磁石の歴史とは? わかりやすく解説

磁石の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 06:56 UTC 版)

磁石」の記事における「磁石の歴史」の解説

磁石の歴史について、一説によると古代ギリシアマグネシアでは磁鉄鉱採掘されており、これが人類最初に出会った磁石で、マグネットmagnet)もこの地名由来しているという。 プラトンは、その著書イオン』にて「マグネシアの石」として磁石のことを言及している。ローマ帝国博物学者大プリニウスは、著書博物誌』にて、マグネスという羊飼い磁石を偶然発見した述べている。なお『博物誌』には、ダイヤモンド磁石の力を妨げるという奇妙な説も記述されている。 一方古代中国呂氏春秋』には「石之母也 以有慈石 故能引其子」(の石は母のように子を引き寄せる力を持つ)という記述がある。ほかにも『淮南子』(BC2世紀)、『管子』(BC1世紀)などにおいて引き寄せる「慈石」に関する言及見られる。この「慈石」が漢字の「磁石」のもとになったまた、晋書第五十七巻、列伝第二十七)によると、晋の武将馬隆は、鮮卑禿髪樹機能との戦において、磁石大量に用いることで、鉄の鎧武装した鮮卑騎兵足止めしたという逸話記録されている(原文:或夾道累磁石 賊負鎧 行不得前 隆卒悉被犀甲 無所留礙 賊咸以為神)。ただし、資治通鑑著した司馬光は、この記述紹介した折に「恐不可信(おそらく、信ずべからず)」と、信憑性が低いとの評価与えている。 日本においては続日本紀に「和銅6年713年近江の国より慈石を献ず」との記述がある他、狂言では「慈石」という演目がある。また、歌舞伎の「毛抜」では、磁石により操られる毛抜登場する11世紀中国宋の時代磁石の針を浮かべ原始的な羅針盤発明されヨーロッパにも伝わった磁石対し近代的な科学の光をあてたのは、エリザベス1世侍医であったウイリアム・ギルバートである。その著書磁石及び磁性体ならびに磁石としての地球生理学』(De Magnete, Magneticisque Corporibvs,et De Magno Magnete Tellure) においてギルバートは、磁石に関する俗説既知現象について詳細に検証している。例えば、羅針盤の指北性を論じにあたり球形磁石作製し、これに対す磁針振舞い観察している。この結果地球そのもの磁石であると結論付けている。また、琥珀などが軽い羽毛などを引きつける静電引力は、磁力とは異な現象であるとも論じている。ギルバート実験論証による方法論は、その後科学多大な影響与えた産業革命起き製鉄技術冶金技術発展した磁石には炭素鋼使われるだけで特に進歩はなかった。しかし、20世紀になり日本本多光太郎らが「KS鋼」を発明したことが近代磁石第一歩となり工業の発展大きな貢献果たした1825年 - ウィリアム・スタージャンによって電磁石発明された。 1917年 - 本多光太郎らによってKS鋼発明された。 1931年 - 三島徳七によってMK鋼開発された。 1933年 - アルニコ磁石発明された。 1934年 - 新KS鋼開発された。 1937年 - 東京工業大学加藤与五郎武井武によってフェライト磁石発明された。 1970年代前半 - サマリウムコバルト磁石発明された。 1971年 - 東北大学金子によって鉄-クロム-コバルト磁石開発された。 1970年代 - 松下電器産業(現・パナソニック)によってマンガンアルミ磁石開発された。 1982年 - 住友特殊金属(現・日立金属NEOMAX)の佐川眞人によってネオジム磁石発明された。 2004年 - イギリスダラム大学研究者によってプラスチック磁石発明された。

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