第2次シリーズ(1997年 - 2000年)
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「岩波講座世界歴史」の記事における「第2次シリーズ(1997年 - 2000年)」の解説
1997年10月から2000年8月にかけて刊行された。全28巻および別巻からなる。これは岩波講座のなかで、一つのシリーズとしては2番目に多い刊行点数である。通史編(20巻)とテーマ編(7巻)から構成される。通史編では世界の各地域の各時期が割り当てられており、それぞれの論文は、特定の地域と時代についての全体構造を論じる「構造と展開」、国家の枠組みに収まりきらない地域や辺境などの特異点に着目する「境域と局所」、学会における論争的な問題を取り扱った「論点と焦点」に分かれて収められている。これに対し、テーマ編(第5巻・12巻・15巻・19巻・22巻・25巻・28巻)では、特定の時代に世界に共通してみられる事象に着目して、地域をこえた共時的連関を検討し、その世界史的意味を考える内容となっており、それぞれの論文は、「構造と展開」、地域をこえた交流や比較を行う「交流と比較」、「論点と焦点」に分かれて収められている。さらに、第1巻には全体を総括する役割を与えている。 第1次シリーズと異なって特定の時代区分は設けていないが、事実上の原始から中世にあたる16世紀以前に11巻、事実上の近世から現代にあたる16世紀以降に16巻を割り当てている。また第1次シリーズに比べて、アジア・イスラム世界の記述を増やし、西欧の記述の割合を下げるなどの特色を持つ。 編集委員:樺山紘一、川北稔、岸本美緒、斎藤修、杉山正明、鶴間和幸、福井憲彦、古田元夫、本村凌二、山内昌之 A5判・上製(濃茶色カバー)・函入(型抜函)・本体価格3000円+税 世界史へのアプローチ オリエント世界 - 7世紀 中華の形成と東方世界 - 2世紀 地中海世界と古典文明 前1500年 - 後4世紀 帝国と支配 古代の遺産 南アジア世界・東南アジア世界の形成と展開 - 15世紀 ヨーロッパの誕生 4 - 10世紀 ヨーロッパの成長 11 - 15世紀 中華の分裂と再生 3 - 13世紀 イスラーム世界の発展 7 - 16世紀 中央ユーラシアの統合 9 - 16世紀 遭遇と発見 異文化への視野 東アジア・東南アジア伝統社会の形成 16 - 18世紀 イスラーム・環インド洋世界 16 - 18世紀 商人と市場 ネットワークの中の国家 主権国家と啓蒙 16 - 18世紀 環大西洋革命 18世紀後半 - 1830年代 工業化と国民形成 18世紀末 - 20世紀初 移動と移民 地域を結ぶダイナミズム アジアの〈近代〉 19世紀 イスラーム世界とアフリカ 18世紀末 - 20世紀初 産業と革新 資本主義の発展と変容 アジアとヨーロッパ 1900年代 - 20年代 解放の光と影 1930年代 - 40年代 戦争と平和 未来へのメッセージ 経済成長と国際緊張 1950年代 - 70年代 ポスト冷戦から21世紀へ 1980年代 - 普遍と多元 現代文化へむけて 別巻 総目次・文献索引
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