選択権一般
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 00:30 UTC 版)
管財人は、破産申立時点で未履行の契約(executory contract)や残余期間のあるリース(unexpired lease)を裁判所の許可を得て引受ける(assume)か、第三者に譲渡する(assign)か、あるいは拒絶する(reject)かの選択権を有する。未履行の契約とは、倒産申立の時点で双方の当事者の義務履行されておらず、その義務の不履行が契約の重大な違反を構成するものとされている。なお、下記の説明において、「契約」というときには、未履行の契約と残余期間のあるリースの双方を指すこととする。 このような選択権は管財人(債務者)側のみが有する。契約当事者の一方が倒産状態になったり倒産申立をした場合には相手方当事者は契約を一方的に解除できる旨を定めている契約条項(ipso facto clause)は、連邦倒産法上無効とされる(365条(e)項(1)号)。また、譲渡を禁止する条項や譲渡によって契約が終了する旨を規定する条項も無効である(365条(f)項)。 管財人は、再建計画承認前であればいつでも選択権を行使できるが、契約相手方は、破産裁判所に対して選択権行使に時間的制限を設けるよう請求できる。この場合裁判所が設定した制限期間内に選択権を行使をしなかった場合には、契約は拒絶されたとみなされる(365条(d)項)。 上記の原則には、債務者が権利許諾者である知的財産権のライセンス契約に関する重要な例外がある(365条(n)項)。被許諾者は、管財人が契約を拒絶した場合でも、ライセンスの対象となる権利の行使の継続を選択することができる。ただし、ライセンス契約に定められた債務者の付随的義務(サポートサービス等)の履行を請求することはできない。
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