鉄道擬人化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 08:00 UTC 版)
![]() |
この記事には複数の問題があります。
|

鉄道擬人化(てつどうぎじんか)とは、鉄道車両や列車、鉄道路線、鉄道駅等の鉄道に関する事物を擬人化して描くことを指す。
児童向け作品
鉄道車両は、古く[いつ?]から児童文学や絵本において擬人化されてきた。殊に蒸気機関車は、その生物的な風情や石炭(=食料)と水が無いと走れない(=生きられない)といった人間の生理現象に似たメカニズムから、「蒸気機関車は人間のつくったもののうちで、もっとも生物に近い機械である」と称されるようにしばしば擬人化の題材にされている。[独自研究?]
そういった作品の中でも有名かつ国際的な人気を誇るものがイギリスのウィルバート・オードリー牧師が執筆した絵本シリーズ「汽車のえほん」であり、蒸気機関車のみならずディーゼル機関車、客車や貨車など鉄道車両を幅広く擬人化して描いている。同作品を映像化したテレビシリーズ『きかんしゃトーマス』も同様に国際的な人気を誇っている。日本の作品では1号機関車を擬人化して描いた阿川弘之文、岡部冬彦画の絵本『きかんしゃ やえもん』が有名である[1]。
SUPER BELL"Zが演じるキャラクター『鉄道戦隊レオ☆レンジャー』などもこの中に挙げられる。
またサンリオのキャラクターである『しんかんせん』[2]やアニメ『勇者特急マイトガイン』、『超特急ヒカリアン』、『トランスフォーマー カーロボット』なども、ロボットではあるが(ヒカリアンは厳密には「光」というエネルギー体の宇宙人であり鉄道にのりうつっているという設定)鉄道車両に人間と同様の人格を与えている。
小説
清水義範による『ダイヤの花見』(落語『長屋の花見』のパスティーシュ)がある。「ひかり」が長屋の大家、「山手線」はちゃきちゃきの江戸っ子、「なは」が田舎者、「トワイライトエクスプレス」が外国人にそれぞれ擬人化されている。
鉄道雑誌などにおける擬人化
日本の鉄道雑誌など、鉄道ファンを対象とした文章において、鉄道車両を擬人化した表現がしばしば用いられる。
鉄道車両が新造されて運用につくことを「誕生」、運用中であることを「現役」、多くの台数が用いられていることを「活躍」あるいは「君臨」、運用を終えて新型の車両に置き換わることを「引退」とするなど、あたかも一人の人間が職に就いているかのように表現されている。
オタク文化としての鉄道擬人化


単純に車両の前面に目と口を描き手と足をつける(目はフロントガラスに入れる)パターンでの擬人化は見られたが、オタク文化における鉄道擬人化は該当車両をイメージしたコスチュームを着用した女性[3]、もしくはイケメン風の男性として描かれることが多い。
オタク調鉄道擬人化の歴史
1980年代後半、鉄道雑誌の中で最も漫画アニメ系の力が強い『レイルマガジン』に、アーバンライナーの鉄道擬人化イラストが掲載された。
この頃は『機動戦士ガンダム』等に始まるリアルロボット系ロボットアニメの装甲を女の子の体に付けて擬人化した「メカ+女の子」(メカ少女)という擬人化が流行っており、先の執筆者も「メカ+女の子」からヒントを得たと語っている。
しかしこれに限らず「最初にやった存在と、それを本当の意味で世間に広めた存在は異なる」ものである。鉄道擬人化を手がけた執筆者がこのグループから降りた事もあって、この流れは比較的すぐ途絶えた。鉄道擬人化が本格化するのは、1990年代後半から21世紀初頭まで待たねばならなかった。また前者ではメカ(+女の子)として行われていたが、現在は擬人化を服にデザインする表現が一般的になっている。
2004年10月23日に浦佐 - 長岡間を走行中に新潟県中越地震に遭遇、脱線(上越新幹線脱線事故)した上越新幹線「とき325号」が「ときたん」として擬人化された。同列車は200km/hで脱線したものの転覆を免れ、乗客・乗務員の死者はおろか負傷者も皆無だったため「車両が乗客を守った」として同列車に使われていた200系「K25編成」の車両が匿名掲示板2ちゃんねるの臨時地震板などで「(・○・)」のAAと共に擬人化された。(具体的には、脱線を起こした車両の立場での書き込みが実際の復旧作業と連動して行われた。また、これらの書き込みを題材とした童話やFlashアニメーションも作成された。)
2005年9月4日には、鉄道擬人化・鉄道関連総合同人誌即売会「鉄娘ファン」が他のオンリー即売会(紺色の天使達など)と合同で開催された。2006年11月には恵知仁のサイト掲載の擬人化キャラクターを漫画化した『電車学園モハモハ組』が初の商業作品として月刊ドラゴンエイジに期間限定で連載された。
