印刷業とは? わかりやすく解説

印刷会社

(印刷業 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/13 17:25 UTC 版)

18世紀の印刷所

印刷会社(いんさつがいしゃ)とは、印刷を業務とする会社。製本などの業務を併せて行う会社もある。

欧米の印刷会社

ヨーロッパでは12世紀に製紙術が伝わり、1445年頃にはドイツのヨハネス・グーテンベルクによって金属合金活版印刷術とプレス機が発明された[1]。中世までヨーロッパでは書物は羊皮紙などに写本によって複製されたもので非常に高価なものだった[1]。しかし、グーテンベルクの発明から約50年間でヨーロッパ各地に活版印刷工房がつくられ印刷技術は急速に発展普及した[1]

日本の印刷会社

歴史

印刷事業を手掛ける者は江戸時代にはおり、元禄期の浮世絵や、文政期の洒落本など木版による版画や書物が刊行された[1]

日本の近代活版印刷は1849年オランダからスタンホープ印刷機と欧文活字一式が将軍に寄贈されたことにはじまる[1]。1857年にはオランダの印刷技師インデルマウルが出島で印刷所を開設している(出島版)[1]

近代日本印刷の父といわれる本木昌造が興した印刷事業の流れを汲む東京築地活版製造所は、黎明期の代表的な印刷会社として語られることが多い。本木は1869年にアメリカ人宣教師ウィリアム・ギャンブルから電胎法活字鋳造技術を学び、長崎に新町活版所を開き、これが後に築地活版所となった[1]

日本では新聞の場合、新聞社が取材・編集組版・印刷・配送(各家庭までではないが)のシステムを持っていることが多いが、その他の分野の印刷物では、印刷は専業の会社の仕事となっている。日本の印刷会社は中小企業の比率が大きいが、大日本印刷TOPPANホールディングス(旧・凸版印刷)の2強の存在感が群を抜いており、両社は印刷に関わるあらゆる商材を手がけている。

日本では1990年代バブル崩壊を境に拡大が止まり、1999年以降縮小の一途をたどり、出版不況という言葉も生まれた。インターネットの普及や若者の活字離れなどを背景に販売不振が続いており、2015年の出版物の販売額は1兆5220億円(前年比5.3%減、出版科学研究所調べ)と11年連続で前年を割り込み、倒産件数は減少しない[2]

大日本印刷・TOPPANの大手2社(とNISSHA)においてはへの印刷への比重は減少しつつあり、印刷技術を生かした包装材(パッケージ製品)などの各種加飾製品、液晶ディスプレイ部品材料やカラーフィルター、半導体フォトマスクといった電子デバイスなどの商材の比重を増やすというように、産業構造の変化に合わせてポジショニングを変えている[3]

代表的な印刷会社

大手
準大手
国営
その他

関連項目

脚注


印刷業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 13:57 UTC 版)

ヨハネス・グーテンベルク」の記事における「印刷業」の解説

"フランクフルトママ〕で見た件の驚くべき男について私宛に書き送られてきたことは、全て真実でした。完全な聖書全体見たわけではなく異なる巻の少数折丁見ただけです。書体は非常にきちんとしていて、読みやすいものでした。閣下おかれまして苦も無く、しかも眼鏡なしでお読みになれることでしょう。" 後の教皇ピウス2世カルバハル英語版枢機卿宛てた手紙1455年3月 1439年頃、グーテンベルクアーヘン巡礼者に(聖火写し取るといわれていた)研磨した金属鏡を売るという事業に出資募り財政的問題生じた1439年、同市ではカール大帝遺品展示する計画があったが、深刻な洪水発生したため1年延期された。そのため集めていた資金使ってしまったぶんを返せなくなったのである出資者満足させるため、グーテンベルクは「秘密」を共有する約束したといわれている。この秘密活字による印刷アイデアだったのではないかと言われている。伝説では、「光線のように」アイデア訪れたという。 1444年まではシュトラースブルク住んでいた。1440年シュトラースブルク自身研究に基づく印刷術完成させ、 Kunst und Aventur(アート事業)と題してその秘密公開したと言われている。彼がどういうことをやっていたのか、既に活字使った印刷試していたのかは定かではないその後記録には4年間の空白がある。1448年マインツに戻ると義理の兄から借金しており、印刷機などの機器をそろえる資金にしたと見られる。そのころまでに凹版印刷精通していた可能性がある。トランプ・カード画家英語版)と呼ばれる銅版画家と仕事をしていたという説もある。 1450年までには印刷所運営開始しており、最初に印刷したのはドイツ語の詩と見られている。グーテンベルクはヨハン・フスト(英語版)なる裕福な金貸しから事業資金を得ることに成功したフスト設備費として800グルデン貸し付け二人共同事業者として新規事業立ち上げた。またその頃フストがペーター・シェッファー(英語版)(1430年頃-1467年)という青年グーテンベルクのもとに連れてきた。シェッファーはパリ写字生経験があり、いくつかの最初書体デザインした考えられている。シェッファーは後にフストの娘クリスティーナ結婚して婿になり、印刷業をビジネスとして成功させることになる。 グーテンベルク遠い親戚所有する Hof Humbrecht と呼ばれる建物印刷所とした。この頃自宅附属印刷所だけでなく、フスト資金設立した新し印刷所の二ヶ所で印刷行っていたことがわかっている(このことを明らかにしたのは19世紀研究者カール・ジアツコ (Karl Dziatzko) である)。彼がいつ聖書印刷企図したのかは不明だが、そのためにフストからさらに800グルデン借り1452年からその仕事開始した同時に他のより儲かる印刷物ラテン語の文法書など)も印刷した聖書用とそれ以外用の2つ印刷機があったという推測もされている。最も利益の上がった印刷は、教会向けの数千贖宥状印刷で、1454年から1455年ごろから印刷している[要出典]。 後に「グーテンベルク聖書」と呼ばれる最初印刷聖書四十二行聖書」は1455年完成した。約180部を印刷し多くは紙だが、一部羊皮紙印刷された。

※この「印刷業」の解説は、「ヨハネス・グーテンベルク」の解説の一部です。
「印刷業」を含む「ヨハネス・グーテンベルク」の記事については、「ヨハネス・グーテンベルク」の概要を参照ください。

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