《遅延》の正しい読み方
「遅延」の正しい読み方
「遅延」は日常的に目にすることが多い熟語であるが、読み方が難しい言葉の1つに数えられる。1つ1つの漢字自体は難しくないが、熟語となることで読み方が分からなくなる人が多い。「ちえい」と勘違いして読まれるケースもあるが、正しい読み方は「ちえん」である。「遅延」の意味解説
「遅延」には予定された時期や時間に遅れる、予定していたよりも長引いてしまったという意味がある。「強風のため電車が遅延した」、「ストのため商品の納期が遅延した」などの文脈で使用される。また、公共交通機関で発行される「遅延証明書」は、電車やバスが遅れたことを証明するための書類である。なぜ「遅延」と読むのか・理由
「遅延」は「遅(おく-れる・おそ-い・ち)」と「延(の-びる・えん)」から構成されているため、音読みの読み方に従い「ちえん」と読まれている。「遅延」の類語・用例・例文
「遅延」の類語・遅参
・遅滞
・延期
・遷延
「遅延」の用例・例文:予定された時期や時間に遅れること
・交通機関の遅延のため学校に遅刻した。
・機械トラブルのためライブが遅延した。
・台風の影響で商品の納期に遅延が生じることとなった。
「遅参」の用例・例文:決められた日時や期限に遅れてくること
・彼は大事な会議に遅参して顰蹙をかった。
・エースが試合に遅参するため、チームの志気が下がった。
「遅滞」の用例・例文:物事が予定通りに進まず滞ること
・状況は少しの遅滞を許さないほどひっ迫している。
・納税が遅滞しているため督促状が届いた。
「延期」の用例・例文:期日を先延ばしにすること
・定員割れしたため、セミナーの開催を来月まで延期する。
・悪天候のため、サッカーの試合が延期された。
「遷延」の用例・例文:物事がのびのびになり捗らないこと
・残念なことに、遷延するという結果になってしまった。
・わざと返事を遷延し、相手の出方を待った。
これらの類語は「遅延」と類似する意味合いではあるが、全く同じ意味で使用することはできない。
「遅延」の英語用例・例文
「遅延」は英語で「delay(遅延)」や「procrastinate(遅延・先延ばし)」と表現される。「delay(遅延)」の用例・例文
・The doctor wants to delay surgery for a few weeks.(医者は手術を数週間遅延させたいと思っている)
・He's planning to delay her retirement.(彼は退職を遅延することを計画している)
・After months of delay, construction on the new school began.(数ヶ月の遅延の後、新しい学校の建設が始まった)
「procrastinate(遅延・遅れ)」の用例・例文
・She procrastinated and missed the submission deadline.(彼女は先延ばしにして提出期限を逃した)
・She told him to stop procrastinating and get to work.(彼女は彼に先延ばしをやめて仕事に取り掛かるように言った)
《遅延》の正しい読み方
「遅延」の正しい読み方
「遅延」は「ちえん」と読む。「遅延」の意味解説
「遅延」とは、あらかじめ決まっていた時間、日付よりも、後ろ倒しになってしまうことである。「遅」も「延」も共に「予定した時間を過ぎる・長引く・遅れる・遅くなる」という意味の字である。つまり「巨大」や「矮小」などの語と同様、類義の字を併置して構成された熟語である。
「遅延」は名詞であるが、サ変動詞として使える。動詞として用いる場合は「遅延する」を基本形として活用する。もしくは、「遅れる」と言い換える。
なぜ「遅延」を「ちえん」と読むのか・理由
「遅延」を「ちえん」と読む理由は、「遅(ち)」と「延(えん)」をそれぞれ素直に音読みするためである。「遅延」の類語・用例・例文
「遅延」と同様「遅れる」という意味で用いられる言葉には「延期」「延滞」「遅滞」などが挙げられる。「延期」は、予定が後ろにずれる(ずらされる)ことを意味する語。とりわけ、予定した日時が来る前の時点で、あらかじめ予定を当初より遅らせる処置をとる、という状況を指す語として用いられることが多い。これに対して「遅延」は、突発的な理由があって予定の時間が来ても予定通りに事が進めず、やむなく予定がずれる、という不本意なニュアンスが色濃い。
「延滞」や「遅滞」は「進行していた物事が途中で止まってしまい遅れが生じている」といった意味合いで用いられることが多い。
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