最近では男性への擬人化も増えてきており、同人作品としての発表のほか、2009年2月には女性向け駅擬人化プロジェクト『ミラクル☆トレイン』が始動し、漫画・小説・アニメ・舞台などが展開している[4]。また同2009年6月23日に、「青春鉄道』(過去に頒布した同人誌からの選り抜き作品)が商業コミック化されている[5]。
関連項目
- ファステックたん
- 鉄娘な3姉妹 - 廃線・廃車を扱ったストーリーにおいて鉄道駅や車両が擬人化されたキャラクターが登場する。
- 終電ちゃん - 漫画としての運用系統としての擬人化[6]。
- ステーションメモリーズ! - 鉄道車両を擬人化したキャラクター(通称:でんこ)と共にGPSで日本全国の駅を巡るゲーム。
- 路娘MOTION - 路娘MOTIONぷろじぇくとによる鉄道車両擬人化プロジェクト。
脚注
- ^ 徳間書店「子どもの本だより」2003年7-8月号
- ^ “シンカンセン | キャラクター | サンリオ”. www.sanrio.co.jp. 2020年4月25日閲覧。
- ^ “もしも電車が「女の子」だったら? 「鉄道擬人化フィギュア」に萌え~”. J-CASTトレンド. (2008年4月21日) 2021年9月3日閲覧。
- ^ “ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~”. www.miracle-train.tv. 2020年4月25日閲覧。
- ^ “松井玲奈も愛読!“鉄ミュ”で話題の鉄道擬人化マンガ『青春鉄道』最新刊が今回も面白い!”. ダ・ヴィンチニュース. (2015年11月27日) 2021年9月3日閲覧。
- ^ “厳しくも優しい終電を擬人化した「終電ちゃん」、モーニングで開幕”. コミックナタリー. (2015年9月3日) 2021年9月3日閲覧。
鉄道擬人化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 08:21 UTC 版)
連載中、リアルタイムで廃止された鉄道や路線・駅を取り上げた話では、対象鉄道を付喪神ないしは精霊として萌え擬人化(鉄道擬人化)したキャラクターが登場する。 富士はやぶさ(ふじ はやぶさ) 特急富士・はやぶさの精霊。5番線に登場。 富士ぶさ(本作における富士とはやぶさをひっくるめた総称)を追いかける3姉妹に、まだ走る意思があることと、それでも消えねばならない悲しみを伝える。 最後は熊本駅(はやぶさ終着駅)で国鐡に諭され、見送られながら路線から去り逝く。 加賀一の宮(かが いちのみや) 北陸鉄道のアテンダントをしている若い女性。12番線に登場。 終電を逃した3姉妹を家に泊め、北陸鉄道の歴史話に花を咲かせた。北陸鉄道の古い写真を持っている。 国鐡と一緒に写真に写ったことがある。 その正体は加賀一の宮駅の精霊。プロフィール上は同駅と同じ年齢とされている。 能登(のと) 17番線に登場した急行能登号の精霊。 2010年3月12日における最終運行の出発を3姉妹と共に見に来たマミコの前に姿を現し、能登号から始まったその友情を大切にするように伝え、笑って去っていく。 ルイス シャツにオーバーオールかつショートカットという、傍目にはアメリカンなボーイッシュガール。実は一畑電車運輸車両部に所属する同社の社員。18番線に登場。 毎度の如く父の手紙に導かれて島根までやってきた3姉妹に一畑電車を案内する。かなりの西海岸ノリな性格で、悪く言えば能天気。初めて会ったときに美唄にぶつかって転倒。この事故で彼女のファーストキスを奪ってしまう。 その正体は一畑電気鉄道デハニ50形52号電車の精霊であり、普段は雲州平田駅の車庫で動態保存されている。同社の社員から「出雲(島根県および一畑グループ)の至宝」として常に無理をしないように気遣われている。 本名は「ルイス・I・デハニー」であり、ミドルネームの「I」は「一畑」を意味する。また「ルイス」の名はかつての「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅」(現在の松江イングリッシュガーデン前駅)に由来し、フルネームも同駅名を意識した構成である。 最終番線で3姉妹とは別行動で3姉妹の父親を探す。 餘部姉妹?(あまるべしまい?) 一人は和服でもう一人は洋服といった姉妹?そろって違う服を着ている。また余部橋梁の下にある、海戸屋の女将とその妹?。20番線に登場。 毎度の如く父の手紙に導かれて兵庫までやってきた3姉妹に餘部鉄橋の周辺を案内する。 その正体は余部鉄橋の精霊であり、姉?は旧余部鉄橋の精霊、妹?は新余部鉄橋の精霊。最後、姉?のほうは役目を終え、消えようとするが妹?の「餘部の歴史はまだまだ続くよ。」の声で残る。 最終番線で3姉妹とは別行動で3姉妹の父親を探す。
※この「鉄道擬人化」の解説は、「鉄娘な3姉妹」の解説の一部です。
「鉄道擬人化」を含む「鉄娘な3姉妹」の記事については、「鉄娘な3姉妹」の概要を参照ください。
- 鐵道擬人化のページへのリンク