3代目 FD3S型(1991年-2003年)
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「マツダ・RX-7」の記事における「3代目 FD3S型(1991年-2003年)」の解説
1991年10月に発表され、同年12月より販売を開始した。車両型式はFD3S。開発コードはX105。 このフルモデルチェンジを機に、1971年から20年続いた「サバンナ」の呼称がはずされ、当時の販売店系列「アンフィニ」の名を冠して「アンフィニRX-7」として発売された。後に販売店のアンフィニ店がユーノス店と統合したことにより、車名が「マツダRX-7」となった。キャッチコピーは『アンフィニのスポーツです。』、『その非凡さが、アンフィニ。』、『ザ・スポーツカー』、『ザ・ロータリースポーツ』。足回りには新開発の4輪ダブルウィッシュボーンが使用された。 エンジン出力は、シーケンシャルツインターボが搭載された13B型ロータリーエンジンで255 psだったが、パワーウェイトレシオ(重量/出力比)は5 kg/psを切っていた。後にエンジンの出力向上が行われ、1996年1月のマイナーチェンジで265 ps(MT車)、1999年1月のマイナーチェンジでは280 psに達し、一部のモデルでパワーウェイトレシオは4.50 kg/psに達した。 同社のユーノス・コスモが1996年に生産を終了して以降、RX-7は世界唯一のロータリーエンジン搭載量産車となる。RX-7は車体の軽量化やエンジンの高出力化を図るなど、「ピュア・スポーツ」をコンセプトに掲げる車両として開発が続けられたが、日本国内市場および北米市場におけるスポーツカー需要の低下や、ターボ過給によるロータリーエンジンの環境対策の行き詰まりなどの理由により、2002年8月に生産終了、2003年4月に販売終了となり、25年の歴史に幕を閉じた。 この前に、最終特別限定車「RX-7スピリットR」が同年4月に発売されている。2シーター5速マニュアル仕様の「タイプA」、4シーター5速マニュアル仕様の「タイプB」、4シーター4速オートマチック仕様の「タイプC」の3仕様を用意され、限定販売台数は合計1,500台であった。BBS社製17インチホイール、レッド塗装ブレーキキャリパー、専用インパネなどの専用パーツを装着。タイプAは専用のレカロ社製フルバケットシートなどを装備した。2002年8月26日、宇品U3工場での最終生産車は、スピリットR タイプA チタニウムグレーメタリック車だった。この車の最終ラインオフに合わせ、FD3Sに携わったマツダのスタッフの他、一般公募のユーザーを加えて式典が催された。この車は市販されず、社内展用車となった。 12年のモデルサイクル中に複数のマイナーチェンジが行われ、下記のように分けられている。 前期型 1型(1991年12月-) 1992年10月には2シーターグレードである「タイプRZ」を限定発売。エンジン出力255 ps。 2型(1993年8月-) ボディ剛性強化。ダンパー大型化。サスペンションセッティング見直し。大型アームレストを追加し、インテリアの質感と使い勝手を向上。 1994年8月には2シーターグレードである「タイプR Ⅱ I バサースト」を限定販売。 3型(1995年3月-) グレード体系見直し。タイプR-Sなどを追加。リアウイングが4本ステーから2本ステーのドルフィンタイプに変更。1994年8月には「タイプRバサーストX」を限定販売。 中期型 4型(1996年1月-) 4型の期間内にマツダの販売体系が変わったため、1997年1月のRS-R以降アンフィニの名前が外れ、同年10月から車名が「アンフィニRX-7」から「マツダRX-7」へと変更されている。CPU制御が8ビットから16ビットに強化され、吸気系の配管の変更やブースト圧の向上もありMT車はエンジン出力が265 psに向上した(ATは255 psのまま)。メーター照明は琥珀色から緑色に変更。外装ではリアコンビネーションランプが丸型3連式に変更されたほか、車体先端のエンブレムがマツダのロゴマークとなった。1997年1月には「タイプRバサーストX」を限定販売。 後期型 5型(1999年1月-) 最高出力がMT車は280 ps(タイプRBは265 ps)、AT車は変わらず255 psのままとなる。ボディ剛性の大幅強化・サスペンションセッティング見直し・内装の変更(ステアリング形状変更・メーター指針位置が真下からになる・シート生地変更)・16インチアルミホイールの形状変更・外装では5角形の開口部を持つ新デザインのバンパーとフロントコンビネーションランプが採用され、リアウィングも1度から14.5度まで角度調整可能な種類とされた。デュアルエアバッグ・ABSが全車標準装備になった。ラジエターの大型化とタービンの仕様変更も行われた。PPFの強度向上、マフラーの変更も行われた。 6型(2000年9月-) ABSの制御が8ビットから16ビットに変更、サスペンション・セッティング見直し、EBD(電子制御制動力分配システム)を追加。インテリアではメーター盤が白色化され、照明は琥珀色に戻された。エンジン系には変更なし。2001年8月には特別仕様車「タイプRバサーストR」を設定。2001年12月には特別仕様車「タイプRバサースト」を設定。2002年4月には限定車「スピリットR」シリーズを設定。 外装はフロントおよびリアコンビネーションランプ、フロントバンパー、リアスポイラー、ABS等が変更されたが、1型から6型で流用不能なものはABSとECU、リヤ補強材の一部であり、マイナーチェンジ前の車両に変更後のパーツを移植することも可能である。 1998年と1999年に4型のRX-7がレーダー付きの高速隊パトカーとして宮城、新潟、栃木、群馬、埼玉、千葉、京都に7台導入された。現在は新潟県警察、群馬県警察、埼玉県警察の配備車両がイベント展示用として残されている。 イギリスの「テレグラフ」誌webサイトの「最も美しい車100選」で61位に選ばれた。
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