脳脊髄液
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脳脊髄液(のうせきずいえき、cerebrospinal fluid、CSF)は、脳室系とクモ膜下腔を満たす、リンパ液のように無色透明な液体である。弱アルカリ性であり、細胞成分はほとんど含まれない。略して髄液(ずいえき)とも呼ばれる。脳室系の脈絡叢から産生される廃液であって、脳の水分含有量を緩衝したり、形を保つ機能をもつ。一般には脳漿(のうしょう)として知られる。
- ^ Greitz, D., Hannerz, J. "A proposed model of cerebrospinal fluid circulation: observations with radionuclide cisternography." AJNR. American Journal of Neuroradiology 17(3), 1996, pp. 431-438.
- ^ Koh, L., Zakharov, A., Johnston, M. "Integration of the subarachnoid space and lymphatics: is it time to embrace a new concept of cerebrospinal fluid absorption?" Cerebrospinal Fluid Research 2, 2005, p. 6.
- ^ Rangel-Castillo, Leonardo; Gopinath, Shankar; Robertson, Claudia S. (2008-5). “Management of Intracranial Hypertension”. Neurologic clinics 26 (2): 521–541. doi:10.1016/j.ncl.2008.02.003. ISSN 0733-8619. PMC 2452989. PMID 18514825 .
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- ^ 訴訟:髄液漏れ「事故で発症」 最新研究を考慮、被害者側が逆転勝訴--大阪高裁 毎日新聞 2011年9月2日
- ^ 髄液減少症:新基準で認定 画像判定を採用 横浜地裁 毎日新聞 2012年8月26日
- ^ 脳脊髄液減少症:和歌山地裁で労災認定 障害年金の支給命令 毎日新聞 2013年4月17日
髄液検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/17 14:22 UTC 版)
75%の患者では髄液検査で細胞や蛋白上昇などの異常は認められない。
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髄液検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 05:35 UTC 版)
「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」の記事における「髄液検査」の解説
髄液細胞数が10/μl以下で蛋白増加しているのがCIDPを支持する所見である。細胞数が増加している場合はボレリアなどの感染症やリンパ腫を考慮する。
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髄液検査
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「ギラン・バレー症候群」の記事における「髄液検査」の解説
脳脊髄液中に蛋白が増加しているが、細胞の増加は認めない(蛋白細胞解離)。解離の程度は臨床症状の程度に平行して増強し、病初期ははっきりしないことが多く10〜20病日でピークとなる。髄液内に細胞浸潤は認められないものの、組織障害が起こり蛋白の上昇が起こっていると考えられている。
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髄液検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:25 UTC 版)
詳細は「脳脊髄液」を参照 特異的な髄液中のマーカーは見つかっていない。髄液細胞数や蛋白は正常なことが多く、上昇しても軽度である。細胞数が極端に多い場合はむしろ他の疾患を考慮する。特に好中球が優位な場合は視神経脊髄炎が検討される。OCBやIgG indexは現在MS診断において最も用いられている髄液検査でありそれぞれ髄腔内でのIgG産出を質的、量的に評価するものである。欧米の報告ではMSのOCB陽性率は95%とされるが日本人では70%程度とされ陰性例の判断にも注意が必要である。OCB陽性例はCISならばMSへの移行率が高く、MSならば障害度の進行が早く予後予測の点でも重要である。MBPの測定もよく行われる。 オリゴクローナルバンド (OCB) OCBは髄液を電気泳動し、免疫グロブリンを特異的に染色した際にγグロブリン領域に細く濃染する数本のバンドのことである。オリゴクローナルバンドの存在はある抗原に対して、とくに強い液性免疫応答が起こっていることを示している。特に同時採血した血清中に対応するオリゴクローナルバンドがなく、髄液で認められれば中枢神経内での抗体産出を意味する。オリゴクローナルバンドは脱髄疾患、感染症、末梢神経障害などで陽性となる。脱髄疾患には多発性硬化症や副腎白質ジストロフィー、感染症では各種髄膜炎、神経梅毒、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症、HAM、HIV-1感染症などで知られている。また脳血管障害やSLE、脳膿瘍などでも認められる。膠原病や梅毒、亜急性硬化性全脳炎などの感染症などの場合でオリゴクローナルバンド陽性の時は治療とともに消失していくのが特徴とされている。 ミエリン塩基性タンパク質(英語版) (MBP) MBPはミエリンを構成する主要タンパク質である。MBPの上昇は髄鞘の破壊の亢進を意味する。MBPが高値になる疾患としては、多発性硬化症、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、神経梅毒、脳炎各種、神経ベーチェット病、ギランバレ症候群、慢性脱髄性多発神経炎(CIDP)、HAM、頭部外傷、脳梗塞急性期、AIDS dementia complexなどが知られている。
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髄液検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 02:42 UTC 版)
腰椎穿刺は高度の頭蓋内圧亢進、頭蓋内占拠性病変(特に後頭蓋窩)、腰部局所の感染巣、高度の出血傾向がある場合は禁忌となる。頭蓋内圧亢進時は最低限の髄液を採取するが、特に上記に該当しない場合は8~12mlほど採取し充分量保存する。 詳細は「脳脊髄液」を参照 液圧外観線維素析出細胞数主な細胞蛋白質糖塩素トリプトファン反応基準値 70 - 180mmH2O 無色透明 なし 5/mm3以下 単核球 15 - 45mg/dl 50 - 80mg/dl 118 - 130mEq/l なし ウイルス性髄膜炎 ↑ 無色透明 なし ↑ - ↑↑ 単核球 ↑ ± ± なし 結核性髄膜炎 ↑↑ 無色透明、日光微塵 +(くも膜様) ↑↑↑(200 - 500) 単核球 ↑↑ ↓↓ ↓↓ ++ 細菌性髄膜炎 ↑↑↑ 膜様混濁 +++(膜様塊) ↑↑↑(1000以上) 多形核球 ↑↑ ↓↓ ↓↓ ++ 日本脳炎 ↑ 無色透明に微塵黄染 + ↑ 初期は多形核、後期はリンパ球 ↑ ± - ↑ ± - 多発根神経炎 ↑ 無色透明 + 0 - ↑ 単核球 ↑↑↑ ± ± - くも膜下出血 ↑↑↑ 初期血性、後期黄染 +++ ↑ 単核球 ↑↑↑ ↓ - + 脳膿瘍 ↑↑ 透明黄染 - ↑ 単核球、異型細胞 ± - ↑ ± - ↓ ± - 脊柱管腔閉塞 ↓ 透明黄染 ++++(膠様凝固) ↑ - ↑↑↑ 単核球 ↑↑↑ ± ± - ↓ - 脳脊髄梅毒 ↑ 無色透明 - ↑ 単核球 ↑ ± ± - 多発性硬化症 ± 無色透明 - 0 - ↑ 単核球 ± - ↑ ± ± - 神経ベーチェット病 - 無色透明 - 10 - 200 多形核 ↑ ± ± -
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