磁石の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 04:40 UTC 版)
ブラウン管に磁石を近接させると、管を構成する金属部品や蒸着膜が帯磁して内部の電子ビームに歪みが起こり、正しく動作しなくなる場合がある。特に、鉄製のアパーチャーグリルやシャドウマスクを採用している物でも、これらマスクが磁化すると色ズレを起こしやすい。色ズレの影響が目立ちやすいコンピュータ用ディスプレイでは、消磁機能を内蔵しているものが多いほか、内蔵していない場合でもテレビなどの消磁に用いる専用の消磁器もあり、高速で磁場を反転させながら、徐々に磁場を弱くすることにより、帯磁を消失させる。 消磁器は作動させたら、画面上で円を描くようにしながら次第に遠ざける事で磁気の影響を気に成らない程度に軽減させられる。熟練を要し、失敗のリスクを伴う方法だが、永久磁石でも上手に一定速度で画面上を動かしながら遠ざけることで、消磁することも原理的には可能である。 基本的にブラウン管使用機器のそばにスピーカーやモーターといった磁気を発する物を設置するのは避けるべきである。ただしこれらの影響を与えないように防磁機能を持たせているものは、影響が無視できるほどに小さくなっている。
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