芳極国
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首都は蒲蘇、王宮は鷹隼宮。王も麒麟も不在。先の王は治世約30年の健仲韃(けんちゅうたつ)、麒麟は峯麟。あまりにも苛烈な法を敷いたため、仲韃統治の最後の年には30万人が処刑され、仲韃の治世全体では人口の1/5にあたる60万に及ぶ民が処罰されるに至り、恵州侯月渓が中心となって余州八州全てが蜂起し、王と王后、麒麟が共に殺害された。 現在は、天の条理と慣習を逸脱したという点で形式上"偽王"でありながら、実際には内外から空白期の正当な国権の継承者(仮王)として認められた月渓が事実上国を治め、荒廃をよく押さえ込んでいると評価されている。ただし供王珠晶によると、蓬山にあるはずの峯果が行方不明(現在蓬山に麒麟は居らず麒麟の卵果も塙果のみ)という情報があり、王不在が長期化する事が危惧されている。 必王(楽俊曰く12代か13代の王)の時代に山客によって仏教が伝えられ、最初に寺が建てられたのがこの国である。そのため死体は荼毘に付し里祠も建物の並びが廟堂風ではなく寺堂風になっている。 これという産物は無く、主要産業は林業と牧畜。いい牛馬を産出するといわれる。冬は豪雪に見舞われるため、寒さ以上に積雪による物流と経済の滞りが民を苦しめる。
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芳極国
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祥瓊(しょうけい) #慶東国参照。 月渓(げっけい) 声 - 田中正彦 元・恵州侯で、現在は芳国の仮王。 仲韃の信任を得て恵州侯に任じられ、以後、よく仕えた。仲韃を慕うがゆえに、彼の過酷なやり方を見ることに耐えられず、他の州侯らと共に反乱を起こし、仲韃と佳花そして峯麟を討った。祥瓊に対しては将来の更生を信じ、仙籍を剥奪した上で民間に隠した。佳花に対しては仲韃よりも数倍悪辣だと評していた。 実直で誠実な性格と確かな手腕から、官民を問わず国内の人望を一心に集めている。しかし悪意あっての弑逆ではなかったと弁明したいがために、「玉座を簒奪することは天命に反する」と頑なに玉座を拒み、朝廷を去って本来の恵州侯の地位に戻ろうとし、官たちの懇願で助言者(実質的には冢宰)としてのみ朝廷に留まっていた。あくまでも最後には朝廷を去るつもりで居たが、更生した祥瓊の姿や、それを伝えに慶王の使者として訪れた桓魋の諫言により、仮王として立つことを決意する。 アニメでは、祥瓊の歌う「偲芳歌」を幸せの象徴としてとらえ、好んでいた。 健仲韃(けん ちゅうたつ) 声 - 徳丸完 夏官出身の先の峯王。諡号は冽王。姓は孫、氏は健。祥瓊の父親。治世は30年余り。武より文を好み、臣への下賜品は必ず文房四宝だった。 即位前には清廉潔白な人柄で諸官の尊崇を集めていたが、自分自身が表裏の無い性格であったために、人間を表面的な言動で判断する傾向があった。即位後は法治国家の柳国を目標とするものの、罪を嫌うあまりに過酷な法を布く。約30年の治世の間に過酷さは際限なく激化していき、最期の年には1年間で30万の市民が処刑され、治世全体では国の人口の1/5に当たる60万人が処刑された。あまりの苛烈さに、ついには月渓をはじめ八州すべての州侯が離反、鷹隼宮に八州師あわせて10万の軍が殺到する事態となる。首都・蒲蘇の門は市民たちによって内側から開けられ、王宮の深部にある後宮で300あまりの小臣と共に八州師と壮烈に戦うも、討ち取られた。 峯麟(ほうりん) 声 - 松下美由紀 芳国の麒麟。2人の王に仕えたが、ともに暗愚な王を選んだとして、仲韃とともに月渓に討たれる。 佳花(かか) 声 - 落合るみ 仲韃の妻。華美を嫌う夫の前では夫に従い質素な生活をしているように見せていたが、実際には表から見えない部分で贅沢をしていた。他の婦女の美貌と才気を妬む、娘の遊び相手の子供の利発さを妬むなど、虚栄心が強い。妬んだ相手の罪を捏造して夫に讒言し、家族ごと処刑させたりした。月渓によって仲韃と共に斬首される。 沍姆(ごぼ) 声 - 竹口安芸子 祥瓊が預けられた里家の閭胥(長老)。息子が仲韃の過酷な法により死罪になったことを恨み、事あるごとに祥瓊を虐待する。祥瓊を自らに預けた月渓の信頼に応えるため他の者には祥瓊の正体を隠し続け、祥瓊の正体が露見して殺されかかった時には月渓に急を知らせた。祥瓊の私刑未遂の後、祥瓊を虐待した事を問責され、月渓により閭胥を罷免される。
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