せんたく‐どくせい【選択毒性】
選択毒性 [Selective toxicity]
選択毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 23:16 UTC 版)
選択毒性(せんたくどくせい)とは、特定種類の生物にとってのみ致命的な毒性を発揮する性質のこと。
- 1 選択毒性とは
- 2 選択毒性の概要
- 3 選択毒性の利用の例
選択毒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 23:17 UTC 版)
ある生物にとっての毒が別の生物には毒でないこと(選択毒性)もある。これは、下等生物にはほぼ作用しない特性があり、結果として護身の役割を果たしていると考えられている。 例えばアブラナ科植物に含まれるイソチオシアネート類やネギ科のアリル化合物類、カフェイン、テオブロミンなどはかなりの動物に対し猛毒であるが、ヒトでは摂食するに問題ない程度に無毒化できる。タマネギ、ニンニク、ニラなどのネギ属に含まれるアリルプロピルジスルファイドなどがヘモグロビンを酸化することにより、溶血性貧血を起こし、ネコやイヌ、ウサギではごくわずかな欠片や、だし汁などでも中毒を起こして死亡することもある。 また、抗生物質は細菌にとっては毒だが、その他の生物には害を与えることはない。同様の選択性は多々あり、除虫菊のようにピレスロイドは、昆虫には致命的な毒が哺乳類やヒトにはほとんど無害であったり、逆に破傷風毒素やストリキニーネは、昆虫より哺乳類に1,000倍から1万倍毒性が強い。ダイオキシンはモルモットとハムスターで数1,000倍と毒性の差があり、物質によっては哺乳類同士であっても毒性が大きく異なる。ヒトへの外挿を目的とした動物実験においては、この選択毒性を注意する必要がある。
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