血管炎によるものとは? わかりやすく解説

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血管炎によるもの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:19 UTC 版)

脳梗塞」の記事における「血管炎によるもの」の解説

血管炎としては抗リン脂質抗体症候群全身性エリテマトーデスよるもの若年性脳梗塞原因として有名である。 抗リン脂質抗体症候群 原発性抗リン脂質抗体症候群SLEなどに合併する続発性抗リン脂質抗体症候群知られている。全身血管血栓形成される動脈にも静脈にも血栓形成起こりうるのが本疾患特徴考えられている。動脈系血栓の約90%が脳血管においておこるとされている。抗リン脂質抗体陽性例のうち、血栓症合併するものは2030%とされており大部分症例では血栓症生じない。しかし、一度発症した症例のうち、半数上で繰り返し血栓症起こすことが知られている。静脈血栓症にはワーファリン使用し動脈血栓に対して少量アスピリン療法などが行われる。一般検査においては血小板減少4050%)、APTT延長梅毒血栓反応生物学的偽陽性などの所見既往習慣性流産血栓症既往があれば、抗リン脂質抗体症候群を疑う。これらの所見がなくとも若年者での脳梗塞リスクファクター少な症例では抗カルジオリピン/β2GPI抗体ループスアンチコアグラント、抗プロトロンビン抗体などの検査を行うことがある原発性脳血管炎(PACNS) 原発性脳血管炎(PACNS)は中枢神経CNS)に限局した血管炎であり、主に脳や脊髄軟膜および脳実質内の長径200300μm細動脈から中動脈レベル血管障害される原因ははっきりとはしておらず、マイコプラズマ水痘帯状疱疹ウイルスなどの感染契機血管炎引き起こす例や血管アミロイド沈着などが認められ複数原因関与示唆されている。症状の進行一般的に亜急性経過を辿ることが多いが、痙攣などで急性発症する例や頭痛持続する慢性の経過を辿ることもある。臨床症状としては認知機能低下83%、頭痛56%、痙攣発熱30%、脳梗塞14%、脳出血12%の順に多く脊髄血管障害され場合はそれに応じた症状出現する4060歳発症多く男女差はない。診断ゴールドスタンダードカテーテルによる脳血管造影、脳生検軟膜や脳皮質の小血管炎)などである。全身性炎症反応乏しいが髄液検査では何らかの異常が認められるMRIでは血管炎船尾なって単発、または多発白質灰白質脳梗塞巣や出血巣が確認され腫瘍にみえることもある。また小血管炎結果白質病変認められる血管造影では小動脈の拡張狭窄示しビーズ状と称される。その他周辺血管やそこからはずれた血管不揃い閉塞途絶認められる治療結節性多発動脈炎治療準じてステロイドシクロホスファミド併用療法などが行われることがある高安動脈炎大動脈炎症候群高安動脈炎旧称:大動脈炎症候群)は大動脈およびその基幹動脈冠動脈肺動脈生じ大血管炎である。若年女性微熱、めまい、炎症反応高値血管雑音などが特徴とされている。本疾患特異的な血液生化学検査はなく、CRP血沈白血球数ガンマグロブリン貧血有無から高安動脈炎活動性評価行い並行して血栓性検討評価を行う。治ちょうはステロイドであり、臓器梗塞予防のために抗血小板薬用いることもある。 神経ベーチェット病 神経ベーチェット病ベーチェット病の約1020%認められる。約2〜5倍男性に多い。2040歳好発である。神経症状発症後3〜6年後に出現するベーチェット病診断後)ことが多いが、神経症状初発となる場合もある。神経ベーチェット病分類実質性病変脳幹大脳脊髄病変80%と非実質性病変血管病変動脈瘤など)20%分かれ実質性病変はさらに急性型慢性型分かれる急性型髄膜炎症状+局所症状示しステロイド反応性良好である。慢性型急性型経過の後に神経障害精神症状進行する脳幹大脳小脳委縮伴い髄液IL-6>20pg/ml(SLEなどでも上昇する)などが特徴的な検査所見となる。ステロイド抵抗性でありMTX少量パルス療法が(7.5〜15mg/week)が有効とされている。眼ベーチェット病用いられるシクロスポリン神経ベーチェット病増悪誘発させる。急性型血管炎考えられている。 肥厚性硬膜肥厚性硬膜炎は様々な原因で脳や脊髄硬膜肥厚し病変部位に応じて頭痛脳神経麻痺痙攣脊髄圧迫症状など様々な症状きたす症候群である。造影CTや造影MRIにて造影効果を伴う硬膜肥厚認められる原因としては感染症続発ANCA関連血管炎症候群IgG4関連臓器リンパ増殖症候群IgG4+MOLPS)などの報告がある。治療ステロイド主体となっている。 疾患分類疾患感染性疾患 結核細菌真菌梅毒HTLV-1 膠原病関連 関節リウマチ多発性筋炎MCTDシェーグレン症候群SLE結節性多発動脈炎ANCA関連血管炎、MOLPS その他 特発性悪性腫瘍サルコイドーシス造影剤髄腔内投与静脈洞血栓症透析外傷薬剤

※この「血管炎によるもの」の解説は、「脳梗塞」の解説の一部です。
「血管炎によるもの」を含む「脳梗塞」の記事については、「脳梗塞」の概要を参照ください。

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