血管雑音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/10 00:31 UTC 版)
血管雑音 Vascular murmur |
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別称 | Bruit |
診療科 | 循環器科 |
血管雑音(けっかんざつおん、英語: vascular murmur、Bruit[3])とは、血管(動脈)の一部が閉塞しているか、閉塞していない血管の血流が局所的に多いために、血管内の血液で乱流が発生し、その乱流によって生じる異音である[4]。
解説
聴診器のチェストピースを乱流が発生していると思われる部位の皮膚にしっかりと当て、耳を澄ますと、血管雑音を聴取することができる(「聴診」)。ほとんどの血管雑音は、収縮期(systole)にのみ発生するため、断続的で、その周期は心拍数に依存している。発熱や貧血、甲状腺機能亢進症、身体運動など、血流速度を増加させる要因は、血管雑音の大きさを増加させる可能性がある。
語源
英語圏における「Bruit」は、フランス語の「noise(雑音)」を意味する単語「Bruit」から導入されたが、読みとしては[ˈbruːi]や[bruːˈiː]も一般的であるとする者や[5]、心臓に関連する際は[ˈbruːi]のみを挙げる者もいる[6][7]。
関連する用語
部分的な閉塞の部位によるもの
- 末梢血管疾患;大腿動脈狭窄症 - 閉塞性動脈硬化症
- 腎動脈狭窄
- 脳卒中、頸動脈狭窄症
- 大動脈瘤
- 耳鳴り - 頭蓋動脈雑音によって引き起こされる可能性のある症状
- 動静脈奇形
- 大動脈縮窄
- 肝細胞癌(Hepatocellular carcinoma)
- アルコール性肝炎
部分的な閉塞のメカニズムによるもの
- アテローム性動脈硬化(アテローム、プラーク) - 動脈壁へのコレステロールの沈着
- 正中弓状靭帯圧迫症候群、腹腔動脈狭窄 - 外部からの圧迫
局所的な高血流によるもの
分類不能
- リウマチ性多発筋痛症
- 巨細胞性動脈炎
- 線維筋性形成異常症
- IgG4関連疾患
関連項目
- 頚部血管雑音
- Souffle
脚注
- ^ Houghton Mifflin Harcourt, The American Heritage Dictionary of the English Language, Houghton Mifflin Harcourt, オリジナルの2015-09-25時点におけるアーカイブ。 2018年7月4日閲覧。.
- ^ Elsevier, Dorland's Illustrated Medical Dictionary, Elsevier .
- ^ "bruit" - ドーランド医学辞典
- ^ "vascular murmur" - ドーランド医学辞典
- ^ Wolters Kluwer, Stedman's Medical Dictionary, Wolters Kluwer .
- ^ Merriam-Webster, Merriam-Webster's Medical Dictionary, Merriam-Webster .
- ^ Merriam-Webster, Merriam-Webster's Unabridged Dictionary, Merriam-Webster .
外部リンク
分類 | |
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外部リソース(外部リンクは英語) |
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