動脈系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 10:09 UTC 版)
内頸動脈は酸素を充分に含んだ血液を脳の吻側へ、椎骨動脈は尾側へ運ぶ。この2つの流れは、中脳と橋の間の脚間槽(英語版)にある環状に動脈が繋がった大脳動脈輪で合流する。 内頸動脈は総頸動脈から分枝し、頸動脈管(英語版)を通じて頭蓋骨に入り、海綿静脈洞を通ってクモ膜下腔に入る。そして大脳動脈輪に入り、2本の前大脳動脈(英語版)に分かれる。前大脳動脈はまず前方へ、次いで大脳縦裂に沿って上行し、脳の前部と中部に血液を供給する。1本ないし複数の細い前交通動脈(英語版)が分枝の直後に2本の前大脳動脈に合流する。内頸動脈は中大脳動脈と名を変えて先へ続き、眼窩の蝶形骨に沿って横へ進み、島皮質を通って上行し、そこで最後の分枝が起こる。中大脳動脈はその経路全体で枝を生やしている。 椎骨動脈は左右の鎖骨下動脈から分枝し、頸椎に開いた横突孔を通って上へ延び、延髄の両側面に沿いながらそれぞれ大後頭孔を通って頭蓋内腔へ入り、また後下小脳動脈を分枝させる。左右の椎骨動脈は延髄の半ばで合流してより太い脳底動脈(英語版)となり、それが何本かの枝を出して延髄と橋へ血液を送ると共に、前下小脳動脈(英語版)と上小脳動脈(英語版)も分枝させる。最終的に脳底動脈は2本の後大脳動脈(英語版)に分枝する。それらは外側へ向かい、上小脳脚の周りと小脳テントの上を通り、枝を延ばして側頭葉と後頭葉に血液を供給する。それぞれの後大脳動脈は、内頸動脈に接続する細い後交通動脈を分枝させる。
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