが由来となっている。国を支配および管理する立場の者が国を巡り歩いていたため、政治家が全国を回り演説する様を「遊説」と呼ぶようになった。
なぜ「遊説」と読むのか・理由
「説」の正しい読みは「せつ」であり、これを「ぜい」と読む例は「遊説」以外には見出し難い。「遊説」を「ゆうぜい」と読む理由は諸説あり定かでないが、「誤った読み方が定着した」あるいは「発音しやすく変化させた」とする説が有力である。
「消耗」は本来「しょうこう」と読むべき字であるが、「しょうもう」と読まれるよになって定着している。同じく「独擅場(どくせんじょう)」は「独壇場(どくだんじょう)」と誤解されたまま定着している。「遊説(ゆうぜい)」もこのような慣用的な読み方の一種と疑われる。
「遊説」の類語・用例・例文
「遊説」の英語用例・例文
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